リユース容器Loopの日本事業が終了、5,000万ドルで得た3つの原則
リユース容器プラットフォームLoopを運営する米テラサイクルのトム・ザッキーCEOが来日し、約5,000万ドル(約80億円)を投じた経験から得た3つの原則を語った。挙げたのは、業務プロセスを使い捨て製品と同等までシンプルに保つこと、すべての関係者にとって使い捨て包装と同等以上の採算性を実現すること、システムや関係者に追加的な制約を課さないことである。日本では2社の小売と提携して最終的に110店舗まで広げたが、2025年5月に販売を終了し、6月に容器の回収も終えた。現在は既存の耐久性ある容器を活用する方針に転換している。
この記事の要点
- 3原則はオペレーションの簡素さ、商業的成功、自由市場のダイナミクス
- 日本では2社の小売と提携し110店舗まで広げたが、2025年5月に販売を終了した
- 容器の回収は2025年6月に終了した。投資額は約5,000万ドル(約80億円)
- ブランド側は容器の再設計、工程変更、新工場の建設を迫られる点が障害になった
- 現在はワインボトルなど既存の耐久容器を使う「Plug and Play」に転換している
Loopは、ブランドと共同開発したリユース容器を使う仕組みである。利用者は容器にデポジットを払い、使い終わったら返却してデポジットを受け取る。戻った容器は洗浄して再び中身を詰める。使い捨て包装を減らす手段として国際的に注目され、日本にも入った。
そのLoopを運営する米テラサイクルのトム・ザッキーCEOが来日し、約5,000万ドル(約80億円)を投じた経験を語った。挙げた原則は3つある。第一に、業務プロセスを使い捨て製品と同等の水準までシンプルに保つこと。第二に、すべての関係者にとって使い捨て包装と同等以上の販売実績と採算性を実現すること。第三に、システムや関係者に追加的な制約を課さないこと。
いずれも「使い捨てと比べて不利にならない」という一点に集約される。実際につまずいたのはそこだった。ブランド側から見ると、リユース向けに容器を設計し直す必要があり、製造工程も変え、場合によっては新しい工場を建てることになる。そのうえで使い捨て容器と競争しなければならない。負担が先に来て、利点が後から来る構造になっていた。
日本での展開は終わっている。2社の小売と提携し、最終的に110店舗まで広げたが、2025年5月に販売を終了し、翌6月に容器の回収も終えた。提携先には味の素とロッテの名前が挙がっている。一方フランスでは500店舗以上、400ほどの品目を扱う規模に達している。
回収率については、1店舗あたりの取扱商品を5品目から50品目に増やした際に15%から80%へ改善した例が示されている。品目が少ないと返却のために店に寄る理由が弱く、増やすと日常の買い物の中で返せるようになる、という構造が読み取れる。
方針は転換した。容器を新たにつくるのではなく、ワインボトルやインスタントコーヒーのガラス容器のように、もともと耐久性のある既存の容器を使う。全製品の3分の1はこの条件を満たすという。サプライチェーンの変更と新規投資を避ける「Plug and Play」の考え方にあたる。
| 主体 | テラサイクル(TerraCycle)(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月15日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |