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未利用資源・未利用エネルギーに関する国内外のニュースを収集し、AI が日本語で要約しています。 全 114 記事。
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溶剤に溶けた鉛を99%以上つかまえる改質セルロース、金沢大が太陽電池の再生廃液で確認
ペロブスカイト型太陽電池は、薄く軽く作れることから次の世代の太陽電池として期待されているが、材料に鉛を含む。使い終わった電池を再生しようとすると、この鉛が溶剤に溶けた廃液が出る。鉛をそのまま流せないため、回収する手立てが要る。 ところが、既存の金属回収技術はほとんどが水溶液を相手にするよう作られている。吸着材は水の中で働くことを前提に設計されており、メタノールやN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)といった有機溶剤が主成分になると、金属をつかまえる力が落ちる。再生の工程で実際に出てくるのは、まさにその溶剤を含む廃液である。 金沢大学の研究グループは、福島大学および株式会社ダイセルと共同で、この条件で働く吸着材「DPE6」を開発した。土台にしたのはセルロースで、そこにジチオカルバミン酸基という硫黄を含む官能基を付けてある。硫黄原子が金属イオンを強くつかまえる性質を使う設計で、周りが水か溶剤か
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解体コンクリートを製鋼用の電気炉でセメントに戻す、英Reclinkerが1,000万ポンドを調達
セメントが出すCO2は、世界全体のおよそ7%にあたる。厄介なのは、その大半が燃料の話に収まらない点にある。原料の石灰石を焼くと、熱とは無関係に石灰石そのものからCO2が抜けていく。クリンカーと呼ばれるセメントの主成分を作る工程では、排出の53%がこの反応に由来し、35%が化石燃料の熱に由来するとされる。燃料を替えても半分以上が残る構造になっている。 英ウェールズ・カーディフの Reclinker は、この工程自体を回避する方法を採った。解体で出たコンクリートからセメント分を取り出し、鉄スクラップを溶かすために各地の製鋼所がすでに持っている電気炉へ投入する。炉の中でクリンカーに戻るため、専用のキルンも、採掘した石灰石も、化石燃料の熱も要らない。原料はすでに一度焼かれた材料なので、石灰石から出るはずのCO2もそこにはない。同社は排出量が従来のセメントに比べてただちに約50%減り、規模を広げれば
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再生金属に「どこまで確かめたか」を付けて売る、DOWAが黒鉱由来の新ブランドKUROCONEX
精錬を終えた金属は、どこから来たかが製品そのものには残らない。鉱石を掘って作った電気亜鉛も、使用済み製品から回収して作った電気亜鉛も、成分が同じなら区別がつかない。再生材を選びたい買い手にとって、この見分けのつかなさが壁になる。確かめる手段が無ければ、再生材であることに価格を払う理由も立たないからである。 DOWAホールディングス株式会社は2026年9月28日、資源循環に関わる製品とサービスをまとめた新しいブランド「KUROCONEX」を立ち上げた。対象になるのはリサイクル金属、リサイクル金属を使った製品、そして加工サービスで、具体的にはシアン化金カリウム、ショット金、電気亜鉛、スズ、水アトマイズ銅合金粉(AOA、溶けた合金に高圧の水を当てて粉にしたもの)が挙がっている。 ブランドの要は品目の並びではなく、載せる条件のほうにある。同社は対象を、第三者認証を取得したもの、または第三者による確
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休校で余った給食パンを1袋100円で市民へ、福岡市学校給食公社が環境大臣賞
学校給食は、作る数が前日までに決まる。だから学級閉鎖や一斉休校が急に決まると、すでに焼き上がったパンや仕入れた食材が行き場を失う。食べられる状態のまま捨てるしかないという事態が、感染症の流行期には各地で起きてきた。 環境省と消費者庁は2026年9月29日、2026年度の食品ロス削減推進表彰の受賞者を公表した。最上位にあたる環境大臣賞に選ばれたのは公益財団法人福岡市学校給食公社で、この給食用パンを市民に売るという取り組みである。市とパン製造業者と連携して販売許可を取り、回収したパンをその日のうちに売る。複数個を袋に詰め、原材料と期限を表示したうえで、2026年9月時点で1袋100円としている。売上は食材の購入費に充てる。2021年度から2025年度までに販売会を325回開き、およそ24万5,000個の廃棄を防いだ。 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)賞は特定非営利活動法人ジャパンハーベ
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家庭の天ぷら油を8か所で集めて堺の工場へ、坂出市とコスモ石油ら4社が四国で初の協定
廃食用油を燃料に回す流れは、飲食店や食品工場の分だけなら以前から成り立っている。1か所からまとまった量が定期的に出るため、引き取りに行く側の採算が合うからである。難しいのは家庭から出る分で、1世帯あたりの量が少なく、出る時期もばらばらになる。 香川県坂出市とコスモ石油株式会社、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYの5者は2026年9月30日、この家庭系の廃食用油を集めて航空燃料SAFの原料に回す連携協定を結んだ。SAFは廃食用油などから作る航空燃料で、化石由来の燃料に比べてライフサイクル全体のCO2排出を抑えられる。 仕組みの中心は回収場所の配置にある。市は協定と同じ日に、市役所本庁舎、生活環境課、市立体育館、南部公民館、西庄公民館、そしてマルヨシセンター池園店、コープ坂出店、マルナカ坂出店の計8か所で受け入れを始めた
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廃棄物の受け渡しを全件デジタルで記録、英イングランドとウェールズで1.2万事業者に義務化
廃棄物が適正に処理されたかどうかは、出した側と受け取った側の記録を突き合わせれば分かる。書面でやりとりしているうちは、その照合に手間がかかり、抜け落ちた分は見つからないまま残る。イングランドとウェールズで2026年10月1日に始まった「Digital Waste Tracking」は、この照合を機械にさせるための制度である。 初めの対象は、許可を受けて廃棄物を受け入れている施設1万2,000か所になる。これらの施設は「Report Receipt of Waste」という新しい窓口から、運んできた業者の情報、廃棄物の分類コード、そして処理の結果を登録することが義務づけられる。従来の記録方法は置き換えられ、やりとりのたびに記録を残す形に変わる。 規制当局である環境庁(Environment Agency)が見るのは、個々の記録そのものより、記録どうしの食い違いである。収集されたと報告された量
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捨てられる衣類を道路の穴に詰める、英メードストンが公園で5か所の試験
繊維廃棄物の使い道は、繊維に戻す方向で考えられることが多い。古着として売る、ほぐして糸に戻す、ウエスにする。英イングランド南東部ケント州のメードストン自治区議会が始めた試験は、そこから外れて道路に向かっている。 議会は、英国の素材メーカー RECOOL が開発した低炭素の補修材を使い、公園内にできた穴をふさぐ試験を始めた。道路の穴は英語でポットホールと呼ばれ、雨水が入って凍結と融解を繰り返すことで広がっていく。補修の手順は、まず廃棄された繊維から作った材料を穴に詰め、その上に専用の表層材をかけるというものである。 試験の場所は公道ではない。議会が所有するモート公園で2か所、ペネンデン・ヒースで3か所の計5か所を選んだ。人が歩き、天候にさらされる条件は本物の路面と変わらないが、交通量と責任の重さは公道より小さい。耐久性と環境面での利点を従来の補修材と比べる作業を、これから数か月かけて続ける。
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サンパウロの下水汚泥を炭にして畑へ、東京海上アセットと日本工営がクレジット化を本格展開
下水処理場は、水をきれいにするほど汚泥が出る。水に溶けていた有機物を集めて取り出す以上、処理量に比例して残る量も増える。この汚泥をどこへ持っていくかは、下水道が広がる国ほど重い課題になる。 東京海上アセットマネジメント株式会社は2026年10月2日、日本工営株式会社と組んで、ブラジル・サンパウロ州でこの汚泥を扱う「社会課題解決型バイオ炭カーボンクレジット創出プロジェクト」を本格的に始めると発表した。汚泥は炭化装置にかけてバイオ炭、つまり酸素の乏しい状態で焼いて炭素のまま固めたものに変える。それを農地にまく。 この構成が収益につながるのは、バイオ炭が土の中で分解されにくいからである。有機物をそのまま農地に入れれば微生物が分解して再びCO2になるが、炭にしておけば炭素は長く土に残る。大気に戻らなかった分を削減量として算定し、カーボンクレジットとして売る。汚泥の処分先が確保でき、農地には土壌改良
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いつ・どれだけ廃パネルが出るかを点検記録から読む、九州電力など3社が情報基盤で協定
太陽光パネルの廃棄は、量そのものより時期の読みにくさが問題になっている。設置から年数の経った設備がいずれ大量に外されることは分かっているが、どの設備がいつ外されるかは個別の事情で決まる。受け入れる側から見ると、処理の設備を建てても原料がいつ来るか分からない状態になる。 一般財団法人九州電気保安協会、株式会社グリーナー、九州電力株式会社の3社は2026年9月16日、この見通しを立てるための「太陽光パネル資源循環情報プラットフォーム構築に関する連携協定」を結んだ。狙いは、保守点検や処理の現場にすでにある記録を集めて、排出量と処理需要を予測することにある。 役割は3社で分かれている。九州電気保安協会は太陽光発電設備の保守点検サービス「SOLAWELL」を手がけており、設備ごとの状態という一次情報を持つ。九州電力は使用済みパネルの処理を引き受けるワンストップサービスを提供しており、実際に処理した実
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使い終わった木製型枠を炭にしてコンクリートへ戻す、大林組が実験棟の外壁で19.3トン削減
コンクリートを打つには型枠が要る。合板で作る木製型枠は打設のたびに傷み、数回で使えなくなるため、現場では常に一定量が廃材として出ていく。大林組は2026年9月29日、この型枠を炭にしたうえで、コンクリートの材料として打ち込む技術を開発したと発表した。 使うのは同社のCO2固定吸収型コンクリート「クリーンクリートN」である。このコンクリートはもともと、炭酸カルシウムを混ぜてCO2を内部に閉じ込める設計になっている。今回はその役割の一部を、木製型枠から作ったバイオ炭、つまり木材を酸素の乏しい状態で焼いて炭素のまま固めたものに置き換えた。植物が吸ったCO2を燃やさずに炭の形で残し、建物の構造体に閉じ込める筋道である。 適用先は自社の実験棟「オープンラボ3」で、工場で成形して現場で取り付けるプレキャストのカーテンウォール、つまり建物の荷重を受け持たない外装パネルに使った。内訳はバイオ炭由来が9.0
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料金原資で投じた2,080万ドルのうち1件が閉鎖、米ガス会社のRNG事業が抱えた原料リスク
未利用資源からエネルギーを作る事業は、原料が別の産業の副産物である以上、その産業の都合に左右される。米オレゴン州のガス会社 NW Natural の再生可能天然ガス(RNG)事業は、その構造的な弱点が表に出た例である。 同社は Tyson Foods の牛肉加工工場2か所でメタン発酵の設備に投資してきた。ネブラスカ州レキシントンに830万ドル、同州ダコタシティに1,250万ドル、合わせて2,080万ドルである。このうちレキシントンの施設が、牛肉業界の変動を理由に閉鎖されることになった。発酵槽の性能や運転の問題ではなく、原料を出す側の工場が閉じるという事情である。NW Natural は停止した事業にかかった費用について、料金原資での回収を申請している。 もう一方の WM との事業も進んでいない。ワシントン州イーストウェナッチーの埋立地でガスをRNGにする計画について、WM は NW Nat
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軟包装フィルムの引き取り手を仲介でつなぐ、米の食品ブランド連合が初の4社と契約
レジ袋や詰め替えパウチのような軟包装フィルムは、選別施設で集めても引き取り手が見つからず行き先を失いやすい。米国の消費財ブランドが立ち上げた USFFI が取っている手は、自ら処理設備を持つのではなく、集める側と処理する側を契約でつなぐ仲介である。 今回の契約先は4社で、役割が二手に分かれている。EFS Plastics と Merlin Plastics はフィルムの再生処理を担う業者、GreenWaste と Valemi は選別施設(MRF)の運営者である。GreenWaste の施設はサンノゼにある。USFFI はブローカーのように振る舞い、カリフォルニアの MRF が集めたフィルムを米国とカナダの再生業者へ回す。これまでに動かした量は300万ポンド(約1,360トン)を超え、月あたり最大8ロードのフィルムに対応するという。 USFFI は食品およびペットフードの企業が主導して20
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再生プラの品質のばらつきをAIで先読みする、日立らが内閣府SIPで選別の仕組みづくりへ
再生プラスチックが使われにくい理由の多くは、性能そのものよりも性能の読めなさにある。同じ回収ロットでも強度や流れ方がそろわないと、成形条件を決められず設計にも織り込めない。日立製作所が内閣府SIP第3期で取り組むのは、この「ばらつきの見えなさ」を測る側から埋める研究である。 開発するのは2つのAIである。品質評価AIは、製造ラインに付いているセンサーのデータから品質のばらつきを予測する。材料を作りながら、出てくるものの性質を推し量る使い方になる。劣化診断AIのほうは材料分析のデータを入力とし、劣化がどの段階にあるか、品質の変動が何に起因するかを解析する。この2つの結果をもとに再生材を分類し、用途に見合うものを振り分ける仕組みまでを含めて構想している。評価する物性は強度、流動性、劣化状態の3つである。 進め方は段階的で、2026年度から2027年度にかけて品質評価AIを開発して精度を検証し、
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ガラス繊維入りのPPS廃材から樹脂だけを溶かして取り出す、東レがモノマー分解を挟まない回収法を開発
PPSは耐熱性と寸法安定性に優れ、自動車のエンジン周辺や電気電子部品に使われるスーパーエンプラである。ただし実際の部品はガラス繊維で強化されていることが多く、廃材から樹脂だけを取り出すのが難しい。東レが開発したのは、この分離をモノマーへの分解を経ずに行う手法である。 工程の要点は選択的な溶解と晶析にある。溶媒でPPSだけを溶かし、その後に結晶として析出させる。ガラス繊維などの異物は溶けないため、この過程で分離・除去される。分子を一度モノマーまで壊してから再重合する化学リサイクルとは異なり、高分子の状態を保ったまま取り出すため、回収したPPSは廃材由来でありながら分子量と融点がバージン材と同等に維持されるという。東レは長年のPPS製造で蓄えた知見を使ったと説明している。 環境負荷については、原料製造から製品製造までのGHG排出量を約3割低減できる可能性を確認したとしている。分解と再重合の工程
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廃食用油からSAFを作るとナフサも出る、コスモ石油ら4社がそれを化学品とポリエチレンの原料に回す
廃食用油からSAFを作る工程では、目的物の航空燃料だけが出てくるわけではない。炭素数の少ない留分としてナフサが併産される。コスモ石油ら4社が始めたのは、この避けようのない副生物を捨てずに石油化学の原料に回す取り組みである。 分業はこうなっている。合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYがコスモ石油堺製油所内のSAF製造設備で廃食用油からSAFを作り、その工程で出るナフサを製造する。コスモ石油がそれを環境価値付きの原料として供給し、丸善石油化学が基礎化学品に変え、宇部丸善ポリエチレンがポリエチレンとして製品にする。原料から最終製品までを1本の低炭素サプライチェーンとして組む構成である。 受け渡しはISCC PLUS認証に基づくマスバランス方式で行う。既存の石油化学プラントに廃食用油由来のナフサだけを物理的に流し分けるのは現実的でないため、投入量に応じて製品の一部を「廃食用油由来」と帳簿
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霞ヶ浦の特定外来生物アメリカナマズを食材に、茨城県とベンナーズが10月上旬に商品化
霞ヶ浦で増えたアメリカナマズを、駆除すべき厄介者から売れる食材に置き換える試みが動く。茨城県の地域振興課と、未利用魚を扱う福岡市の株式会社ベンナーズが組み、加工品として10月上旬に発売する。 アメリカナマズは特定外来生物に指定されている。繁殖力と捕食能力が高く、湖の生態系への影響が懸念されるうえ、漁網にかかって網を破ることから、漁業者にとっては手間と損失の源になっている。捕獲して処分するだけでは負担が一方的に積み上がるため、捕った分が収入につながる出口を作れるかが、この種の課題では常に焦点になる。 商品化にあたっては、解凍して焼くだけで食べられる状態まで加工する。家庭での下処理という、なじみのない魚が食卓に上がらない最大の理由を取り除く設計である。販路はベンナーズが運営する未利用魚のサブスクリプションサービス「フィシュル!」で、全国各地で水揚げされた天然魚・未利用魚を使ったミールパックを定
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刈り捨てられるガマを活性炭に、同志社大が染料を同時吸着する銅担持材を1工程で作製
染色や製紙、皮革、食品加工の排水には合成染料が混じる。これを取り除く吸着材として、同志社大学の Asif Ali 氏、松本道明教授、田原義朗教授らが目を付けたのは、水辺で刈り取られたまま使い道のないガマだった。 手法の要点は工程を増やさないことにある。通常、活性炭に金属を担わせようとすると、炭化した後に金属塩を含浸させ、さらに還元剤で金属まで戻す段取りが要る。今回は硝酸銅(II)三水和物と水酸化カリウムをガマに混ぜ、一度に熱分解する。植物由来のバイオマスは熱分解の過程で一酸化炭素と水素を放出するため、これが還元剤として働き、細孔の中で金属銅のナノ粒子がその場で育つ。外から還元剤を持ち込む必要がない。研究グループはこの材料を ZVCu@BAC と呼んでいる。 性能は比表面積984.5 m²/g、細孔容積0.615 cm³/gで、吸着容量はメチレンブルーで62.31 mg/g、メチルオレンジで
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コーヒーポッド回収、英Co-opが30店舗の試行から200店舗超へ 10か月で8トン
英国の生活協同組合Co-opが、店頭での使用済みコーヒーポッド回収を200店舗超に広げる。展開先はイングランド南西部とサウスウェールズで、回収拠点を供給するのはポッドリサイクル事業のPodbackである。 きっかけは2025年11月に始めた試行だった。環境負荷を下げる手法を試すために設けられた「サステナビリティ・ショーケース店舗」30店に回収拠点を置いたところ、8トンのポッドが持ち込まれた。個数にすると50万個を超える。1店舗あたりに均せば約270kg、1万7千個ほどが集まった計算になる。試行の結果を受け、Co-opはこの取り組みを恒久的なものとして拡大する判断をした。 回収されるのはPodback加盟ブランドが販売するプラスチック製およびアルミ製の飲料ポッドに限られる。集まったポッドは英国内の再処理業者へ運ばれ、樹脂とアルミはそれぞれ素材として回収される。中身として残るコーヒーかすは別に
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木質バイオマス発電の焼却灰からカルシウムを抜き、排ガスのCO2を炭酸塩に固定 TBMが3か年実証へ
木質バイオマス発電所は、燃やした後に灰を残し、煙突からCO2を出す。TBMが東京都の事業に採択された実証は、この2つを互いにぶつけて片付けようという組み立てである。焼却灰からカルシウム成分を抽出し、同じ発電所の排ガスから回収したCO2と化学反応させる。生じるのは炭酸カルシウムで、CO2は固体として固定され、回収して製品にする。一連の工程が成り立つかを検証する。 前提となる量は小さくない。木質バイオマスの燃焼灰は2026年度に年間およそ82万t-wetに達する見通しで、このうち有効に使われているのは43%にとどまり、残る約57%は埋立処分に向かう。CO2側は、バイオマス発電からの排出が2020年度の推計で年間約1,650万tある。埋立に回る灰と、大気に出ていくCO2の双方に、同時に手を入れる形になる。 実証は東京都の「令和8年度CDRクレジット創出促進事業」として行われ、期間は2026年8月
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循環利用率が横ばい、環境省が第五次循環基本計画を初点検 資源生産性は目標の85%
2024年8月に閣議決定された第五次循環型社会形成推進基本計画について、環境省が初めての進捗点検の結果をまとめた。中央環境審議会循環型社会部会での審議を経たもので、計画が掲げる指標のうち、目標達成が見込めると評価されたものは限られる。 物量面の指標は方向が分かれた。最終処分量は2000年度から2023年度までに約79%減り、2023年度は約12.0百万トン/年となって、目標達成見込みと評価された。これに対し、投入された資源のうち循環利用されたものの割合を示す入口側循環利用率は約17.0%、廃棄物等のうち循環利用に回った割合を示す出口側循環利用率は約43.6%で、どちらも横ばいが続く。資源をどれだけ効率よく使えているかを示す資源生産性は約50.9万円/トンで、2030年度目標の60万円/トンには届いていない。一人当たりの天然資源消費量は2021年度で約12.1トン/人・年、再生可能資源等の投
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廃棄メタンを3Dプリント担体で化学品に、液相反応器の10倍超の性能
埋立地や下水処理場からはメタンが出る。温室効果はCO2の数十倍で、集めて燃やすか、発電に使うのが一般的な扱いになる。ただし燃やせばそれで終わりで、炭素としての価値は残らない。微生物にメタンを食べさせて化学品に変える道もあるが、ここには物理的な壁がある。メタンは水に溶けにくい。 従来の方式では、タンクに液体を張って微生物を浮かべ、そこへガスを吹き込んで撹拌する。溶けにくい気体を無理やり液に溶かすため、撹拌に電力を食う。溶けた分しか反応に使えないので効率も上がらない。 米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)のファン・チエン氏らの研究グループは、この前提を外した。3Dプリントで格子状の担体をつくり、その薄い壁の中にヒドロゲルとともに微生物を保持する。ガスは液に溶かすのではなく、担体を通り抜けて流れる。微生物は壁の中にいるので、ガスとの接触面が構造としてつくられる。 結果として、従来の液相シ
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英小売3社と慈善団体が繊維の循環で連携、再利用できない衣類を原料に
衣類の回収は、慈善団体が古くから担ってきた。集めた服のうち状態のよいものは中古として売れるが、そうでないものが必ず残る。破れ、しみ、伸びきったもの。これらは中古市場に乗らず、ウエスにするか、輸出するか、最後は焼却や埋立に向かう。繊維から繊維へ戻すリサイクルの技術は出てきているが、その設備が求めるのは素材が揃って不純物の少ない原料で、雑多な古着をそのまま投げ込めるわけではない。 英国で立ち上がった共同プロジェクト「The Circuit」は、この間を埋めにいく。使用後の繊維を回収して選別し、既存および新興の繊維リサイクル施設が使える原料へと前処理する。参加するのは小売のNew Look、マークス&スペンサー(M&S)、セインズベリーの3社と、慈善団体オックスファム、そして繊維循環の基盤を手がけるCircle-8 Textile Ecosystemsである。 役割は分かれている。オックスファム
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北米の使用済み携帯は3〜5割が回収されず、2040年に22億ドル分の鉱物
携帯電話には、コバルト、リチウム、希土類元素といった重要鉱物が少量ずつ入っている。1台あたりの量はわずかでも、台数が桁違いに多い。北米では2040年までに、米国で20億台、メキシコで4億1,000万台、カナダで1億8,000万台が使用済みになる見込みだという。 エレン・マッカーサー財団が公表した報告書「Missing Signal: Unlocking a Circular Economy for Mobile Phones in North America」は、この流れのどこで価値が失われているかを追った。北米環境協力委員会(CEC)の支援を受けている。 報告書の指摘で目を引くのは、二次利用そのものは機能しているという点である。最初の使用を終えた携帯のうち50〜70%はすでに再利用市場に入っている。中古として次の使い手に渡る経路は、ある程度でき上がっている。 問題はその先だった。30〜5
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使用済みの鉄道まくらぎを線路脇で破砕、韓国が移動式装置を実演
鉄道のまくらぎは、鉄筋の入ったコンクリートの塊である。交換すれば大量に出るが、線路は市街地から山間部まで細長く伸びているため、発生する場所が分散する。重い塊を処理施設まで運ぶ費用が、リサイクルの採算を押し下げてきた。 韓国鉄道技術研究院(KRRI)が実演したのは、この運搬をなくす方向の装置である。移動式のシステムで、破砕、鉄筋の分離、骨材の選別の3つを行う。掘削機に接続して線路の現場で使えるため、外部の施設まで運ぶ必要がない。発生した場所でかさを減らし、素材として分けたうえで持ち出す形になる。 実演は2026年5月13日、春川の金裕貞駅近くにあるまくらぎ保管場所で、鉄道関係者や利害関係者に向けて行われた。研究を率いたのは交通環境研究部のイ・ジェヨン部長らである。 出口も用意されている。回収した骨材は粒度別に選別したうえで、少量の結合材と混ぜて吸音ブロックにする。交通施設や建築物での使用を想
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清掃工場のCO2を建材や都市ガスへ、東京都が4件の実現可能性調査を採択
都市の中でCO2が一箇所に集まる場所として、清掃工場は条件がよい。排ガスの濃度が大気より桁違いに高く、公共施設なので長期の計画が立てやすい。ただし回収したCO2に行き先がなければ話は終わる。運ぶ手段と使う相手までをひと続きで設計する必要がある。 東京都産業労働局は、この一続きを調べる実現可能性調査(FS)の事業者を4件採択した。公募は令和8年4月27日から7月3日まで行われ、外部有識者を含む審査会が選んだ。調査の対象は、CO2を回収・利活用して需要家や消費者に届くまでの一連のサプライチェーンである。 コースは2つに分かれる。ひとつは都指定施設、すなわち東京二十三区清掃一部事務組合が管理する清掃工場を排出源とするもので、1件あたり令和8年度・9年度とも各1億5,000万円を都が負担する。もうひとつは都指定施設以外の都内施設を排出源とするもので、負担は令和8年度5,000万円、令和9年度1億円
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退役した客室乗務員の制服をポーチに、FDAが数量限定で販売
航空会社の制服は、デザインを変えると旧制服がまとまって余る。企業の識別に関わる衣類のため、そのまま古着として流通させるわけにいかない。中古市場に出れば乗務員を装う者が現れかねず、多くの会社は裁断して廃棄する扱いをとってきた。素材としては業務用に作られた丈夫な生地で、質は悪くない。 フジドリームエアラインズ(FDA)は、この2代目制服を使った商品を開発した。ポーチとマルチケースの2種類である。ポーチは5,600円(税込)で30個、サイズは150mm×200mm×50mm。マルチケースは6,600円(税込)で50個、180mm×130mmで展開時は370mmになる。2026年9月25日18時からFDA公式オンラインショップで販売する。 小物に仕立てる形をとっているのは、素材の性質に合っている。制服は1着あたりの生地面積が限られ、パーツごとに色や縫製の仕様も違う。大きな製品をそろえて量産するには
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経産省が10月にサーキュラーエコノミー週間、10社が個別の取り組みを展開
日本では毎年10月が「3R推進月間」にあたる。リデュース、リユース、リサイクルの普及啓発を関係省庁が展開する期間である。今回、経済産業省はこれに合わせて「サーキュラーエコノミーアクションWeek」を2026年10月1日から7日まで開く。3Rの取り組みを発展させる形で、サーキュラーエコノミーへの理解と実践を広げる狙いを掲げる。 3Rからサーキュラーエコノミーへ、という言い換えには内容が伴う。3Rは出てしまった廃棄物をどう扱うかに重心があるが、サーキュラーエコノミーは設計や事業モデルの側から資源が回るようにする考え方を含む。今回の賛同企業の顔ぶれには、その違いが表れている。 賛同するのは10社である。エアークローゼット、花王、クラス、サントリーホールディングス、セブン‐イレブン・ジャパン、パナソニック、BANDAI SPIRITS、メルカリ、ライオン、リフォームスタジオ(五十音順)。衣類や家具
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デポジットもアプリも無しのリユースカップ、英ブリストルで1年間試行
使い捨てカップをリユースカップに替える仕組みは各地で試されてきたが、たいていは利用者に何かを要求する。デポジットを預けさせるか、アプリを入れて登録させるか、その両方か。返却率を保つための担保だが、同時にそこが利用の障壁にもなる。店頭で列に並んでいるときに、アプリの起動を求められれば多くの人は諦める。 英ブリストルで始まった試行は、この担保を外した。利用者がすることは、飲み物を受け取って飲み、終わったら紫色の回収ボックスに返すだけである。運営に加わるEcosuretyのリチャード・マリオット氏は「デポジットもアプリも摩擦もない」と述べている。 成立させているのは場所の条件である。会場はUWEブリストルのフレンチェイ・キャンパスで、参加店舗はコスタコーヒー、サブウェイ、学生自治会バーの3か所。利用者は大半が学生と職員で、毎日同じ敷地に戻ってくる。キャンパス内に回収ボックスを80か所置けば、返す
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廃棄アイスクリームから脂肪を95%回収、遠心分離だけで採算が合う
アイスクリームの工場では、作った量のすべてが製品になるわけではない。品質が基準に届かない分、設備を洗浄するときに流れる分、アレルゲンの混入を防ぐために切り替え時に捨てる分がある。合わせると原料のおよそ5%が廃棄物になる。乳脂肪と糖と乳固形分の塊なので、栄養としては豊富なまま捨てられている。 米ペンシルベニア州立大学農学部の研究グループは、ここから脂肪を取り出す方法を比べた。試したのは酵素で分解する方法(プロテオリシス)と、pHを動かして分離させる方法である。乳製品から脂肪を分けるには、タンパク質が作る乳化の構造を壊す必要があるため、どちらも理屈としては妥当な選択にあたる。 ところが最も効果が高かったのは、何も処理せず遠心分離にかけるだけの対照区だった。脂肪の約95%を回収し、しかも純度は元の廃棄物より上がっていた。手を加えるほうがよいという前提が外れた形になる。 現場にとっては都合がよい結
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食品廃棄物のメタン発酵5施設を買収、北米19拠点体制へ
食品廃棄物のメタン発酵は、施設を1か所つくれば成り立つ事業ではない。廃棄物を安定して集める契約と、できた再生可能天然ガス(RNG)を売る先の両方が要る。どちらも相手のある話で、拠点が少ないうちは交渉力が弱い。規模を集めることが事業の条件になりやすい分野である。 米Vanguard Renewablesが、Generate Upcycleの北米の有機物リサイクル事業を買収する。対象はオンタリオ州とニューヨーク州にあるメタン発酵施設5か所。処理能力は推定56万5,000トン、RNGの生産量は年間11億立方フィートにあたる。取引は2026年10月1日に完了する見込みである。 買収後のVanguardは合計19施設を運営し、さらに10か所を開発中という状態になる。同社のマイク・オラフリンCEOは、これによって顧客により多くの回収経路を提供でき、埋立からの転換という機会に必要な規模と統合が得られると
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使用済み車載電池から4金属、住友金属鉱山が愛媛で年1万トンの設備を竣工
電気自動車の普及に伴って、使用済みの車載電池が出てくる。中にはニッケル、コバルト、リチウムが入っており、いずれも供給が特定の国に偏る金属である。回収の技術自体は各社が持っているが、実験室や実証の規模と、商業的に成り立つ規模の間には隔たりがある。採算が合う量を安定して処理できるかどうかが問われる。 住友金属鉱山は、この設備を愛媛県に竣工した。東予工場(西条市)とニッケル工場(新居浜市)の2拠点で構成する。処理能力は電池セル換算で年間約1万トン。9月11日に東予工場で記念式典を開き、現在は試運転の段階にある。商業規模での稼働としては国内初とされる。 原料になるのは「ブラックマス」である。使用済み電池を無害化し、破砕・選別して得られる黒い粉状の濃縮物で、ニッケルやコバルト、リチウムがまとまって含まれる。電池をそのまま扱うと発火の危険があるため、いったんこの形にしてから湿式の工程に入れるのが一般的
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搾ったあとのかぼす果皮をビールに、イオンなど5社が大分で商品化
かぼすは果汁を搾って使う。残るのが果皮で、これが副産物になる。柑橘の皮には香りの成分が多く含まれており、かぼす特有の風味も残っている。素材としては悪くないのだが、搾汁の現場で出る量に対して使い道が足りず、すべてを活かすのは難しかった。 イオン、日本航空(JAL)、ハマノ果香園、Beer the First、三菱UFJ銀行の5社は、この果皮を使ったクラフトビール「大分県産かぼすクラフトエール」を2026年10月12日から順次販売する。役割は分かれていて、イオンが全体企画と商品企画・販売、JALが商品企画への協力と大分県の魅力発信、ハマノ果香園が果汁・果皮の提供と原料面の協力、Beer the Firstが商品企画・開発と製造調整、三菱UFJ銀行が全体企画とプロジェクトの推進を担う。 配合は、仕込み量に対して果汁5%、果皮2%。果汁だけでなく果皮を入れることで、皮側に残る香りの成分を拾う構成に
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エアバッグ端材とぶどう搾りかす、アジア大会の公式グッズに3社が採用
製造の現場では、必ず端材が出る。設計どおりの形に断つ以上、外側は残る。素材としての質は製品と変わらないのに、形が定まらないぶん行き先がない。自動車産業が集積する愛知では、この種の端材がまとまった量で発生する。 第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)の公式ライセンスグッズに、これを使った商品が加わった。参加したのは豊田合成、トヨタ紡織、メニコンの3社で、それぞれ自社の事業で出る素材を持ち寄っている。 豊田合成が使うのは自動車用エアバッグの端材である。素材はポリエステルで、エアバッグは瞬間的な展開に耐える必要があるため、生地としては薄くて丈夫という性質を持つ。これをトートバッグ3種とチャーム2種、計5アイテムに仕立てた。エアバッグトートは3,500円でH360×W200×D100mm、チャームは1,000円。エンブレム柄の1種は発売中で、残りは発売時期を調整している。 トヨタ紡織は自
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解体コンクリートの再生骨材で坑廃水を中和、石灰石を上回る場面も
閉山した鉱山からは、長く水が出続ける。採掘で硫黄を含む岩石が空気と水に触れると硫酸ができ、それが鉄やアルミニウム、マンガンを溶かし出す。坑廃水と呼ばれるこの水は強い酸性で、流れ込んだ川の生き物を減らす。ペンシルベニア州では5,000マイルを超える河川が汚染に直面している。処理には石灰石を使ってpHを上げる方法が一般的だが、採掘が終わったあとも延々と続くため、費用が積み上がる。 米ペンシルベニア州立大学のナサニエル・ワーナー准教授と、同校出身でジュニアータ大学のアリソン・フェンスケ氏らの研究グループが試したのは、この石灰石を解体コンクリートの再生骨材(RCA)で置き換える案である。コンクリートはセメント由来のアルカリ分を含むため、水に入れればpHを上げる働きをする。 試験の結果、RCAは酸性度の低減が最も大きく、石灰石を上回る場面もあった。RCA自身からも微量の金属が溶け出したが、その量は石
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もみ殻から半導体材料向けの高純度シリカへ、産総研と開発を開始
もみ殻は、稲作で必ず出る。重量では玄米のおよそ2割にあたり、日本全体では年に数十万トンの規模になる。かさばるうえ腐りにくく、燃やしても灰が多い。堆肥や燻炭、家畜の敷料といった使い道はあるが、量に対して出口が足りない典型的な農業残渣である。 一方で、もみ殻には他の植物にない特徴がある。シリカ(二酸化ケイ素)を多く含むことである。稲は土中のケイ酸を吸い上げて茎や殻に蓄える性質があり、殻の灰分の大半がシリカになる。つまり、もみ殻は植物でありながらケイ素資源の側面を持つ。 ジカンテクノは、このもみ殻からシリカを製造する技術を手がけてきた。同社によれば、もみ殻由来シリカの品質では世界最高クラスを実現しているという。今回はさらに用途を上げ、産業技術総合研究所(産総研)の協力を得て、半導体材料向けの高品質シリカの開発を始めた。 半導体の材料として使うとなると、求められる純度の水準が一段変わる。不純物が微
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米下院が廃棄物3法案を可決、リチウムイオン電池を18か月内に指定へ
米国の廃棄物規制では、有害廃棄物のうち一部が「ユニバーサル廃棄物」という区分に置かれている。電池や蛍光灯、農薬のように、広く出回っていて危険性は相対的に低いものを対象とし、収集や保管の手続きを緩めることで回収そのものを進めやすくする仕組みである。リチウムイオン電池をここに入れるかどうかは、回収網が整うかどうかを左右する論点になってきた。 米下院はこのほど、廃棄物に関する3つの法案を可決した。 1つ目のBattery Recycling for America's Competitive Economy Act(HR 9615)が、そのリチウムイオン電池を扱う。アイオワ州選出のマリアネット・ミラー=ミークス議員が提出したもので、EPAに対し18か月以内にリチウムイオン電池をユニバーサル廃棄物へ分類するよう求める。あわせて、受け入れ先の施設がリサイクル拠点で電池を保管することを認め、許認可にか
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チョコの外皮カカオハスクの9割を牛舎の敷材へ、横浜市内で循環
カカオ豆は焙煎してから砕く。このときチョコレートの原料になるカカオニブと、外皮であるカカオハスクに分かれる。使うのはニブのほうで、ハスクは残る。量としては無視できないが、食品として売る先があるわけでもなく、行き先の定まらない副産物にあたる。 横浜のクラフトチョコレート専門店VANILLABEANSを運営するチョコレートデザインは、このカカオハスクの約90%を牛舎の敷材として使い始めた。同社で発生するカカオハスクは年間およそ8トンで、うち約7.2トンが対象になる。 運び先は栄牧場である。横浜市内で横濱ビーフを育てている農家で、同じ市内にあるため輸送の距離が短い。副産物は水分や嵩の関係で運搬費が効きやすく、距離の近さがそのまま成立条件になる部類の資源である。 敷材はそこで終わらない。牛糞を含んだ状態になった敷材を堆肥化し、市内の農家へ販売する予定だという。チョコレートの製造で出たものが畜産を経
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使用済み注射針から鋼材、商社が山口で3品種の在庫を開始
医療機関から出る使用済みの注射針やメスは、感染性廃棄物として扱われる。専用の容器に入れ、決められた業者が運び、処理する。金属としては鉄やステンレスで、素材の質そのものは悪くないが、扱いの手順が厳しいぶん資源として回すのが難しい部類にあたる。 これを電気炉で溶かし、無害化しながら鋼材にしたものが「エシカルスチール」である。製造するのは共英製鋼。電気炉は鉄スクラップを溶かして鋼をつくる設備で、高温で処理するため感染性の問題は工程の中で解消される。原料には医療用廃棄物のほか、廃材などの産業廃棄物も入る。 鉄鋼は再生の経路がもともと確立している素材だが、この事例で見どころになるのは、通常なら焼却や埋立に向かう区分の廃棄物を溶解の原料側に引き込んでいる点である。処理の難しさが素材の価値と釣り合っていなかったところに、電気炉という受け皿を当てている。 今回の発表は、専門商社である小野建が山口営業所でこ
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タングステンの再生能力を2倍に、三菱マテリアルが80億円を投じる
タングステンは融点が金属のなかで最も高く、切削工具や耐熱材料に欠かせない。日本は原料の多くを輸入に頼っており、特定国への依存や輸出管理の強化によって、安定して調達できるかどうかの不確実性が高まっている。国内で使われた分を回収して戻す経路は、供給の安全保障に直結する。 三菱マテリアルグループは、この再生能力を現在の約2倍にあたる年間2,400トン(WO3換算)へ引き上げる。担うのは連結子会社の日本新金属で、秋田工場の湿式精錬設備をはじめとする各種設備を増強する。投資額は約80億円、操業開始は2029年4月を予定する。 目標として示されているのは置き換えの量である。国内で発生するタングステンスクラップの活用を広げ、年間およそ1,200トン(WO3換算)の輸入中間原料を、国内リサイクル由来の原料に切り替えることを目指す。増設分の能力がそのまま輸入の置き換えに向かう計算になる。 制度の後ろ盾もある
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分解できないとされた車・建材向け樹脂を溶かす、繊維も無傷で回収
ポリジシクロペンタジエン(pDCPD)は、車両の外装部品や建材に使われる樹脂である。丈夫で衝撃に強く、繊維で補強して構造材としても使う。その丈夫さが処理の段では裏目に出る。この材料は長く存在してきたが、熱力学的に安定しすぎていて分解できない、というのが通説だった。 結果として使用済みの製品は焼却に回る。焼却には多くのエネルギーが要り、有害な副生成物が出る。さらに、中に入っている炭素繊維やガラス繊維も熱で劣化する。繊維は製造にエネルギーを要する高価な材料なので、これが失われる損失も小さくない。 米テキサス大学オースティン校のザック・ペイジ准教授と大学院生のケルディ・メイソン氏、サンディア国立研究所の研究グループが報告したのは、この樹脂を溶かして戻す手法である。環境負荷の低い溶媒とルテニウムを含む触媒の溶液に製品を入れ、撹拌する。それだけで分解が進む。 要する時間は製品の大きさ次第で、数時間か
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廃車の駆動モーターからレアアース磁石を回収、DOWAが実証に採択
電動車の駆動モーターには、ネオジム磁石をはじめとするレアアース磁石が入っている。強い磁力を小さな体積で出せるため代替が難しく、一方で供給は特定の国に偏っている。電動車が普及するほど需要は増えるが、廃車になった車から取り出す経路は整っていない。モーターは車体の奥にあり、解体して取り出したうえで磁石だけを分離する必要がある。 DOWAエコシステムは、この回収を実証事業として進める。環境省の令和8年度「国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業」の公募に採択された。事業名にある「全体最適化」が示すとおり、単一の処理工程ではなく、廃車から素材に戻るまでの流れをまとめて設計する枠組みにあたる。 同社が使うのは、これまで開発してきた独自の資源回収プロセスと選別技術である。サプライチェーンを構成する関係者の協力を得ながら、効率的に回収・再資源化するプロセスの確立に取り組
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リユース容器Loopの日本事業が終了、5,000万ドルで得た3つの原則
Loopは、ブランドと共同開発したリユース容器を使う仕組みである。利用者は容器にデポジットを払い、使い終わったら返却してデポジットを受け取る。戻った容器は洗浄して再び中身を詰める。使い捨て包装を減らす手段として国際的に注目され、日本にも入った。 そのLoopを運営する米テラサイクルのトム・ザッキーCEOが来日し、約5,000万ドル(約80億円)を投じた経験を語った。挙げた原則は3つある。第一に、業務プロセスを使い捨て製品と同等の水準までシンプルに保つこと。第二に、すべての関係者にとって使い捨て包装と同等以上の販売実績と採算性を実現すること。第三に、システムや関係者に追加的な制約を課さないこと。 いずれも「使い捨てと比べて不利にならない」という一点に集約される。実際につまずいたのはそこだった。ブランド側から見ると、リユース向けに容器を設計し直す必要があり、製造工程も変え、場合によっては新しい
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水を使わず廃プラを建材に、MIT発の企業が1,800kg支える梁を3Dプリント
プラスチックの機械的なリサイクルでは、まず洗う。容器には中身の残りや汚れが付いており、そのまま溶かすと品質が落ちるためである。この洗浄工程は水と、その後の排水処理を必要とする。水が乏しい地域では、この一点がリサイクルを成り立たせない理由になる。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)発の企業Atlasが取った道は、洗浄を前提から外すことだった。使い捨てプラスチックを粉砕して溶かし、米国製のガラス繊維と融合させる。そのうえで大型の3Dプリントシステムに送り、部材として出力する。共同創業者でMITの研究員でもあるA.J.ペレス氏は、水へのアクセスに関係なく、どの国でもプラスチックに手を打てるようになると述べている。 ガラス繊維を混ぜる点が効いている。再生プラスチックは元の樹脂より物性が落ちるが、繊維で補強すれば構造材として使える強度が出る。汚れの混入が多少あっても、繊維が支える設計なら許容できる
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埋立地の浸出水に250物質の99.9%除去案、NY州に事業者が反発
埋立地には雨水が浸み込み、廃棄物の層を通って底に溜まる。これが浸出水で、通り道にあったものを溶かし込んで出てくる。多くの埋立地では集めて下水処理施設に送っているが、下水処理はもともとPFASのような難分解性の物質を除く設計になっていない。結果として、埋立地に閉じ込めたはずのものが処理場を経由して環境に戻る経路が残る。 米ニューヨーク州環境保全局(DEC)はこの経路を断つ規則を提案した。浸出水について、PFASや1,4-ジオキサンを含む250を超える汚染物質を99.9%除去することを求める内容である。埋立事業者に浸出水の処理を明確に義務づける州規則としては全米で初めてになる。 対象は稼働中の一般廃棄物埋立地25か所と、建設解体廃棄物埋立地7か所。規則が発効してから1年以内に処理計画を策定することが求められ、下水処理施設の側は4年の移行期間を経て浸出水の受け入れを終える。処理の責任を埋立地側に
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剪定で捨てられるいちじくの葉をビールに、宮城の醸造所が商品化
果樹では、実を育てるために葉や枝を落とす。いちじくも同じで、栽培の過程で葉が剪定されて出る。出荷されるのは果実だけなので、落とした葉には行き先がない。多くは廃棄されるか、畑にすき込まれて土に還るだけだった。量としてはまとまるが、市場が存在しない類の資源にあたる。 株式会社ファロが運営する醸造所Falò Brewing(宮城県亘理郡山元町)は、この葉をビールの原料にした。商品名は『Kaeru』で、2026年9月14日から順次リリースする。葉はおひさま村農園から調達している。 いちじくの葉には独特の香りがある。同社の説明では、シナモンやココナッツを思わせる青く甘い香りだという。ビールにおいてはホップやスパイスが香りを担うが、ここでは葉そのものが香りの素材として使われている。酵母由来のスパイシーでフルーティーな風味と組み合わせる構成をとった。 スタイルはInaka Beer(Fig Leaf S
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食品接触包装への再生材義務、ニュージャージー州が2029年末へ延期
再生材の使用義務は、需要をつくることで回収と再生の市場を立ち上げる政策手段である。ただし食品に接触する包装は事情が違う。口に入るものに触れる以上、再生材にも食品用の安全性が求められ、回収した樹脂を選別して洗うだけでは足りない。技術も供給量も、他の用途とは別の話になる。 米ニュージャージー州環境保護局は、この食品接触包装への再生材(PCR)使用義務の適用を延期した。当初の期限は2027年1月18日で、新しい期限は2029年12月31日である。同州の2022年の法律は全米で最も広範な再生材含有義務とされ、プラスチック飲料容器に15%(以降段階的に引き上げ)、ガラス容器に25%以上、紙とプラスチックの持ち帰り用袋に20%以上を求めている。食品接触包装については、もともと5年間の適用除外が設けられており、州は法律に基づく権限でこの除外を延長した形になる。 理由として州が挙げたのは二点である。食品に
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PFAS廃棄物に電気パルス、フッ素の99.9%超を回収してフッ化銀に
PFAS(有機フッ素化合物)は分解されにくい性質から「永遠の化学物質」と呼ばれ、各国で規制の対象になっている。処理の議論はもっぱら「どう壊すか」に向かうが、別の見方もできる。PFAS が分解されにくいのは炭素とフッ素の結合が強いからで、裏を返せばフッ素という有用な元素がそこに集まっているということでもある。 米ライス大学のジェームズ・トゥアー教授らの研究グループが報告したのは、この見方に沿った手法である。壊すだけでなく、含まれるフッ素を使える形で取り出す。 方法は短い電気パルスを流して、材料を数百度まで急速に加熱するというものである。同研究室が手がけてきたフラッシュ加熱の系列にあたる。ここで生じたフッ化物を銀と反応させ、フッ化銀として回収する。報告によれば、PFAS中のフッ化物の99.9%超を取り出し、そのうち90%をフッ化銀として集めることができた。 回収物に価値がある点がこの手法の要点
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廃棄製品の磁石からレアアースを回収、トロント企業が米初工場を稼働
レアアース磁石は、電気自動車のモーター、ロボットのアクチュエーター、MRI、ハードディスクなどに入っている。ネオジムやジスプロシウムを含み、供給が特定の国に偏っていることから調達リスクが繰り返し議論されてきた。一方で、これらの磁石は製品の内部に少量ずつ組み込まれており、使用済みになっても取り出すこと自体に手間がかかる。都市鉱山の中でも回収が進みにくい部類にあたる。 カナダ・トロントのCyclic Materialsは、この磁石の回収を事業にしている。同社は米アリゾナ州メサに、米国では最初となる工場を開いた。投資額は2,000万ドル、延床面積は14万4,000平方フィートで、年間最大2万5,000トンのスクラップを処理する能力を持つ。 工程の中心にあるのはMagCycleと呼ぶ独自技術で、鋼材から磁石を機械的に分離する。化学的に溶かすのではなく物理的に分ける方式にあたる。ここで得られるのがM
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近赤外線で見えなかった黒色プラを中赤外線で識別、粗破砕の段階で選別
プラスチックの光学選別は近赤外線(NIR)を当てて、跳ね返ってくる光のスペクトルから樹脂の種類を読む。この方法には長らく穴があった。黒色のプラスチックが判別できない。着色に使われるカーボンブラックが可視光と近赤外線の大半を吸収してしまうため、機械の目に何も返らない。 黒は家電の筐体、自動車部品、パレットなど工業製品で広く使われる色である。選別できないものは混合の廃プラとして低い用途に回るか、燃やされる。分別の技術が進んでも、この一群だけが取り残されてきた。 独Sesotecが開発した「VARISORT+ CARBON BLACK」は、当てる光の波長を変えることでこの穴を埋めにいく。使うのは中波長赤外線(MWIR)で、近赤外線より波長の長い領域にあたる。カーボンブラックを含む樹脂でも材料固有のスペクトルが得られるため、そこから種類を判定する。解析には同社が蓄積してきたスペクトル解析の知見とA
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ばん馬の堆肥でマッシュルーム、その菌床で小麦を育てるパン屋の循環
ばん馬は、そりを引く競技に使われる大型の馬である。体重が1トンに達する個体もいるため、出る馬ふんの量も相応になる。畜産の副産物としては扱いに困る部類で、堆肥にするにしても引き取り手を見つける必要がある。 帯広市の満寿屋商店は、この馬ふんを起点にした輪を2015年から回している。まず馬ふん堆肥でマッシュルーム(とかちマッシュ)を育てる。きのこ栽培では収穫のあとに培地が残り、これも通常は廃棄物になるところだが、ここでは肥料として畑に入れる。その畑で小麦(ばんえいキタノカオリ)と黒豆を育てる。そして小麦の収穫後に残る麦わらが、再びばん馬のもとへ戻る。 輪が二段構えになっている点がこの仕組みの特徴といえる。馬ふん堆肥から菌床へ、菌床から畑へと、廃棄物が次の工程の資材として二度使われる。最後に麦わらが馬へ戻ることで、出発点に接続する。同社はこれを「ばん馬toきのこto小麦の環」と呼んでいる。 出口は
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アジアの循環型都市宣言が43都市に、横浜でフォーラム初開催
資源循環の制度は国単位で語られることが多いが、実務の大半は都市が担っている。ごみの収集も分別も、最終処分場の運営も自治体の仕事である。アジアの都市はここ数十年で急速に人口が増え、廃棄物の量が処理能力を追い越す局面に入った国も多い。 アジア循環型都市宣言制度(ACCD)は、循環型への移行を掲げる都市が参加する枠組みである。今回、宣言都市が7カ国26都市(人口5,700万人超)から11カ国43都市(人口8,200万人超)へ広がった。新規は17都市で、内訳はネパール5、バングラデシュ3、インド2、インドネシア2、フィリピン2、パキスタン1、マレーシア1、日本1。日本からは神戸市が加わった。ネパールやバングラデシュからの参加が多い点は、廃棄物処理の体制づくりが急務の段階にある国が主体的に動いていることを示している。 2026年9月2日から4日にかけては、アジア太平洋循環型都市フォーラム(APCC)
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透明容器のPETとPSをテラヘルツ波で見分ける、選別しやすい形を設計
弁当や惣菜の透明な容器は、素材がポリエチレンテレフタレート(PET)のこともポリスチレン(PS)のこともある。どちらも透明で、見た目では区別がつかない。再生の工程では樹脂が混ざると品質が落ちるため、この見分けがつかないことが選別の精度を頭打ちにしてきた。 芝浦工業大学デザイン工学部の研究グループが取り組んだのは、この識別である。使うのはテラヘルツ波で、電波と光の中間にあたる周波数帯にある。物質を透過する際の特性が樹脂ごとに違うため、透過させて測れば種類がわかる。回収施設の自動選別の工程に組み込むことを想定している。 この報告の要点は、測定手法そのものよりも、測りやすい容器を設計した点にある。テラヘルツ波で安定して読むには、波が通る場所が平坦で厚みが揃っている必要がある。容器はふつう、強度や機能のために曲面や凹凸を持つ。研究グループが試作した容器は、中央に平坦な計測領域を設けたうえで、底面に
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ごみピットを画像認識で監視、スイス企業が430万ユーロを調達
ごみ焼却発電の施設には、収集車が降ろした廃棄物をためるピットがある。ここからクレーンで炉に投入するのだが、中身は制御できない。家庭や事業所から来たものがそのまま積まれるため、リチウム電池やスプレー缶のような発火の危険があるものも混じる。燃えやすいものと燃えにくいものの偏りも出る。炉の運転を安定させるには、この山の中身を把握して混ぜ方を調整する必要があり、従来はクレーン運転員の経験に頼ってきた。 スイスのJaipur Roboticsは、ここに画像認識を持ち込んでいる。2024年設立、本社はルガーノ近郊のマンノ。ごみ焼却発電のほか、セメントやバイオマスの施設も対象にする。システムは廃棄物の山を見て危険物を検知し、混合の具合を最適化し、クレーンの自動運転を支える。 学習に使ったのは、欧州のごみ焼却発電施設から集めた5,000万枚を超えるラベル付き画像である。ごみは形も色も定まらないため、判別に
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ごみ処理施設のCO2を合成メタンに、川崎重工らが郡山で一貫実証
自治体のごみ焼却施設は、地域のなかでCO2が一箇所に集まる数少ない場所である。排ガスの濃度も大気中より桁違いに高く、回収する側から見れば条件がよい。加えて公共施設なので長期の計画が立てやすい。CO2を資源として扱おうとするとき、清掃工場が候補に挙がるのはこうした理由による。 川崎重工業を代表実施者とする事業が、環境省の「令和8年度公共施設を主体とした地域での炭素循環事業モデル実証事業」に採択された。対象は郡山市の一般廃棄物処理施設、富久山クリーンセンターである。共同実施者はエア・ウォーター東日本、東部ガス、日東紡績で、これに郡山市が自治体として加わる。 事業の特徴は、排ガスからのCO2分離・回収から、合成メタンの利用までを一貫して扱う点にある。回収したCO2に水素を反応させればメタンができる。既存の都市ガス網や需要家の設備がそのまま使えるため、地域内で消費先まで含めた輪をつくれる。東部ガス
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新築現場で出るタイルカーペット端材を同じ製品に戻す仕組み、2社が構築
タイルカーペットは、足で踏む側の毛足(パイル層)と、床に置く側の裏打ち(バッキング層)を貼り合わせた構造をしている。素材が異なる層の積層品であるため、リサイクルの前にこれを剥がす必要があるとされてきた。手間がかかるうえ完全には分けきれず、結局は焼却や埋立に回るという流れになりやすい。 旭化成ホームズと東リは、この分離工程を挟まずに済ませる仕組みを構築した。東リの独自技術により、パイル層を含めたまま処理し、タイルカーペットのバッキング材の原料となるリサイクルチップに加工する。もとの製品と同じ用途に戻すため、水平リサイクルにあたる。 回収の側は旭化成ホームズが担う。広域認定制度を活用して新築工事現場から端材を集め、資源循環センターで分別・集約したうえで東リの工場へ送る。広域認定制度は、製造事業者などが自社製品の廃棄物を都道府県ごとの許可を取らずに広域で回収できるようにする仕組みで、全国に分散す
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英国の家庭に眠る未使用端末4.6億台、O2が再利用網に300万ポンド
使わなくなった携帯電話やノートPCは、捨てられるより先に引き出しにしまわれる。壊れているわけではないので捨てにくく、かといって売る手間もかけない。この状態のまま眠っている機器が、英国の家庭と事業所には4億6,000万台あるとされる。うち2億6,700万台は再利用または修理が可能な携帯電話・タブレット・ノートPCで、全体のおよそ6割にあたる。 同じ国に、スマートフォンやタブレット、ノートPCを使えない住民が150万人いる。使える機器が引き出しの中にあり、必要とする人がそれを持たない。この落差を埋めようとする取り組みが今回の対象である。 英通信会社Virgin Media O2は、Tech Rehome Network Fundに300万ポンドを投じる。使われていない機器を回収し、再生し、再配布する地域の取り組みに資金を配る仕組みで、応募できるのは自治体、慈善団体、地域団体である。第1回として
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モルト粕を魚の飼料にし養殖水でイチゴを育てる、糖度15度でケーキに
ビール醸造で出るモルト粕は、栄養が残っているのに水分が多く傷みやすい。飼料に向けるにしても、そのままでは運搬も保管も難しい。アグリ王と横浜ビールの取り組みは、この粕を乾燥・パウダー化したうえで魚の養殖飼料に用いるところから始まる。 飼料を与える相手は淡水魚のホンモロコである。ここで話は魚で終わらない。魚を飼えば排せつ物が出る。これを微生物が分解して植物の栄養に変え、その水でイチゴを育てる。植物が吸収して浄化した水は再び魚の水槽へ戻る。閉鎖型のアクアポニックスと呼ばれる仕組みで、水を捨てずに循環させながら魚と作物を同時に育てられる。 つまり経路は、ビールの粕から魚の飼料へ、魚の排せつ物から植物の栄養へ、浄化した水が魚へ戻る、という二重の輪になっている。ビール醸造という出発点と、イチゴの収穫という出口が、養殖を挟んでつながる構造である。 段階を追うと、2025年4月に実証実験を開始し、2026
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ワシントンDCが集合住宅向けの生ごみ回収を拡大、施錠式の共用ボックスで
生ごみの分別回収は、戸建てなら各戸に容器を配れば済む。集合住宅では事情が変わる。共用の置き場に容器を出せば、分別しない住民が混ぜてしまい、内容物の質が落ちる。臭いや虫の苦情も出る。参加したい住民がいても、建物の管理側が引き受けないと始まらない。集合住宅の比率が高い都市ほど、この層が手つかずで残る。 米ワシントンD.C.の公共事業局(DPW)廃棄物削減室がとっているのは、戸別ではなく街なかに投入場所を置く方式である。「スマートビン」と呼ばれる施錠式の容器で、登録した住民が暗証番号を入力して開ける。24時間いつでも使え、近くのビンは地図から探せる。市は2026年秋に20基を追加する。現在は市内に31基ある。 施錠には二つの役割がある。誰でも開けられる容器にすれば一般ごみが放り込まれるが、登録者に限れば内容物の質を保ちやすい。同時に、登録という手続きを踏んだ住民だけが使うため、分別の意識も揃う。
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安価な青色顔料でCO2を一段でメタンに、ファラデー効率79.5%
二酸化炭素を電気で還元して燃料に戻す研究では、銅が長く主役だった。炭素どうしをつなぐ働きを持つ数少ない金属だからである。ただし銅には難点がある。反応が一つの生成物に収束せず、メタン、エチレン、エタノール、一酸化炭素などが混ざって出てしまう。分離の手間が増えれば、その分だけ実用から遠のく。 東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の藪浩教授らの研究グループが選んだのは、銅フタロシアニンである。青色顔料として印刷インキや塗料に広く使われている化合物で、安価かつ入手しやすい。銅原子が有機分子の環に組み込まれた構造を持ち、金属としての銅とは反応の挙動が異なる。 報告された性能は次のとおりである。ファラデー効率は最大79.5%に達した。流した電子のうち約8割がメタンの生成に使われた計算になる。電流密度は最大575mA/cm²で、これは単位面積あたりの処理量にあたる。150mA/cm²の条件では
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家庭の使用済み食用油の回収を7店舗に、群馬の生協が10月から拡大
飲食店から出る廃食用油には回収業者がつく。一店舗あたりの量がまとまるため、集めて回る採算が立つからである。難しいのは家庭から出るぶんで、一世帯あたりの量が少なく、出るタイミングも読めない。多くは固めるか紙に吸わせて可燃ごみに回っている。持ち込み先をつくって住民に運んでもらう方式が現実的な解になりやすいのは、この事情による。 生活協同組合コープぐんまは、家庭から出る使用済み食用油の回収店舗を2026年10月から全7店舗に広げる。これまでは昭和店(前橋市)、寺尾店(高崎市)、みさと店(高崎市)の3店舗で実施してきた。新たに加わるのは東久方店(桐生市)、新井店(太田市)、宮子店(伊勢崎市)、藤岡店(藤岡市)の4店舗である。前橋・高崎に寄っていた回収地点が、桐生・太田・伊勢崎・藤岡へ広がる形になる。 集めた油の行き先には特徴がある。吉川油脂を通じて田中鉄工のアスファルトプラントへ運ばれ、合材製造に
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環境省と経産省がプラ資源循環に3つの作業部会、マスバランスの価値表示も論点
プラスチックの資源循環は、設計・回収・出口の三つがそろわないと回らない。リサイクルしにくい設計のまま出回れば分別で詰まり、分別が進んでも再生材が売れなければ在庫が積み上がる。環境省と経済産業省が設置する3つのタスクフォースは、この三箇所にそれぞれ対応する形で分かれている。 一つ目は「プラスチック容器包装の持続可能設計タスクフォース」で、第1回は9月15日に開かれる。リサイクル工程や再生材の質を阻害する素材・成分・形態を整理し、循環性設計の普及・高度化策を検討する。複合材や特定の着色、はがれにくいラベルなど、選別や再生の現場で問題になる要素を洗い出す作業にあたる。 二つ目は「プラスチック資源徹底回収・サプライチェーンの最適化タスクフォース」、三つ目は「再生・バイオプラスチックの価値創出タスクフォース」で、いずれも第1回は9月29日である。二つ目は分別回収量の拡大とサプライチェーンの効率化・高
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ヒレが鋭くて敬遠された低利用魚ヤナギノマイ、開き干しで商品化
魚が「低利用」になる理由は、味とは限らない。ヤナギノマイの場合は、ヒレが鋭いことが効いている。網にかかった魚を外す作業で手間と怪我のリスクが増えるぶん、漁の側から見て歓迎しにくい。加えて地域外での知名度が低く、市場に出しても値が付きにくい。獲れても積極的に狙う対象にはならないという位置づけの魚である。 味の評価は別で、白身は脂ののりがよい。産地の北海道礼文町では、刺し身や煮つけ、塩焼きとして長年食べられてきた。地元で親しまれているのに外では売れない、という食い違いがそのまま低利用の状態をつくってきた。 パルシステム生活協同組合連合会は、このヤナギノマイを使った「礼文島船泊の産直・柳の舞開き干し」の注文受付を2026年9月8日から始める。水揚げするのは船泊漁業協同組合である。加工は開いて一晩塩水に漬け、そのあと干し上げる。規格は2枚300gで、通常価格は430円(税込)。調理は冷凍のまま、グ
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ビール粕で育てた鶏の卵を限定販売、川崎のブルワリーと養鶏場が連携
ビールは麦芽から糖を取り出して仕込む。糖を出したあとの麦芽の殻が麦芽粕(ビール粕)で、仕込みのたびにまとまった量が出る。タンパク質や食物繊維を含むため飼料としての素性は悪くないが、水分が多く傷みやすい。乾燥させるには燃料費がかかり、小規模なブルワリーほど引き取り手を見つけにくい。 株式会社KEY CORPORATION(神奈川県川崎市中原区)は、この麦芽粕を飼料に使った鶏卵「CRAFT EGG」の限定販売を始めた。同社が運営するカギヤブルワリーのほか、複数のブルワリーから麦芽粕を集めている。カギヤブルワリーは年間およそ100種類のビールを製造しており、それに見合う量の麦芽粕が出る。 飼育を担うのは、川崎市麻生区黒川の黒川たまごである。鶏はケージフリー(平飼い)で育てる。ブルワリーのある中原区と養鶏場のある麻生区はいずれも川崎市内で、市内で完結する距離に収まっている。傷みやすい原料を扱ううえ
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イタリアが一部の食品包装に堆肥化可能素材を義務化、罰則は2030年から
EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)は、2030年までにすべての包装をリサイクル可能な設計にすることを求めている。ただしこの「リサイクル可能」という要件には、加盟国が「堆肥化可能」を代替として認めうる余地が残されている。生ごみと一緒に回収してコンポスト化する仕組みが整っている国では、そちらの経路のほうが理にかなう場合があるためである。 イタリアはこの余地を使う側に回った。同国は8月8日、一部の包装材に生分解性かつ堆肥化可能な素材の使用を義務付ける政令を施行した。PPWRの一部適用が始まる8月12日の直前という時期になる。 義務の対象は4つの区分に分かれる。第一に、1.5キログラム未満の生鮮青果物の包装。第二に、ホテル・レストランやケータリングでの施設内飲食向けの食品・飲料包装。第三に、同じ業種で使われるソースやコーヒークリーム、砂糖などの調味料個包装。第四に、宿泊施設が提供するアメニティ
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国交省が循環資源の拠点港湾29港を初選定、リサイクル産業の集積を促す
資源を循環させようとすると、どこかで必ず運搬の問題にぶつかる。廃棄物や再生材はかさばるうえ単価が低く、陸送だけでは距離が伸びるほど採算が合わなくなる。まとまった量を安く動かす手段として船が効いてくる場面があり、そこで港湾の役割が出てくる。 国土交通省港湾局は2026年8月27日、「循環経済拠点港湾(サーキュラーエコノミーポート)」として29港を選定したと発表した。この選定は今回が初めてになる。 同省の定義では、サーキュラーエコノミーポートとは「循環資源に関する物流ネットワークの拠点形成や高度なリサイクル技術を有する産業の集積に取り組む港湾」を指す。背景には、循環資源の輸送量と種類がともに増えている状況がある。加えて、小口の循環資源を運びたいという需要への対応や、循環資源を扱うことで周辺環境や他の貨物に悪影響が出ないようにする対策など、港湾に向けられる要請は複数の方向にまたがる。港湾管理者、
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超音波と水の微小液滴でリグニンを有用分子に、触媒も加熱も使わず20分
木材からパルプを取り出すとき、繊維をつなぎとめていたリグニンは邪魔者として分離される。クラフト法で出るこのクラフトリグニンは、パルプ・製紙の副産物として年5000万トンを超える量が生じる。多くは工場のボイラー燃料として燃やされる。分子としては芳香環を豊富に含み、化学品の原料になりうる素性を持つが、構造が複雑で不揃いなため、狙った分子に変えるのが難しい。 米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のホアキン・ロドリゲス=ロペス教授と大学院生のスプリヤ・ダス氏らの研究グループは、このリグニンを酸化還元活性のある低分子に変える手法を報告した。生成物は「SEMILL-A」と名付けられている。 使うのは、油と水を超音波で乳化させた微小液滴である。液滴の界面では活性酸素種が生じ、これがリグニンを切断する働きをする。外部から触媒を加える必要がなく、加熱も要らない。実際に必要な材料は油、水、リグニン、酸の4つ
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使い捨て電子たばこの発火と電池回収に設計から挑む、英CIWMが試行
使い捨ての電子たばこには小さなリチウム電池が入っている。ごみに混ざったまま収集車やごみ処理施設に入ると、圧縮された拍子に潰れて発火する。英国の廃棄物処理の現場では、この火災が実務上の負担として重くのしかかっている。中の電池はコバルトやリチウムを含む資源でもあるため、燃やしてしまえば二重の損失になる。 問題の起点は製品の設計にある。分解しにくく、電池を取り出しにくい構造で市場に出れば、回収の側でいくら工夫しても限界がある。英国の廃棄物管理の職能団体CIWM(Chartered Institution of Wastes Management)は、この順番を逆にたどる試行プログラムを実施した。処理の現場が抱える課題を、設計する側に持ち込む枠組みである。 CIWMが資金を出して主導し、URGE Collective、デザインカウンシル、WRAP、CEIが支援した。参加したのは15人のデザイナーで
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農産副産物を発酵でタンパク質に変えるMOA、380万ドルを調達し増産へ
農産物や食品を加工すれば必ず残りかすが出る。蒸留粕、作物残渣、搾りかす。栄養は残っているのに、種類も成分もばらばらで扱いにくい。微生物に食べさせて有用な素材に変える発想は古くからあるが、原料が変わるたびに適した菌株と条件を探し直さねばならず、そこに時間がかかってきた。 スペインのMOA Foodtechは、この探索を短縮する方法で事業を立てている。同社は「Albatross」と呼ぶAIツールを使い、菌株の開発期間を6か月から2週間未満へ短縮したとしている。原料として扱えるのは蒸留粕や作物残渣など150種類を超える副産物で、これらを炭素源と窒素源に使い、非遺伝子組換えの酵母で発酵させる。 製品は3つある。卵の代替として使える多機能な乳化剤MOA Q5、風味・食感・栄養を補うMOA Yeast、そしてペットフードや動物栄養向けのMOA Yeast FeGである。MOA Yeast FeGはすで
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清酒のろ過に使った活性炭を子牛の飼料へ、白鶴酒造の循環モデルが受賞
清酒は仕込みのあと、色や雑味の成分を取るために活性炭でろ過する工程を通る。使い終わった活性炭は吸着した成分を抱えたまま残り、行き先が限られる。白鶴酒造の推定では、この処理後活性炭は全国で少なくとも年1,000トン発生する。 白鶴酒造(神戸市東灘区)は、これを牛の飼料に転用する取り組み「サケ炭(すみ)」を進めてきた。2022年に飼料としての開発に成功し、現在は子牛に給与している。この資源循環モデルが、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)の第9回SXアワードで財務大臣賞を受賞した。 構造としては、酒蔵から出た副産物が畜産に渡り、そこからさらに農業へ回る形になっている。サケ炭を与えた牛の糞は、一部が堆肥化されたうえで白鶴ファーム(白鶴の農業法人)の酒米圃場に施用される。酒米は再び酒造りの原料になるため、出発点に戻る経路が組まれていることになる。 取り組みは1社では完結していない。兵
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英国、ケミカルリサイクル材の課税算入に認証マスバランスを要件化
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを分子の段階まで分解してから樹脂に戻す方法である。機械的なリサイクルと違って汚れや混合物に強い一方で、制度上やっかいな性質がある。工程の途中で廃棄物由来の分子と化石由来の分子が混ざってしまい、出てきた樹脂のどこが再生材なのかを物理的に区別できない。 そこで使われるのがマスバランス方式である。投入した廃棄物の量に応じて、生産物の一部を「再生材」として帳簿上割り当てる。ただし割り当ての計算方法によって、同じ工程から名乗れる再生材の量が変わる。制度がどの方法を認めるかが、そのまま事業の採算に効く。 英歳入関税庁(HMRC)は、プラスチック包装税におけるこの扱いを定めた。同税は再生材含有率が30%に満たない包装部材に対し、1トンあたり228.82ポンドを課すものである。2027年4月1日以降、化学的に再生したプラスチックがこの30%基準に算入できるのは、認証を受
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整備地に残されてきた広葉樹の枝葉を紙糸に、神戸市が製品化で協定
森林整備で木を伐り出すとき、価値がつくのは幹の部分である。枝と葉はその場に残る。斜面の土留めに使う分はあるものの、それ以外は運び出す理由がなく、現場に置かれたままになる。運搬にも費用がかかるため、量があっても資源として扱いにくい部類に入る。 一般社団法人アップサイクル(大阪市、代表 森原洋)と神戸市は、2026年9月1日にこの枝葉をめぐる事業連携協定を締結した。神戸市内の森林整備で搬出される広葉樹の枝葉を、繊維製品にアップサイクルする内容である。 経路としては、まず枝葉を紙糸に加工する。木の繊維から紙をつくり、それを細く裂いて撚り、糸にする方法である。これに市民から回収した紙資源を組み合わせて生地にする。第一弾の製品は「KOBE WOOD Tシャツ」で、素材構成は綿70%、分類外繊維(和紙)30%と表示される。 森林側の未利用資源と、市民が出す古紙という別系統の資源を、同じ製品の中で合流さ
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リサイクルが難しいPVCをエンジンオイルの基油に、70℃・3時間で変換
ポリ塩化ビニル(PVC)は配管や建材、床材に広く使われている一方で、リサイクルの対象としては扱いにくい部類に入る。分子に塩素が組み込まれているため、単純に加熱すると塩化水素が出る。加えて、可塑剤や安定剤といった添加剤が製造方法ごとに違い、集めても中身が揃わない。結果として、相当量が埋め立てに回ってきた。 米バージニア工科大学のグオリャン・リュウ教授らの研究グループは、このPVCを潤滑油の原料に変える手法を報告した。狙う生成物はポリアルファオレフィン(PAO)である。エンジンオイルをはじめとする高性能潤滑油の基油に使われる合成油で、鉱油系より温度による粘度変化が小さい。 手順は比較的単純である。PVCを溶媒に入れ、塩化アルミニウムとアルファオレフィンを加えたうえで、158°F(70℃)で3時間加熱する。その後、溶媒から粘度の高い油分を取り出す。塩化アルミニウムはフリーデル・クラフツ反応などで
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難燃剤入りEV用複合材をリサイクル可能に、韓国KRICTが添加剤の9割超を除去
電気自動車の部材には軽さと難燃性の両方が求められる。バッテリー周りの部品には燃え広がりにくさが要るし、車体が重くなれば航続距離が落ちる。この二つを満たすために繊維強化複合材に難燃剤を混ぜたものが使われてきたが、処理の段になると困る。熱硬化性の複合材は一度固まると加熱しても溶けず、埋め立てるか燃やすかしかない。 韓国化学研究院(KRICT)のキム・ジンチョル博士、チョン・ジウン博士、チン・ヨンジェ博士らの研究グループは、この構造を組み替えた。使ったのは高密度ポリエチレン(HDPE)の繊維とフィルムを積み重ねる自己強化型複合材である。繊維も母材も同じ樹脂なので、原理的には全体を溶かして再生できる。 問題は、同じ樹脂どうしだと層の接着が弱いことと、難燃剤が偏りやすいことだった。研究グループは低分子量のポリオレフィン系添加剤を加えることで、この二つに同時に対処している。添加剤は繊維とフィルムの界面
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PETボトルのキャップを原料にした工業用ペール缶、再生材4割以上で製品化
PETボトルの本体は回収と再生の仕組みが整っているが、キャップは事情が異なる。素材がポリエチレンやポリプロピレンでボトル本体とは別であり、分別して集めても行き先が限られる。学校や自治体の回収活動で集まったキャップが、単価の低い用途にしか回らないという指摘は以前からあった。 DICの100%子会社であるDICプラスチックは、このキャップ由来の再生材を40%以上使った工業用プラスチックペール缶「ダイテナー™ECO」を製品化した。再生材そのものは日本山村硝子(兵庫県尼崎市)が開発したもので、DICプラスチックはこれを容器の材料として採用した形になる。 ペール缶は塗料やインキ、化学品などを入れて運び、保管するための容器である。落下や積み重ねに耐える強度と、中身が漏れない密閉性が要る。再生材は元の樹脂に比べて物性がばらつきやすいため、こうした容器の用途に持ち込むこと自体が難所になる。DICプラスチッ
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EUの包装規則が適用開始、2030年までに全包装をリサイクル可能な設計へ
EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR、規則(EU)2025/40)が、2026年8月12日から適用を始めた。2025年2月11日に発効しており、そこから1年半の準備期間を置いての適用開始である。 制度上の変化としてまず大きいのは、指令から規則に切り替わったことである。これまでの包装・包装廃棄物指令は、加盟国がそれぞれ国内法をつくって内容を反映させる形だった。国ごとに解釈や水準がずれ、域内で異なるルールが並立する状態が生まれる。規則はそうした手続きを挟まず、EU全域で直接適用される。域内に輸出する側から見れば、相手国ごとに仕様を分ける必要が減るということでもある。 内容の中心は、包装を設計の段階から縛る点にある。2030年までに、EU市場に出るすべての包装をリサイクル可能な設計にすることが求められる。同じ2030年から、プラスチック包装には種類ごとに再生材含有率の下限がかかる。素材の組成を示
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使用済み端末の電池から取り出した資源で、新品と同等の性能をKDDIら6社が確認
使用済みリチウムイオン電池からレアメタルを取り出す技術は各所で開発されてきたが、回収した資源が新品の材料と同じ性能を出せるかどうかは別の問題である。純度や不純物の種類が電池の挙動を左右するため、そこが確認できなければ電池材料としては使えず、より要求の低い用途へ落とすことになる。 KDDIら6社が確認したのは、この一点である。再生資源でつくった電池材料が、市販の炭酸リチウムを使った通常の電池と同等の水準に達した。評価したのは、電気の通りやすさ、充電や放電を速く行ったときの耐性、そして繰り返し使ったときの劣化しにくさの3点である。 工程は役割ごとに分かれる。回収の入口はKDDIが担い、携帯電話やスマートフォンなどの使用済み端末を集める。リーテックリニューアブルエナジーソリューションズが低環境負荷のプラントで非焙焼処理を行い、高純度のブラックマスをつくる。そこからエマルションフローテクノロジーズ
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解体コンクリートの再生骨材、2割までの置換なら構造用の強度を保てると確認
コンクリートの体積の大部分は骨材が占める。建物を壊せば大量のコンクリート塊が出るため、これを砕いて骨材に戻せれば資源としては筋がよい。ただし再生骨材は元のセメント分が付着していて吸水しやすく、強度や耐久性が落ちるとされてきた。どこまでなら置き換えられるのかが、実務上の焦点になる。 ESPOLとサリー大学の研究グループは、試験済みのコンクリート供試体を破砕して再生骨材をつくり、天然の粗骨材と置き換える配合を試した。使ったのは再生コンクリート骨材(RCA)と、他の建材が混ざった混合再生骨材(MRA)の2種類である。置換率は10%、20%、30%の3水準を設けた。 結果は配合の強度帯によって分かれた。通常のコンクリートでは、10〜20%の置換で圧縮強度が維持されるか、わずかに向上した。高強度コンクリートでは10〜20%で軽微な低下にとどまったが、30%まで上げると大きな強度低下が生じた。混合再生
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環境省が循環経済の実証6件を採択、国産木材からのバイオメタノール製造など
素材ごとに分けて回収し、同じ用途へ戻す水平リサイクルは、単一素材の製品でなければ成立しにくい。複合シートや紙おむつ、複層フィルムのように何層も重ねた製品は、その典型的な壁にあたる。環境省が採択した6件には、この壁に挑む案件が並んだ。 公表は8月24日で、対象は令和8年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業の1次公募である。区分は3つに分かれる。 プラスチックリサイクル実証の枠が最も多く、4件が入った。カンボウプラスの複合シートの水平リサイクル、栗田工業の紙おむつ由来の複合プラスチックによる地域循環モデルの構築、住ベシート防水の軟質塩化ビニル防水シートの水平リサイクル、三井化学の複層フィルムからのポリオレフィン回収である。いずれも素材が混ざった製品から特定の樹脂を取り出す工程を含む。 残りの2件は燃料側にあたる。バイオプラスチック等転換実証の枠では、王子ホールディングスの国産木材を主原料とす
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埋立地ガスをメタノールに変える米新興、7年間の引取契約と4.5億ドルの支援を確保
埋立地から出るガスは、発電に使うか、精製して都市ガス品位の再生可能天然ガス(RNG)にするのが一般的な出口である。ただしどちらも設備の規模がある程度必要で、小さな処分場では採算に乗りにくい。液体のメタノールに変えられれば、輸送も貯蔵も扱いやすくなる。 2021年設立のEmvolonは、マサチューセッツ工科大学から生まれた企業である。同社が使うのは改造した自動車用エンジンで、メタン濃度の高いガスをメタノールへ転換する。装置がモジュール式であるため短期間で設置でき、小規模な埋立地でも成立しやすいとしている。原料は埋立地ガスに限らず、メタン発酵設備から出るガスも対象になる。 今回結んだのは、商社のFreepoint Commoditiesとの引取契約である。期間は7年間で、年間最大30万トンの燃料生産を対象とする。Freepointは主たる買い手として物流を引き受け、最低価格を保証する立場に立つ
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市原市がジモティーと組んでリユース拠点を開設、9月11日から門前で運営
粗大ごみとして出される家具や家電には、まだ使えるものが相当量まざる。自治体がこれを資源として扱うには、市民が持ち込める場所と、受け取った品物を次の使い手へ渡す経路の両方が要る。後者を自前で持つ自治体は少なく、外部の事業者と組む形が現実的な解になりやすい。 市原市が選んだ相手は、地域の不用品売買を仲介するサービスを運営するジモティーである。両者は令和7年10月に「リユース活動の促進に向けた連携と協力に関する協定」を結んでおり、今回の拠点開設はその具体化にあたる。 開設するのは「ジモティースポット市原」で、場所は市原市門前2丁目261。開設日は令和8年9月11日である。営業時間は10時から18時までで、定休日は毎月第3水曜日と年末年始とする。受け入れる品目は家電、趣味・スポーツ用品、こども用品、そして3辺の合計が180センチ未満の家具などである。 持ち込まれた品物は、販売に回るものと無償で譲渡
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解体現場の窓ガラスを透明フロートガラスへ戻す、大林組とAGCが81トンで実証
建物を解体すると、大量の窓ガラスが出る。板ガラスは素材としては単純だが、サッシや接着材が付いたまま混合廃棄物として扱われることが多く、透明な板ガラスの原料に戻す経路は整っていなかった。行き先は埋め立てか、型板ガラスや網入りガラスといった品質要求の低い製品への再利用に限られてきた。 大林組とAGCが組んだのは、この行き先を変えるためである。役割は分かれており、大林組が解体工事を請け負って廃棄窓ガラスを供給し、AGCがそれをフロート板ガラスの原料へ再生する。回収から再生原料の供給までを一本につなぐ仕組みづくりもAGCが担う。回収したガラスは中間処理業者がカレットと呼ばれる再生原料に加工したうえで、AGCの鹿島工場へ入る。 対象としたのは三菱UFJ銀行本館の解体工事である。2025年2月に始まった工事から実施し、回収した廃棄窓ガラスは149トンにのぼった。このうち水平リサイクルに回したのは81ト
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タイルカーペットの水平循環が市場の2割に、業界団体の加盟が90社を超える
オフィスや商業施設で使われるタイルカーペットは、一定の周期で張り替えられる消耗品である。面積としてまとまった量が出るうえ、素材の構成が製品ごとに揃っているため、同じ製品へ戻す水平循環との相性は本来よい。ただしそれには、排出する側から回収、再生、製造までが一本の流れとしてつながっている必要がある。 日本リサイクルカーペット協会は、この流れを業界として整えることを目的に設立された団体である。設立は2023年11月1日で、これは「カーペットの日」にあたる。加盟企業数は設立から3年弱で90社を超えた。 協会が示す仕組みは、使用する人、回収する人、再生する人、作る人という4者の協力として整理されている。排出者だけ、あるいは製造者だけでは循環が成立しないという構造を、そのまま役割分担の形にしたものといえる。 実績として示されているのは二つの数字である。ひとつは約20年間の累計で、およそ6,000万平方
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米エネルギー省の5億ドル助成に電池リサイクル2社、ブラックマス輸出禁止と同時期
使用済みのリチウムイオン電池は、破砕・選別して「ブラックマス」と呼ばれる粉状の中間物にしたうえで、そこからニッケルやコバルト、リチウムを取り出す。これまで米国にはブラックマスを精製する能力が限られており、多くが海外へ輸出されてきた。 米エネルギー省が公表した交付先には、この工程を国内に置こうとする企業が並ぶ。原資は超党派インフラ投資雇用法にもとづく電池製造・リサイクル助成プログラムで、今回の総額は5億ドルである。 規模の大きい2社の内容は具体的である。Princeton NuEnergyには最大5,000万ドルを充て、ジョージア州コマースに設ける閉ループ型の工場で、電池製造の工程で出るスクラップの正極材からニッケルを回収して再生する。同社によれば、この1億1,000万ドル規模の設備を使うと、新品の材料を用いる場合に比べて電池の製造コストを約45%下げられるという。Nth Cycleには最大
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発酵工場の排水から窒素を回収、産総研らが溶存酸素を絞る運転条件を見いだす
排水に含まれる窒素は、これまで「取り除くもの」として扱われてきた。活性汚泥を使う一般的な処理では、微生物の働きで窒素化合物を段階的に分解し、最終的に窒素ガスとして大気へ逃がす。この過程には空気を送り込む曝気が欠かせず、処理場の電力消費の大きな部分を占めてきた。 産業技術総合研究所の籾内健吾氏らの研究グループが着目したのは、この分解を途中で止められないかという点である。キリンホールディングス、東京農工大学、京都大学と共同で進めた研究では、活性汚泥を低い溶存酸素と低いpHの条件下に置いた。すると汚泥中の微生物群の構成が変化し、窒素を除去する経路ではなく回収する経路へ傾く。分解はアンモニウムイオンの段階で止まり、窒素ガスまで進まない。 対象としたのは、発酵産業から出る低濃度の窒素化合物を含む排水である。研究グループはこの運転条件を「微好気活性汚泥法」と呼んでいる。曝気を抑えられるぶん処理に要する
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植物廃材のリグニンを穏やかな条件で芳香族化合物へ、単原子触媒の作用点を特定
リグニンは木質や農業残渣に含まれる高分子で、廃棄バイオマスの最大35%を占める。芳香環を骨格に持つため、化学品の原料としては本来価値が高い。ただし構造が複雑で結合が強く、目的の化合物だけを取り出すには厳しい反応条件や大量の触媒が必要になり、その費用が実用化を阻んできた。 マンチェスター大学の研究グループが用いたのは単原子触媒である。窒素をドープした炭素材料の中にルテニウム原子を一つずつ分散させて埋め込む構造で、金属をまとめて使う従来の触媒に比べて必要量が大幅に少なくて済む。反応も比較的穏やかな条件で進み、強い薬品を使わない。 研究の核心は、どの原子配置が反応を担っているかを特定した点にある。ルテニウム原子が4つの窒素原子と結びついた「Ru-N4サイト」が酸素を活性化し、リグニンの炭素-酸素結合と炭素-炭素結合の切断を引き起こす。この対応関係が分かれば、触媒の設計を当てずっぽうではなく狙って
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帝人が自己修復する熱硬化性CFRPを開発、薬液で樹脂を分解して再生も可能に
炭素繊維に熱硬化性樹脂を染み込ませたCFRPは、軽くて強いという性質から航空機や自動車、スポーツ用品に広く使われてきた。ただし熱硬化性の樹脂は一度固まると溶けない。加熱しても流動しないため再成形ができず、使用後の材料は焼却や埋め立てに回る割合が高かった。 帝人が開発した材料は、この前提を変えるものである。所定の温度で短時間加熱すると、損傷した樹脂層が修復される。傷や割れが入った部材をそのまま使い続けられれば、交換の頻度が下がり、廃棄物の発生自体が減ることになる。 使用後の扱いも二通り用意されている。ひとつは再成形で、成形後も所定の温度域では流動性を示すため、圧縮成形などによってもう一度部材にできる。もうひとつは化学的な分離で、特定の薬液に浸すと樹脂を分解できる。従来の熱硬化性CFRPから炭素繊維を取り出すには、400度を超える高温炉で長時間かけて樹脂を燃焼分解する必要があった。薬液による分
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航空機の炭素繊維廃材をエアロゲルに、シンガポール国立大が断熱・吸音材へ転用
炭素繊維とエポキシ樹脂を組み合わせた複合材は、航空機の機体や風力発電のブレード、自動車部品、船舶に使われている。強度と軽さを両立する一方、樹脂が硬化して固まっているため繊維だけを取り出すのが難しく、退役した機体やブレードから出る廃材の処理先が課題として残ってきた。 シンガポール国立大学機械工学科のDuong Hai Minh准教授らの研究グループが取った方法は、繊維を元の形で回収することを目指さない点に特徴がある。廃材を機械的に処理して細かい粉末と短い繊維の断片が混ざった状態にし、カルボキシメチルセルロースを結合剤として加えたうえで凍結乾燥する。こうして多孔質のエアロゲル構造をつくる。 できあがった材料は複数の性質を備える。熱伝導率が低いため軽量構造物の断熱材として使え、吸音性もあることから騒音対策の材料になりうる。さらに疎水処理を施すと油を吸収するようになり、油流出事故の処理や油水分離へ
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入間市が産廃処理業者と包括連携協定、使用済み太陽光パネルの再資源化も対象に
使用済みの太陽光パネルは、2010年代前半に導入が進んだ設備が寿命を迎えるにつれて排出量が増えていく。ガラス、アルミ枠、封止材、セルが積層された構造のため分離が難しく、処理先の確保が課題として残ってきた。入間市には、この分野のプラントが立地している。 石坂産業は市内に使用済み太陽光パネルのリサイクルプラントを設け、2025年6月からリサイクル事業を開始した。今回の包括連携協定は、この立地を前提に市と事業者が組む枠組みにあたる。協定の名称は「連携協定に関する包括連携協定書」で、2026年8月20日に締結された。 連携事項は8項目にわたる。廃棄物の再資源化を通じた資源循環の推進、地域内における資源循環ネットワークの構築と動静脈連携の推進、資源循環および環境分野における新技術の実証・研究開発・社会実装、地域資源を活用した脱炭素社会と循環型社会の形成が並ぶ。対象となる廃棄物にはプラスチック資源や使
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閉山した炭鉱の酸性廃水からレアアース、米ウェストバージニアで年4トンを回収
閉山した炭鉱からは、鉱山を閉じたあとも酸性の坑廃水が出続ける。放置すれば河川を汚すため処理が必要になるが、費用だけがかかる負債として扱われてきた。アパラチア地方にはこうした鉱山が数多く残る。 ウェストバージニア大学のレアアース・イニシアチブが着目したのは、この廃水に重希土類が溶け込んでいる点である。鉱石を掘って砕く工程を経ずに、すでに液体として存在する状態から取り出せる。ウェストバージニア州マウントストームの実証拠点では、まず廃水を貯留池に集め、配管で処理施設へ送る。施設内では3つの槽を順に通し、汚染物質を除去しながらレアアースを濃縮した形で取り出す。処理を終えた水はほぼ青緑色になって放流される。 現在の生産量は年間およそ4トンのレアアース酸化物である。このうち約45%が重希土類にあたる。同大学によれば、規模を広げれば年間300トンの生産が可能で、テルビウムやジスプロシウムといった元素につ
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入間市がリユース事業者と協定、リサイクルプラザ内に再流通拠点を今秋開設へ
自治体の粗大ごみには、壊れているわけではない品物が相当量まざる。引っ越しや買い替えで出た家具や家電がそのまま処分に回れば、使える価値は失われる。受け取って選別し、次の使い手へ渡す経路を誰が持つかが、リユースを制度として成り立たせるうえでの分かれ目になる。 入間市はその機能を外部の事業者と組んで用意する。協定を結んだECOMMITは鹿児島県薩摩川内市に本社を置き、全国7か所の循環センターで不要品の回収から選別、再流通までを担う。回収した品物についてはトレーサビリティのシステムを持ち、リユース率やリサイクル率、CO2の削減量をレポートする体制を備えている。 協定に基づく取り組みは3つで構成する。第一に、入間市リサイクルプラザ内への「リユース施設」の開設である。所在地は入間市新久127-1で、開設は2026年秋を予定する。受け入れるのは家庭から出た不要品のうち、まだ使えるものである。第二にトレー
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EUが新車への再生プラ使用を義務化、2032年15%・2036年25%の規則が発効
自動車に使われるプラスチックは、部材ごとに樹脂の種類が異なり、塗装や金属との接合も多いため、廃車から回収して同じ用途へ戻すのが難しい。再生材の需要が生まれなければ回収の採算も立たず、供給と需要の双方が動かないまま推移してきた。EUの新しい規則は、需要側に義務を課すことでこの膠着を解こうとするものである。 規則の番号は2026/1738で、自動車の設計に関する循環性の要件と、使用済み自動車の管理を一本にまとめている。発効は2026年8月13日。これまでの枠組みだった2000年のELV指令と2005年の3R型式認証指令を置き換える。 中心となるのが再生プラスチックの使用義務である。新車に使うプラスチックのうち、2032年までに15%、2036年までに25%を再生材とすることを求める。鉄とアルミニウムについても、欧州委員会が別途目標を定めたうえで2033年から適用する想定を示している。素材別に段
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英チェシャーの廃棄物発電所が試運転に着手、2029年にCO2回収を併設へ
廃棄物発電は、埋め立てを減らしながら電力を得る手段として欧州で広く導入されてきた。ただし燃やす以上はCO2が出るため、近年は回収設備を併設できるかどうかが施設の評価を分けるようになっている。英イングランド北西部チェシャーで動き出したProtos Energy Recovery Facilityは、その併設を前提に設計された施設である。 事業者はEncyclisで、施設は廃棄物の初点火を終えて試運転の段階に入った。記事が公開された時点で、すでに2,500トンを超える残余廃棄物を処理している。本格的な稼働に入ると、リサイクルに回せない事業系および都市系の廃棄物を年間最大50万トン受け入れ、49.9MWのベースロード電力を供給する構成になる。 CO2の回収設備が動き出すのは2029年の予定である。回収量は年間およそ37万トンを見込み、パイプラインでリバプール湾へ送って地中に永久貯留する。貯留先は
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下水処理の余剰熱でウナギを陸上養殖、浜松のパイロット事業が成功
ウナギの陸上養殖は水温を保つ必要があり、加温にかかる燃料費が採算を左右する。一方、下水処理場では汚泥の処理工程で熱が発生し、その多くは使われないまま捨てられている。浜松市の西遠浄化センターで行われたパイロット事業は、この二つを直接つないだものである。 方式は「温水かけ流し式」と呼ぶ。閉鎖循環式のように水を浄化して回すのではなく、処理場の余剰熱で温めた水を流し続ける。一見すると水を大量に使う構成だが、浜松ウォーターシンフォニーは特許出願中の運転制御技術を導入し、換水率を2,400%から500%へ引き下げた。温水の消費量は従来の5分の1に収まる。 密度と効率の改善はさらに大きい。飼育密度は18%に達し、当初計画の6倍となった。結果として生産効率は当初計画の約30倍になり、種苗を除いたコストは従来のタンク養殖と比べておよそ15〜20%下がる見通しである。処理場の熱を再利用することによるCO2の削
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食品廃棄物のバイオガス発電を手がけた羽村市の事業者が事業停止、破産へ
食品廃棄物のメタン発酵は、廃棄物処理と発電を同時に成り立たせる仕組みとして各地で導入が進んできた。ただし収益の柱は電力の売上だけでなく、排出事業者から受け取る処理料金にもある。原料の確保と処理単価、そして設備の稼働率が噛み合わなければ、事業として回らない。 東京都羽村市の西東京リサイクルセンターは、2015年の設立以来この分野で事業を続けてきた。食品メーカーやスーパーマーケット、飲食店から食品廃棄物を受け入れ、原料としてバイオガス発電に用いる構成である。しかし営業赤字は設立当初から続いており、2025年12月期の決算時点で負債総額は約14億2,400万円に達していた。 同社は2026年8月13日付で事後処理を弁護士に一任した。近く自己破産を申請する見通しとされる。 東京新聞の記事で公開されている範囲では、売上高や債務超過額といった年度別の内訳までは示されていない。発電設備の今後の扱い、受け
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コンビニ店頭の衣料品回収ボックス、3か月で4.5トン 8割が子供服と女性服
家庭で不要になった衣類は、量としては多いのに回収の経路が限られてきた。自治体の拠点回収は開設日が限られ、店舗の回収ボックスは買い物のついでに寄れる場所とは限らない。コンビニエンスストアはその点で条件がそろっており、営業時間と店舗密度の両方を備えている。 ブックオフコーポレーションとファミリーマートは、この立地を回収拠点として使えるかを確かめる実証実験を進めてきた。店内に置く回収ボックスの名称は「R-LOOP」で、対象は衣料品と雑貨である。設置しているのは都内の30店舗で、実証の開始は2026年2月に発表された。 3か月間で集まった量は4.5トンに達した。内訳を見ると約8割が子供服や女性服などの衣類で、回収量が多い店舗では知育玩具や生活雑貨の割合も増える傾向がある。衣類以外の品目にも一定の需要があることを示す結果といえる。 集まった品物は仕分けを経たうえで、マレーシアやカザフスタンにあるブッ
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神戸市の家庭系廃食用油の回収拠点が18か所に、累計7,293リットルをSAFなどへ
家庭から出る使用済みの食用油は、一世帯あたりで見れば年に数リットルにすぎない。凝固剤で固めて可燃ごみに出す処理が一般的で、資源として集める仕組みは長らく整っていなかった。集めるには、住民が持ち込める場所を生活圏の中に確保する必要がある。 神戸市が2024年10月に始めた「こうべ油回収チャレンジ~Kobe FRY to FLY Project~」は、その拠点を市内に置いていく取り組みである。今回、六甲アイランド出張所、北区役所、西区のセリオの3か所に回収ボックスを追加し、拠点は合わせて18か所になった。区役所や出張所といった住民が用事で訪れる施設に置く形をとっている。 集まった油の行き先は、持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼルである。事業には日揮ホールディングス、レボインターナショナル、NPO法人Blue Earth Project、関西エアポート神戸が参加しており、回収から精製、
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閉鎖したスキー場跡地に木質バイオマス発電所、片品村の未利用木材を燃料に
営業を終えたスキー場は、まとまった面積と既設の電源、そして車両が入れる道路を抱えたまま残る。用途が見つからなければ管理費だけがかかる土地でもある。群馬県片品村の旧ほたか牧場スキー場跡地は、この条件を木質バイオマス発電所の敷地として使う道を選んだ。 事業を担うのはスマートグリーンエネルギー片品で、日本駐車場開発グループで再生可能エネルギーを手がけるスマートグリーンエネルギーの傘下にある。2026年7月20日に安全祈願祭と竣工式を開き、設備の建設を終えた。同社は、スキー場跡地に小型木質バイオマス発電所を設置する例は日本で初めてだとしている。 燃料は地域で発生する未利用木材を木質チップに加工して調達する。片品村は面積の大半を山林が占めるため、間伐や伐採で出る木材の受け皿が村内にできることになる。発電した電力は主に村内の公共施設へ供給する計画で、燃料の調達先と電力の需要先の双方を地域内に置く構成を
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米インディアナの埋立地ガスを都市ガス品位へ、Waga Energyが8基目を稼働
埋立地からは、有機物の分解にともなってメタンを含むガスが出続ける。放っておけば温室効果ガスとして大気に出るため、多くの処分場では焼却処理して無害化している。これを燃料として使えれば価値が生まれるが、埋立地ガスは組成が安定せず、通常の精製設備では扱いにくいという壁があった。 Waga Energyが持つWAGABOXは、深冷分離によってこの問題に対処する技術である。ガスの組成が変動しても配管仕様まで精製できるため、事前処理を大がかりに組まなくても済む。同社はこの技術で、インディアナ州グリーンズバーグのDecatur Hills埋立地に設備を導入した。米国では8基目の稼働となる。 能力は、生ガス毎分1,000立方フィートの受け入れに対して年間約60GWh、単位を換えると203,000MMBtuのRNGを生産する規模である。できたガスは3kmの接続管を通じて地域の配給網へ直接注入する。接続管の費
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建設現場の廃プラをAIで分別、6社が大和ハウスの近畿の現場で実証中
建設現場の廃プラスチックは、養生材や包装材、配管材などが混ざり合って出る。素材の種類が判別しにくく汚れも付くため、選別の手間が再資源化の採算を圧迫してきた。今回の実証は、その選別工程に機械の目を入れる試みである。 現場ではAI分別サポートシステムが材質を判定し、作業者の分別を支援する。あわせてAIカメラが分別の状況を可視化し、どこで混入が起きているかを追えるようにする。集めた廃プラは再資源化の工程を経て、建材や建設副資材といった実用材に戻す。再生材を使ったアート作品のような、単価の高い用途も出口の候補に置いている。 6社は役割を分けて参画する。資源循環システムズが全体統括と事業設計、進行管理を担い、大栄環境が再資源化工程の設計と事業性の検討、三重中央開発が回収と再資源化および高付加価値製品の開発、八木熊がコンパウンド技術による材料化を受け持つ。BIPROGYはAI分別支援やデータ可視化、ト
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飯田市が里山資源の商品化に協力隊員を委嘱、秋にクロモジ入りジュース販売へ
里山には、山野草やクロモジのように使い道が定まらないまま残されている植物資源がある。量としては大きくないが、地域の外から見れば固有性のある素材でもある。使い手を地域内に置けるかどうかが、こうした資源が活きるかどうかの分かれ目になる。 飯田市は、その担い手を制度として確保する道を選んだ。地域おこし協力隊のうち、着任者自身が活動内容を提案する「提案型」の枠で、安島裕大さんを8月1日付で採用し、8月10日に委嘱状を交付した。安島さんは埼玉県川越市の出身で、市南部の千代地区を拠点に活動する。 掲げた活動計画は3つの柱からなる。地域資源を活用した商品開発、里山ならではの暮らしの体験と宿泊施設、そして里山的な暮らしのSNSでの発信である。いずれも、里山の自然や風土に根ざした文化と暮らしを次の世代へつなぐことを目的とし、そのために地域と継続的に関わる関係人口を育てるという筋道に沿っている。 1年目は商品
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パナソニック エナジー、社員食堂の廃食用油を国内9拠点で回収しバス燃料へ
事業所の社員食堂から出る使用済みの食用油は、量としては目立たない。一拠点あたりで見れば年に数百リットルの規模で、処理費を払って引き取ってもらえば話は済む。ただし拠点をまとめれば、燃料として意味のある量になる。 パナソニック エナジーは、社員食堂を持つ国内の全9拠点で、この油の回収をそろえて始めた。対象は守口、住之江、和歌山、洲本、徳島、二色の浜の各工場と、貝塚、南淡、東浦の事業所である。各食堂で天ぷら油などの使用済み食用油を集め、京都市に本社を置くレボインターナショナルが回収と精製を担う。 精製された油はバイオディーゼル燃料になり、路線バスや船舶などの燃料として使われる。自社の中で循環させるのではなく、地域の交通や輸送へ流す構成をとっている点が特徴といえる。 同社は、9拠点を合わせた年間の回収量を約7,200リットルと見込む。これによる CO2 排出量の削減効果は年間約19トンと算定してい
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カサブランカの廃棄物発電、Kanadevia Inovaと伊藤忠らが事業権契約に調印
都市ごみを燃やして発電する事業は、廃棄物処理と電力供給の 両方を担うため、自治体との長期契約を前提に組み立てられる。モロッコ最大の都市カサブランカで、その契約が結ばれた。 調印したのは、スイスのKanadevia Inovaを中心とする企業連合である。Kanadevia Inovaが設計、建設、運転を引き受けたうえで出資の一部も担い、モロッコのNarevaが主導的な投資家として加わる。日本からは伊藤忠商事が、英国子会社のI-Environment Investments Ltdを通じて出資する。建設工事はモロッコのSomagecが受け持つ。契約相手はカサブランカ市で、市長のNabila Rmili氏が代表して2026年8月3日に調印した。 発電した電力の販売先も同時に固めている。国営の電力水道公社ONEEと、カサブランカ・セタット地域の配電会社SRM Casablanca-Settatとの
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網を傷つけ売り先もなかったアカエイを商品に、塩釜の水産加工会社が挑む
未利用魚と呼ばれる魚には、単に食べ慣れないというだけでなく、扱いそのものが漁の負担になるものがある。アカエイはその典型で、重くて大きな針が漁網を傷つける。手間をかけて外しても売り先がないため、漁師にとっても市場関係者にとっても持て余す存在だった。 事情を変えつつあるのが海水温の上昇である。アカエイはもともと暖かい海に生息する魚だが、近年は三陸沖の漁網に入る数が増えている。放置すれば負担が積み上がる一方で、量が安定して見込めるなら原料としての条件は整うことになる。 塩釜市のマルサン松並商店は、このアカエイを加工品に仕立てた。第一弾として2024年12月に発売したのが「生姜香るエイヒレのアラビアータ」である。加工の難所は強いぬめりと軟骨の処理にあり、ここを越えられるかが商品として成立するかどうかの分かれ目になる。 社長の松並理恵さんがこの事業に取り組む背景には、会社を継いだ経緯がある。父の昭佳
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東ソーが周南の自社事業所に74MWのバイオマス発電所、石炭火力1基を廃止
化学メーカーは製造工程で大量の蒸気と電力を使うため、自社で発電設備を持つ例が多い。その多くは石炭火力で、設備の更新時期が排出量を減らす機会になる。東ソーの南陽事業所で起きたのはその入れ替えである。 新設したバイオマス発電所は出力74MWで、ボイラー1基と蒸気タービンなどからなる。2025年9月に完工し、約半年の調整期間を経て2026年4月に本運転へ入った。これに合わせて、老朽化していた自家用石炭火力発電所1基を廃止している。 燃料の選択肢を広く取った点がこの設備の特徴といえる。輸入木質ペレットのようないわゆるホワイトペレットに加え、建築廃材を砕いた木質チップ、さらに古紙と廃プラスチックを原料とする固形燃料RPFも受け入れられる。燃料市場の価格変動や調達難に対して幅を持たせる構成である。 CO2の削減量として示されている年間約50万トンは、将来バイオマスのみを燃やす専焼運転へ移行した場合の見
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アルミ切粉や廃部品から金属フォームへ、独フラウンホーファーが再生経路を開発
アルミの金属フォームは、内部に多数の気孔を持つ多孔質材料である。軽さの割に剛性が高く、衝撃を吸収する性質があるため、自動車の構造部材や機械の制振部品に使われる。ただし製造には粒径のそろった粉末状の原料が必要で、その原料をどこから得るかがコストを左右してきた。 フラウンホーファー工作機械・成形技術研究所の金属フォームグループは、この原料を新品の粉末ではなく廃材から得る経路を組み立てた。対象は、切削加工で出るアルミ切粉、工程内で生じるスクラップ、そして使用を終えた材料である。使用済み材料には箔やコイル、自動車のホイール材が含まれ、回収したアルミ発泡材そのものも原料に戻せるとしている。 処理は多段の機械工程からなる。切断、破砕、粉砕、ふるい分けを重ねて、発泡に適した粒径に整える。研究グループはこれと並行して、素材をいったん完全に溶かし直すことなく既存の構造を保ったまま再生する固相リサイクルの手法
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米エネルギー省、鉱山廃棄物からの重要鉱物回収に9件・1億6200万ドルを選定
鉱石から金属を取り出したあとに残る尾鉱は、長らく処分の対象だった。しかし含まれる微量の金属の価値が上がれば、廃棄物は資源になる。米エネルギー省が選んだ9件の事業は、まさにこの前提の転換を実証しようとするものである。 対象となる鉱物は、スカンジウム、銅、アンチモン、そして希土類元素である。原料は稼働中の鉱山から出る廃棄物、古い尾鉱の堆積、放棄された銅鉱山、濃度の薄い鉱山廃水、さらにアルミ関連施設から出る副産物まで幅がある。単一の技術ではなく、原料の性状ごとに異なる手法を並行して試す構成といえる。 事業は成熟度によって二つに分かれる。実験室やベンチ規模にとどまる技術を試作機の実証まで進めるものと、すでにパイロット規模で動いている技術を商業化直前の実証へ引き上げるものである。前者にはAnactisis、Still Bright、Nusano、SiTrationが名を連ね、後者にはThompson
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建設現場の防炎シートを同じ製品へ再生、鹿島・竹中・萩原工業が実証開始
建設現場を覆う防炎シートは、消耗品として定期的に交換される。使用後は廃プラスチックとして処理されるが、燃やして熱を回収するサーマルリサイクルに回る割合が高い。同じ製品に戻す水平リサイクルが成立すれば、材料としての価値を保ったまま循環させられる。 これを妨げてきたのが、シートに含まれる防炎剤である。難燃性を持たせるための添加剤が、再生材の品質を確保するうえで障害になっていた。萩原工業は、ブルーシートのリサイクルで蓄積してきた特殊洗浄と再生ペレット化の技術を発展させ、この問題に対応したとしている。 実証は3社の役割を分けて進める。鹿島建設と竹中工務店が自社の建設現場で防炎シートを使用し、使い終えたものを回収する。萩原工業がそれを受け取ってリサイクル処理と再製品化を行い、新たな防炎シートに戻す。できあがった製品を鹿島と竹中工務店が再び購入して現場で使う。使用から再使用までを一巡させて、供給網とし
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電子廃棄物からの金回収、電気で制御する新分子で薬剤使用を最大100分の1に
電子廃棄物や鉱山廃水、工業廃液から有価金属を取り出す工程では、通常、大量の化学薬剤が必要になる。広く使われる溶媒抽出法では、金属を捕まえるための薬剤に加えて酸化還元反応を起こすための薬剤も投入するため、処理後には薬剤由来の廃液が残る。 イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のXiao Su教授らは、この薬剤依存を減らすため、3つの機能を1つに統合した分子を設計した。金属イオンを選択的に結合する部位、永続的な電荷、そして有機相に溶ける性質である。分子自体が電解質として振る舞うため、酸化還元反応を薬剤ではなく電流で直接制御できる。研究グループは、この仕組みによって薬剤の消費量が1桁から2桁下がると説明している。 実証は電子廃棄物の浸出液からの金回収で行われ、成果は学術誌ACS Energy Lettersに掲載された。ただし現時点では実験室での実証にとどまり、工業規模での利用にはスケールアップが
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英ベッドフォード区、週次の生ごみ回収3か月で1418トンをメタン発酵へ
イングランド中部のベッドフォード区は、2026年3月末に各戸を対象とした週次の生ごみ回収を始めた。開始から3か月間で集まった生ごみは1418トンで、区議会はこれを埋め立て処分から転換した量として公表している。6月単月の回収量は516トンだった。 集めた生ごみは、地域のBiogen社が運営するメタン発酵施設に運ばれる。発酵で得たガスから作った電力は英国の送電網に供給され、残る消化液は栄養分を含む肥料として周辺の農場で使われる。区議会は、この処理経路によってCO2換算で86.8トンの排出を削減したと算定している。 回収対象には、家庭での堆肥化に適さない調理済み食品や肉、乳製品が含まれる。住民に対しては、清潔なパンやシリアルの袋か生分解性の内袋を使い、黒いごみ袋は避けるよう求めている。運用面では猛暑の時期に回収の遅れが生じ、作業員が翌営業日に巡回して対応する事態も起きた。区議会のNicola G
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廃棄されるウナギの頭を旨味だれに、浜名湖産の蒲焼ブランドが2か月で2000尾
うなぎの蒲焼をつくる過程では、頭や骨が必ず出る。可食部として扱われないため処分に回ることが多く、量としてはまとまるものの使い道が限られてきた部位である。 うなぎの井口は、この頭を煮出して旨味エキスを取り、蒲焼のたれの原料に組み込んだ。うなぎ由来の成分をたれ側にも重ねることで、焼き上げたときのコクを深める狙いがある。たれには浜松産のハチミツ、地元の蔵元「花の舞」の日本酒、静岡県産の醤油、純度の高い砂糖を合わせている。原料の産地を地域内でそろえた構成といえる。 蒲焼に使ううなぎは浜名湖産で、同社によれば全国の流通量のうち5%程度を占めるにとどまる。この希少性と、廃棄部位を活用したたれを組み合わせた新ブランドとして「井口の誉」を2026年6月1日に発売した。価格は1尾2,600円(税込)で、店頭のほか地方発送と通信販売でも扱う。 発売から2か月間の販売は2,000尾を超えた。同社は、令和5年度の
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インド、繊維廃棄物のリサイクルを促す「Tex-Eco」を連邦予算に計上
インドは世界有数の繊維生産国であり、製造の各工程で出る端材と、消費後に捨てられる衣料品の双方が大量に発生する。こうした繊維廃棄物を製造の川上へ戻す枠組みとして、2026-27年度の連邦予算に盛り込まれたのがTex-Eco Initiativeである。 繊維省が下院で示した説明によると、この施策は繊維廃棄物の管理、リサイクル、付加価値化に関わる技術を支援する。想定される出口は、再生繊維のほか、新素材や持続可能な包装材、廃棄された繊維から作る高付加価値の製品である。実施にあたっては研究機関、繊維研究協会、Centres of Excellence、産業界、スタートアップと連携する形をとる。 前提となる実態把握も進んでいる。繊維省は「Mapping of Textile Waste Value Chain in India」と題した調査を実施し、製造由来の廃棄物と消費後の廃棄物の双方について発生
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製紙の副産物リグニンを農業資材に、中国の研究チームが用途と課題を整理
リグニンは、パルプを製造する際に大量に生じる副産物である。木質から繊維を取り出す工程で分離されるが、用途が限られるため燃焼して熱源にするか、そのまま処分される割合が高い。今回の総説は、この物質を農業の現場で使う研究がどこまで進んだのかを、応用先ごとに整理したものである。 研究グループが着目するのは、リグニンが持つフェノール性と脂肪族の水酸基、芳香族の骨格、そして抗酸化性や紫外線遮蔽、抗菌性といった機能である。分解の速さを設計で調整できる点も、農業資材としては扱いやすい性質にあたる。整理された用途は、養分の流出を抑える徐放性肥料の被膜、保水性や金属の捕捉を担うヒドロゲル状の土壌改良材、農薬を包み込んで条件に応じて放出する仕組み、そして紫外線を遮り土中で分解するマルチフィルムや種子コーティングの4分野である。 一方で、実用化の条件は厳しいと整理されている。リグニンは由来する原料によって組成が大
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キノコの廃菌床と柑橘の廃棄物をカブトムシの餌に、あいテレビとTOMUSHIが事業化へ
キノコ栽培で使い終えた菌床と、柑橘の加工や出荷で出る廃棄物は、どちらも量が読める有機物でありながら、処理費をかけて捨てられることが多い。愛媛県は柑橘の産地であり、この二つが地域内で継続的に発生する点に着目した事業である。 あいテレビと、昆虫による有機廃棄物の資源化に取り組むTOMUSHIは、これらをカブトムシの餌に充てる。県内の法人や農家から廃棄物を買い取る形をとるため、排出する側には処理費の代わりに売却先ができることになる。育てたカブトムシの販売で収益を確保しつつ、飼育を通じた廃棄物の削減と土壌改良、脱炭素への寄与をあわせてねらう構成である。 この取り組みは令和8年度愛媛県ゼロカーボン・ビジネスモデル創出事業に採択された。今年度は、ビジネスモデルの企画、実証事業とトライアルサービスの実施、効果検証までを事業期間内に行う。両社はその結果を踏まえ、来年度以降の本格的な実施に向けたビジネスモデ
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建設現場の廃プラを油化、鹿島・竹中など6社が都内6現場で回収実証
建設現場からは、養生シートや包装材などさまざまな廃プラスチックが出る。種類が混ざり汚れも付着するため、素材ごとに分けて再生する方式では対応しにくく、多くが焼却や埋め立てに回ってきた。 今回の実証は、こうした建設系廃プラに油化によるケミカルリサイクルを適用できるかを確かめるものである。環境省の令和7年度プラスチック資源循環に関する先進的社会実装モデル形成支援事業として、リファインバースグループ、鹿島建設、竹中工務店、日本通運、あおぞら、三菱ケミカルの6社が参画した。東京都内の新築工事現場6か所を対象に廃プラを回収し、静脈系のサプライチェーンを構築したうえで、環境面と経済面の評価を行っている。 回収量は55トンで、このうちケミカルリサイクルが可能と判定されたのは35%だった。選別や前処理の技術で対応することにより、この割合は最大50%まで引き上げられるという。現状の処理方法と比較したCO2削減