使用済み端末の電池から取り出した資源で、新品と同等の性能をKDDIら6社が確認
KDDIなど6社が、使用済みリチウムイオン電池から回収したレアメタルを電池材料として使い、市販の炭酸リチウムを使った通常の電池と同等の性能が出ることを確認した。回収の入口には携帯電話やスマートフォンなどの使用済み端末を使う。非焙焼処理で高純度のブラックマスをつくり、そこからエマルションフロー技術で溶媒を使ってレアメタルだけを選択的に分離・回収する構成である。
この記事の要点
- 確認したのは電気の通りやすさ、充放電の速さへの耐性、繰り返し使用時の劣化しにくさの3点
- 役割分担はKDDIが回収接点、マークテックが材料と性能の評価、リーテックリニューアブルエナジーソリューションズが非焙焼処理
- レアメタルの抽出はエマルションフローテクノロジーズが担い、従来より低コストで高純度に回収できるとする
- 商船三井ロジスティクスが再生資源の輸送、トランスコスモスがサプライチェーン整備を受け持つ
- 発表資料に処理量や実証期間の記載はなく、規模の判断はできない
使用済みリチウムイオン電池からレアメタルを取り出す技術は各所で開発されてきたが、回収した資源が新品の材料と同じ性能を出せるかどうかは別の問題である。純度や不純物の種類が電池の挙動を左右するため、そこが確認できなければ電池材料としては使えず、より要求の低い用途へ落とすことになる。
KDDIら6社が確認したのは、この一点である。再生資源でつくった電池材料が、市販の炭酸リチウムを使った通常の電池と同等の水準に達した。評価したのは、電気の通りやすさ、充電や放電を速く行ったときの耐性、そして繰り返し使ったときの劣化しにくさの3点である。
工程は役割ごとに分かれる。回収の入口はKDDIが担い、携帯電話やスマートフォンなどの使用済み端末を集める。リーテックリニューアブルエナジーソリューションズが低環境負荷のプラントで非焙焼処理を行い、高純度のブラックマスをつくる。そこからエマルションフローテクノロジーズが自社の技術で、溶媒を使ってレアメタルだけを選択的に分離・回収する。従来の方法に比べて低コストかつ高効率、高純度での回収ができるという。材料と性能の評価はマークテックが担当した。
再生資源を実際に流通させる側の検証も入っている。商船三井ロジスティクスが再生資源の輸送とグローバルなサプライチェーンの検証を行い、トランスコスモスがDXの知見を使ってサプライチェーンの整備を受け持つ。6社は今後、回収の促進、電池材料のさらなる高品質化と最適化、商用電池としての実現、そして国内外の制度や規制に対応した輸送とトレーサビリティの仕組みづくりを進めるとしている。処理量や実証の期間は公表されていない。
| 主体 | KDDI株式会社(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年8月31日 |
| 地域 | 日本 |
| 公開日 | 2026年8月 のアーカイブ |