#食品廃棄物
8 記事
-
休校で余った給食パンを1袋100円で市民へ、福岡市学校給食公社が環境大臣賞
学校給食は、作る数が前日までに決まる。だから学級閉鎖や一斉休校が急に決まると、すでに焼き上がったパンや仕入れた食材が行き場を失う。食べられる状態のまま捨てるしかないという事態が、感染症の流行期には各地で起きてきた。 環境省と消費者庁は2026年9月29日、2026年度の食品ロス削減推進表彰の受賞者を公表した。最上位にあたる環境大臣賞に選ばれたのは公益財団法人福岡市学校給食公社で、この給食用パンを市民に売るという取り組みである。市とパン製造業者と連携して販売許可を取り、回収したパンをその日のうちに売る。複数個を袋に詰め、原材料と期限を表示したうえで、2026年9月時点で1袋100円としている。売上は食材の購入費に充てる。2021年度から2025年度までに販売会を325回開き、およそ24万5,000個の廃棄を防いだ。 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)賞は特定非営利活動法人ジャパンハーベ
-
料金原資で投じた2,080万ドルのうち1件が閉鎖、米ガス会社のRNG事業が抱えた原料リスク
未利用資源からエネルギーを作る事業は、原料が別の産業の副産物である以上、その産業の都合に左右される。米オレゴン州のガス会社 NW Natural の再生可能天然ガス(RNG)事業は、その構造的な弱点が表に出た例である。 同社は Tyson Foods の牛肉加工工場2か所でメタン発酵の設備に投資してきた。ネブラスカ州レキシントンに830万ドル、同州ダコタシティに1,250万ドル、合わせて2,080万ドルである。このうちレキシントンの施設が、牛肉業界の変動を理由に閉鎖されることになった。発酵槽の性能や運転の問題ではなく、原料を出す側の工場が閉じるという事情である。NW Natural は停止した事業にかかった費用について、料金原資での回収を申請している。 もう一方の WM との事業も進んでいない。ワシントン州イーストウェナッチーの埋立地でガスをRNGにする計画について、WM は NW Nat
-
コーヒーポッド回収、英Co-opが30店舗の試行から200店舗超へ 10か月で8トン
英国の生活協同組合Co-opが、店頭での使用済みコーヒーポッド回収を200店舗超に広げる。展開先はイングランド南西部とサウスウェールズで、回収拠点を供給するのはポッドリサイクル事業のPodbackである。 きっかけは2025年11月に始めた試行だった。環境負荷を下げる手法を試すために設けられた「サステナビリティ・ショーケース店舗」30店に回収拠点を置いたところ、8トンのポッドが持ち込まれた。個数にすると50万個を超える。1店舗あたりに均せば約270kg、1万7千個ほどが集まった計算になる。試行の結果を受け、Co-opはこの取り組みを恒久的なものとして拡大する判断をした。 回収されるのはPodback加盟ブランドが販売するプラスチック製およびアルミ製の飲料ポッドに限られる。集まったポッドは英国内の再処理業者へ運ばれ、樹脂とアルミはそれぞれ素材として回収される。中身として残るコーヒーかすは別に
-
廃棄アイスクリームから脂肪を95%回収、遠心分離だけで採算が合う
アイスクリームの工場では、作った量のすべてが製品になるわけではない。品質が基準に届かない分、設備を洗浄するときに流れる分、アレルゲンの混入を防ぐために切り替え時に捨てる分がある。合わせると原料のおよそ5%が廃棄物になる。乳脂肪と糖と乳固形分の塊なので、栄養としては豊富なまま捨てられている。 米ペンシルベニア州立大学農学部の研究グループは、ここから脂肪を取り出す方法を比べた。試したのは酵素で分解する方法(プロテオリシス)と、pHを動かして分離させる方法である。乳製品から脂肪を分けるには、タンパク質が作る乳化の構造を壊す必要があるため、どちらも理屈としては妥当な選択にあたる。 ところが最も効果が高かったのは、何も処理せず遠心分離にかけるだけの対照区だった。脂肪の約95%を回収し、しかも純度は元の廃棄物より上がっていた。手を加えるほうがよいという前提が外れた形になる。 現場にとっては都合がよい結
-
食品廃棄物のメタン発酵5施設を買収、北米19拠点体制へ
食品廃棄物のメタン発酵は、施設を1か所つくれば成り立つ事業ではない。廃棄物を安定して集める契約と、できた再生可能天然ガス(RNG)を売る先の両方が要る。どちらも相手のある話で、拠点が少ないうちは交渉力が弱い。規模を集めることが事業の条件になりやすい分野である。 米Vanguard Renewablesが、Generate Upcycleの北米の有機物リサイクル事業を買収する。対象はオンタリオ州とニューヨーク州にあるメタン発酵施設5か所。処理能力は推定56万5,000トン、RNGの生産量は年間11億立方フィートにあたる。取引は2026年10月1日に完了する見込みである。 買収後のVanguardは合計19施設を運営し、さらに10か所を開発中という状態になる。同社のマイク・オラフリンCEOは、これによって顧客により多くの回収経路を提供でき、埋立からの転換という機会に必要な規模と統合が得られると
-
ワシントンDCが集合住宅向けの生ごみ回収を拡大、施錠式の共用ボックスで
生ごみの分別回収は、戸建てなら各戸に容器を配れば済む。集合住宅では事情が変わる。共用の置き場に容器を出せば、分別しない住民が混ぜてしまい、内容物の質が落ちる。臭いや虫の苦情も出る。参加したい住民がいても、建物の管理側が引き受けないと始まらない。集合住宅の比率が高い都市ほど、この層が手つかずで残る。 米ワシントンD.C.の公共事業局(DPW)廃棄物削減室がとっているのは、戸別ではなく街なかに投入場所を置く方式である。「スマートビン」と呼ばれる施錠式の容器で、登録した住民が暗証番号を入力して開ける。24時間いつでも使え、近くのビンは地図から探せる。市は2026年秋に20基を追加する。現在は市内に31基ある。 施錠には二つの役割がある。誰でも開けられる容器にすれば一般ごみが放り込まれるが、登録者に限れば内容物の質を保ちやすい。同時に、登録という手続きを踏んだ住民だけが使うため、分別の意識も揃う。
-
食品廃棄物のバイオガス発電を手がけた羽村市の事業者が事業停止、破産へ
食品廃棄物のメタン発酵は、廃棄物処理と発電を同時に成り立たせる仕組みとして各地で導入が進んできた。ただし収益の柱は電力の売上だけでなく、排出事業者から受け取る処理料金にもある。原料の確保と処理単価、そして設備の稼働率が噛み合わなければ、事業として回らない。 東京都羽村市の西東京リサイクルセンターは、2015年の設立以来この分野で事業を続けてきた。食品メーカーやスーパーマーケット、飲食店から食品廃棄物を受け入れ、原料としてバイオガス発電に用いる構成である。しかし営業赤字は設立当初から続いており、2025年12月期の決算時点で負債総額は約14億2,400万円に達していた。 同社は2026年8月13日付で事後処理を弁護士に一任した。近く自己破産を申請する見通しとされる。 東京新聞の記事で公開されている範囲では、売上高や債務超過額といった年度別の内訳までは示されていない。発電設備の今後の扱い、受け
-
英ベッドフォード区、週次の生ごみ回収3か月で1418トンをメタン発酵へ
イングランド中部のベッドフォード区は、2026年3月末に各戸を対象とした週次の生ごみ回収を始めた。開始から3か月間で集まった生ごみは1418トンで、区議会はこれを埋め立て処分から転換した量として公表している。6月単月の回収量は516トンだった。 集めた生ごみは、地域のBiogen社が運営するメタン発酵施設に運ばれる。発酵で得たガスから作った電力は英国の送電網に供給され、残る消化液は栄養分を含む肥料として周辺の農場で使われる。区議会は、この処理経路によってCO2換算で86.8トンの排出を削減したと算定している。 回収対象には、家庭での堆肥化に適さない調理済み食品や肉、乳製品が含まれる。住民に対しては、清潔なパンやシリアルの袋か生分解性の内袋を使い、黒いごみ袋は避けるよう求めている。運用面では猛暑の時期に回収の遅れが生じ、作業員が翌営業日に巡回して対応する事態も起きた。区議会のNicola G