地域・社会活動
自治体・NPO・市民による取り組み — 13 記事
-
家庭の天ぷら油を8か所で集めて堺の工場へ、坂出市とコスモ石油ら4社が四国で初の協定
廃食用油を燃料に回す流れは、飲食店や食品工場の分だけなら以前から成り立っている。1か所からまとまった量が定期的に出るため、引き取りに行く側の採算が合うからである。難しいのは家庭から出る分で、1世帯あたりの量が少なく、出る時期もばらばらになる。 香川県坂出市とコスモ石油株式会社、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYの5者は2026年9月30日、この家庭系の廃食用油を集めて航空燃料SAFの原料に回す連携協定を結んだ。SAFは廃食用油などから作る航空燃料で、化石由来の燃料に比べてライフサイクル全体のCO2排出を抑えられる。 仕組みの中心は回収場所の配置にある。市は協定と同じ日に、市役所本庁舎、生活環境課、市立体育館、南部公民館、西庄公民館、そしてマルヨシセンター池園店、コープ坂出店、マルナカ坂出店の計8か所で受け入れを始めた
-
捨てられる衣類を道路の穴に詰める、英メードストンが公園で5か所の試験
繊維廃棄物の使い道は、繊維に戻す方向で考えられることが多い。古着として売る、ほぐして糸に戻す、ウエスにする。英イングランド南東部ケント州のメードストン自治区議会が始めた試験は、そこから外れて道路に向かっている。 議会は、英国の素材メーカー RECOOL が開発した低炭素の補修材を使い、公園内にできた穴をふさぐ試験を始めた。道路の穴は英語でポットホールと呼ばれ、雨水が入って凍結と融解を繰り返すことで広がっていく。補修の手順は、まず廃棄された繊維から作った材料を穴に詰め、その上に専用の表層材をかけるというものである。 試験の場所は公道ではない。議会が所有するモート公園で2か所、ペネンデン・ヒースで3か所の計5か所を選んだ。人が歩き、天候にさらされる条件は本物の路面と変わらないが、交通量と責任の重さは公道より小さい。耐久性と環境面での利点を従来の補修材と比べる作業を、これから数か月かけて続ける。
-
コーヒーポッド回収、英Co-opが30店舗の試行から200店舗超へ 10か月で8トン
英国の生活協同組合Co-opが、店頭での使用済みコーヒーポッド回収を200店舗超に広げる。展開先はイングランド南西部とサウスウェールズで、回収拠点を供給するのはポッドリサイクル事業のPodbackである。 きっかけは2025年11月に始めた試行だった。環境負荷を下げる手法を試すために設けられた「サステナビリティ・ショーケース店舗」30店に回収拠点を置いたところ、8トンのポッドが持ち込まれた。個数にすると50万個を超える。1店舗あたりに均せば約270kg、1万7千個ほどが集まった計算になる。試行の結果を受け、Co-opはこの取り組みを恒久的なものとして拡大する判断をした。 回収されるのはPodback加盟ブランドが販売するプラスチック製およびアルミ製の飲料ポッドに限られる。集まったポッドは英国内の再処理業者へ運ばれ、樹脂とアルミはそれぞれ素材として回収される。中身として残るコーヒーかすは別に
-
デポジットもアプリも無しのリユースカップ、英ブリストルで1年間試行
使い捨てカップをリユースカップに替える仕組みは各地で試されてきたが、たいていは利用者に何かを要求する。デポジットを預けさせるか、アプリを入れて登録させるか、その両方か。返却率を保つための担保だが、同時にそこが利用の障壁にもなる。店頭で列に並んでいるときに、アプリの起動を求められれば多くの人は諦める。 英ブリストルで始まった試行は、この担保を外した。利用者がすることは、飲み物を受け取って飲み、終わったら紫色の回収ボックスに返すだけである。運営に加わるEcosuretyのリチャード・マリオット氏は「デポジットもアプリも摩擦もない」と述べている。 成立させているのは場所の条件である。会場はUWEブリストルのフレンチェイ・キャンパスで、参加店舗はコスタコーヒー、サブウェイ、学生自治会バーの3か所。利用者は大半が学生と職員で、毎日同じ敷地に戻ってくる。キャンパス内に回収ボックスを80か所置けば、返す
-
ワシントンDCが集合住宅向けの生ごみ回収を拡大、施錠式の共用ボックスで
生ごみの分別回収は、戸建てなら各戸に容器を配れば済む。集合住宅では事情が変わる。共用の置き場に容器を出せば、分別しない住民が混ぜてしまい、内容物の質が落ちる。臭いや虫の苦情も出る。参加したい住民がいても、建物の管理側が引き受けないと始まらない。集合住宅の比率が高い都市ほど、この層が手つかずで残る。 米ワシントンD.C.の公共事業局(DPW)廃棄物削減室がとっているのは、戸別ではなく街なかに投入場所を置く方式である。「スマートビン」と呼ばれる施錠式の容器で、登録した住民が暗証番号を入力して開ける。24時間いつでも使え、近くのビンは地図から探せる。市は2026年秋に20基を追加する。現在は市内に31基ある。 施錠には二つの役割がある。誰でも開けられる容器にすれば一般ごみが放り込まれるが、登録者に限れば内容物の質を保ちやすい。同時に、登録という手続きを踏んだ住民だけが使うため、分別の意識も揃う。
-
家庭の使用済み食用油の回収を7店舗に、群馬の生協が10月から拡大
飲食店から出る廃食用油には回収業者がつく。一店舗あたりの量がまとまるため、集めて回る採算が立つからである。難しいのは家庭から出るぶんで、一世帯あたりの量が少なく、出るタイミングも読めない。多くは固めるか紙に吸わせて可燃ごみに回っている。持ち込み先をつくって住民に運んでもらう方式が現実的な解になりやすいのは、この事情による。 生活協同組合コープぐんまは、家庭から出る使用済み食用油の回収店舗を2026年10月から全7店舗に広げる。これまでは昭和店(前橋市)、寺尾店(高崎市)、みさと店(高崎市)の3店舗で実施してきた。新たに加わるのは東久方店(桐生市)、新井店(太田市)、宮子店(伊勢崎市)、藤岡店(藤岡市)の4店舗である。前橋・高崎に寄っていた回収地点が、桐生・太田・伊勢崎・藤岡へ広がる形になる。 集めた油の行き先には特徴がある。吉川油脂を通じて田中鉄工のアスファルトプラントへ運ばれ、合材製造に
-
整備地に残されてきた広葉樹の枝葉を紙糸に、神戸市が製品化で協定
森林整備で木を伐り出すとき、価値がつくのは幹の部分である。枝と葉はその場に残る。斜面の土留めに使う分はあるものの、それ以外は運び出す理由がなく、現場に置かれたままになる。運搬にも費用がかかるため、量があっても資源として扱いにくい部類に入る。 一般社団法人アップサイクル(大阪市、代表 森原洋)と神戸市は、2026年9月1日にこの枝葉をめぐる事業連携協定を締結した。神戸市内の森林整備で搬出される広葉樹の枝葉を、繊維製品にアップサイクルする内容である。 経路としては、まず枝葉を紙糸に加工する。木の繊維から紙をつくり、それを細く裂いて撚り、糸にする方法である。これに市民から回収した紙資源を組み合わせて生地にする。第一弾の製品は「KOBE WOOD Tシャツ」で、素材構成は綿70%、分類外繊維(和紙)30%と表示される。 森林側の未利用資源と、市民が出す古紙という別系統の資源を、同じ製品の中で合流さ
-
市原市がジモティーと組んでリユース拠点を開設、9月11日から門前で運営
粗大ごみとして出される家具や家電には、まだ使えるものが相当量まざる。自治体がこれを資源として扱うには、市民が持ち込める場所と、受け取った品物を次の使い手へ渡す経路の両方が要る。後者を自前で持つ自治体は少なく、外部の事業者と組む形が現実的な解になりやすい。 市原市が選んだ相手は、地域の不用品売買を仲介するサービスを運営するジモティーである。両者は令和7年10月に「リユース活動の促進に向けた連携と協力に関する協定」を結んでおり、今回の拠点開設はその具体化にあたる。 開設するのは「ジモティースポット市原」で、場所は市原市門前2丁目261。開設日は令和8年9月11日である。営業時間は10時から18時までで、定休日は毎月第3水曜日と年末年始とする。受け入れる品目は家電、趣味・スポーツ用品、こども用品、そして3辺の合計が180センチ未満の家具などである。 持ち込まれた品物は、販売に回るものと無償で譲渡
-
入間市が産廃処理業者と包括連携協定、使用済み太陽光パネルの再資源化も対象に
使用済みの太陽光パネルは、2010年代前半に導入が進んだ設備が寿命を迎えるにつれて排出量が増えていく。ガラス、アルミ枠、封止材、セルが積層された構造のため分離が難しく、処理先の確保が課題として残ってきた。入間市には、この分野のプラントが立地している。 石坂産業は市内に使用済み太陽光パネルのリサイクルプラントを設け、2025年6月からリサイクル事業を開始した。今回の包括連携協定は、この立地を前提に市と事業者が組む枠組みにあたる。協定の名称は「連携協定に関する包括連携協定書」で、2026年8月20日に締結された。 連携事項は8項目にわたる。廃棄物の再資源化を通じた資源循環の推進、地域内における資源循環ネットワークの構築と動静脈連携の推進、資源循環および環境分野における新技術の実証・研究開発・社会実装、地域資源を活用した脱炭素社会と循環型社会の形成が並ぶ。対象となる廃棄物にはプラスチック資源や使
-
入間市がリユース事業者と協定、リサイクルプラザ内に再流通拠点を今秋開設へ
自治体の粗大ごみには、壊れているわけではない品物が相当量まざる。引っ越しや買い替えで出た家具や家電がそのまま処分に回れば、使える価値は失われる。受け取って選別し、次の使い手へ渡す経路を誰が持つかが、リユースを制度として成り立たせるうえでの分かれ目になる。 入間市はその機能を外部の事業者と組んで用意する。協定を結んだECOMMITは鹿児島県薩摩川内市に本社を置き、全国7か所の循環センターで不要品の回収から選別、再流通までを担う。回収した品物についてはトレーサビリティのシステムを持ち、リユース率やリサイクル率、CO2の削減量をレポートする体制を備えている。 協定に基づく取り組みは3つで構成する。第一に、入間市リサイクルプラザ内への「リユース施設」の開設である。所在地は入間市新久127-1で、開設は2026年秋を予定する。受け入れるのは家庭から出た不要品のうち、まだ使えるものである。第二にトレー
-
神戸市の家庭系廃食用油の回収拠点が18か所に、累計7,293リットルをSAFなどへ
家庭から出る使用済みの食用油は、一世帯あたりで見れば年に数リットルにすぎない。凝固剤で固めて可燃ごみに出す処理が一般的で、資源として集める仕組みは長らく整っていなかった。集めるには、住民が持ち込める場所を生活圏の中に確保する必要がある。 神戸市が2024年10月に始めた「こうべ油回収チャレンジ~Kobe FRY to FLY Project~」は、その拠点を市内に置いていく取り組みである。今回、六甲アイランド出張所、北区役所、西区のセリオの3か所に回収ボックスを追加し、拠点は合わせて18か所になった。区役所や出張所といった住民が用事で訪れる施設に置く形をとっている。 集まった油の行き先は、持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼルである。事業には日揮ホールディングス、レボインターナショナル、NPO法人Blue Earth Project、関西エアポート神戸が参加しており、回収から精製、
-
飯田市が里山資源の商品化に協力隊員を委嘱、秋にクロモジ入りジュース販売へ
里山には、山野草やクロモジのように使い道が定まらないまま残されている植物資源がある。量としては大きくないが、地域の外から見れば固有性のある素材でもある。使い手を地域内に置けるかどうかが、こうした資源が活きるかどうかの分かれ目になる。 飯田市は、その担い手を制度として確保する道を選んだ。地域おこし協力隊のうち、着任者自身が活動内容を提案する「提案型」の枠で、安島裕大さんを8月1日付で採用し、8月10日に委嘱状を交付した。安島さんは埼玉県川越市の出身で、市南部の千代地区を拠点に活動する。 掲げた活動計画は3つの柱からなる。地域資源を活用した商品開発、里山ならではの暮らしの体験と宿泊施設、そして里山的な暮らしのSNSでの発信である。いずれも、里山の自然や風土に根ざした文化と暮らしを次の世代へつなぐことを目的とし、そのために地域と継続的に関わる関係人口を育てるという筋道に沿っている。 1年目は商品
-
英ベッドフォード区、週次の生ごみ回収3か月で1418トンをメタン発酵へ
イングランド中部のベッドフォード区は、2026年3月末に各戸を対象とした週次の生ごみ回収を始めた。開始から3か月間で集まった生ごみは1418トンで、区議会はこれを埋め立て処分から転換した量として公表している。6月単月の回収量は516トンだった。 集めた生ごみは、地域のBiogen社が運営するメタン発酵施設に運ばれる。発酵で得たガスから作った電力は英国の送電網に供給され、残る消化液は栄養分を含む肥料として周辺の農場で使われる。区議会は、この処理経路によってCO2換算で86.8トンの排出を削減したと算定している。 回収対象には、家庭での堆肥化に適さない調理済み食品や肉、乳製品が含まれる。住民に対しては、清潔なパンやシリアルの袋か生分解性の内袋を使い、黒いごみ袋は避けるよう求めている。運用面では猛暑の時期に回収の遅れが生じ、作業員が翌営業日に巡回して対応する事態も起きた。区議会のNicola G