2026年8月
40 記事
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近赤外線で見えなかった黒色プラを中赤外線で識別、粗破砕の段階で選別
プラスチックの光学選別は近赤外線(NIR)を当てて、跳ね返ってくる光のスペクトルから樹脂の種類を読む。この方法には長らく穴があった。黒色のプラスチックが判別できない。着色に使われるカーボンブラックが可視光と近赤外線の大半を吸収してしまうため、機械の目に何も返らない。 黒は家電の筐体、自動車部品、パレットなど工業製品で広く使われる色である。選別できないものは混合の廃プラとして低い用途に回るか、燃やされる。分別の技術が進んでも、この一群だけが取り残されてきた。 独Sesotecが開発した「VARISORT+ CARBON BLACK」は、当てる光の波長を変えることでこの穴を埋めにいく。使うのは中波長赤外線(MWIR)で、近赤外線より波長の長い領域にあたる。カーボンブラックを含む樹脂でも材料固有のスペクトルが得られるため、そこから種類を判定する。解析には同社が蓄積してきたスペクトル解析の知見とA
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リサイクルが難しいPVCをエンジンオイルの基油に、70℃・3時間で変換
ポリ塩化ビニル(PVC)は配管や建材、床材に広く使われている一方で、リサイクルの対象としては扱いにくい部類に入る。分子に塩素が組み込まれているため、単純に加熱すると塩化水素が出る。加えて、可塑剤や安定剤といった添加剤が製造方法ごとに違い、集めても中身が揃わない。結果として、相当量が埋め立てに回ってきた。 米バージニア工科大学のグオリャン・リュウ教授らの研究グループは、このPVCを潤滑油の原料に変える手法を報告した。狙う生成物はポリアルファオレフィン(PAO)である。エンジンオイルをはじめとする高性能潤滑油の基油に使われる合成油で、鉱油系より温度による粘度変化が小さい。 手順は比較的単純である。PVCを溶媒に入れ、塩化アルミニウムとアルファオレフィンを加えたうえで、158°F(70℃)で3時間加熱する。その後、溶媒から粘度の高い油分を取り出す。塩化アルミニウムはフリーデル・クラフツ反応などで
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難燃剤入りEV用複合材をリサイクル可能に、韓国KRICTが添加剤の9割超を除去
電気自動車の部材には軽さと難燃性の両方が求められる。バッテリー周りの部品には燃え広がりにくさが要るし、車体が重くなれば航続距離が落ちる。この二つを満たすために繊維強化複合材に難燃剤を混ぜたものが使われてきたが、処理の段になると困る。熱硬化性の複合材は一度固まると加熱しても溶けず、埋め立てるか燃やすかしかない。 韓国化学研究院(KRICT)のキム・ジンチョル博士、チョン・ジウン博士、チン・ヨンジェ博士らの研究グループは、この構造を組み替えた。使ったのは高密度ポリエチレン(HDPE)の繊維とフィルムを積み重ねる自己強化型複合材である。繊維も母材も同じ樹脂なので、原理的には全体を溶かして再生できる。 問題は、同じ樹脂どうしだと層の接着が弱いことと、難燃剤が偏りやすいことだった。研究グループは低分子量のポリオレフィン系添加剤を加えることで、この二つに同時に対処している。添加剤は繊維とフィルムの界面
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PETボトルのキャップを原料にした工業用ペール缶、再生材4割以上で製品化
PETボトルの本体は回収と再生の仕組みが整っているが、キャップは事情が異なる。素材がポリエチレンやポリプロピレンでボトル本体とは別であり、分別して集めても行き先が限られる。学校や自治体の回収活動で集まったキャップが、単価の低い用途にしか回らないという指摘は以前からあった。 DICの100%子会社であるDICプラスチックは、このキャップ由来の再生材を40%以上使った工業用プラスチックペール缶「ダイテナー™ECO」を製品化した。再生材そのものは日本山村硝子(兵庫県尼崎市)が開発したもので、DICプラスチックはこれを容器の材料として採用した形になる。 ペール缶は塗料やインキ、化学品などを入れて運び、保管するための容器である。落下や積み重ねに耐える強度と、中身が漏れない密閉性が要る。再生材は元の樹脂に比べて物性がばらつきやすいため、こうした容器の用途に持ち込むこと自体が難所になる。DICプラスチッ
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EUの包装規則が適用開始、2030年までに全包装をリサイクル可能な設計へ
EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR、規則(EU)2025/40)が、2026年8月12日から適用を始めた。2025年2月11日に発効しており、そこから1年半の準備期間を置いての適用開始である。 制度上の変化としてまず大きいのは、指令から規則に切り替わったことである。これまでの包装・包装廃棄物指令は、加盟国がそれぞれ国内法をつくって内容を反映させる形だった。国ごとに解釈や水準がずれ、域内で異なるルールが並立する状態が生まれる。規則はそうした手続きを挟まず、EU全域で直接適用される。域内に輸出する側から見れば、相手国ごとに仕様を分ける必要が減るということでもある。 内容の中心は、包装を設計の段階から縛る点にある。2030年までに、EU市場に出るすべての包装をリサイクル可能な設計にすることが求められる。同じ2030年から、プラスチック包装には種類ごとに再生材含有率の下限がかかる。素材の組成を示
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使用済み端末の電池から取り出した資源で、新品と同等の性能をKDDIら6社が確認
使用済みリチウムイオン電池からレアメタルを取り出す技術は各所で開発されてきたが、回収した資源が新品の材料と同じ性能を出せるかどうかは別の問題である。純度や不純物の種類が電池の挙動を左右するため、そこが確認できなければ電池材料としては使えず、より要求の低い用途へ落とすことになる。 KDDIら6社が確認したのは、この一点である。再生資源でつくった電池材料が、市販の炭酸リチウムを使った通常の電池と同等の水準に達した。評価したのは、電気の通りやすさ、充電や放電を速く行ったときの耐性、そして繰り返し使ったときの劣化しにくさの3点である。 工程は役割ごとに分かれる。回収の入口はKDDIが担い、携帯電話やスマートフォンなどの使用済み端末を集める。リーテックリニューアブルエナジーソリューションズが低環境負荷のプラントで非焙焼処理を行い、高純度のブラックマスをつくる。そこからエマルションフローテクノロジーズ
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解体コンクリートの再生骨材、2割までの置換なら構造用の強度を保てると確認
コンクリートの体積の大部分は骨材が占める。建物を壊せば大量のコンクリート塊が出るため、これを砕いて骨材に戻せれば資源としては筋がよい。ただし再生骨材は元のセメント分が付着していて吸水しやすく、強度や耐久性が落ちるとされてきた。どこまでなら置き換えられるのかが、実務上の焦点になる。 ESPOLとサリー大学の研究グループは、試験済みのコンクリート供試体を破砕して再生骨材をつくり、天然の粗骨材と置き換える配合を試した。使ったのは再生コンクリート骨材(RCA)と、他の建材が混ざった混合再生骨材(MRA)の2種類である。置換率は10%、20%、30%の3水準を設けた。 結果は配合の強度帯によって分かれた。通常のコンクリートでは、10〜20%の置換で圧縮強度が維持されるか、わずかに向上した。高強度コンクリートでは10〜20%で軽微な低下にとどまったが、30%まで上げると大きな強度低下が生じた。混合再生
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環境省が循環経済の実証6件を採択、国産木材からのバイオメタノール製造など
素材ごとに分けて回収し、同じ用途へ戻す水平リサイクルは、単一素材の製品でなければ成立しにくい。複合シートや紙おむつ、複層フィルムのように何層も重ねた製品は、その典型的な壁にあたる。環境省が採択した6件には、この壁に挑む案件が並んだ。 公表は8月24日で、対象は令和8年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業の1次公募である。区分は3つに分かれる。 プラスチックリサイクル実証の枠が最も多く、4件が入った。カンボウプラスの複合シートの水平リサイクル、栗田工業の紙おむつ由来の複合プラスチックによる地域循環モデルの構築、住ベシート防水の軟質塩化ビニル防水シートの水平リサイクル、三井化学の複層フィルムからのポリオレフィン回収である。いずれも素材が混ざった製品から特定の樹脂を取り出す工程を含む。 残りの2件は燃料側にあたる。バイオプラスチック等転換実証の枠では、王子ホールディングスの国産木材を主原料とす
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埋立地ガスをメタノールに変える米新興、7年間の引取契約と4.5億ドルの支援を確保
埋立地から出るガスは、発電に使うか、精製して都市ガス品位の再生可能天然ガス(RNG)にするのが一般的な出口である。ただしどちらも設備の規模がある程度必要で、小さな処分場では採算に乗りにくい。液体のメタノールに変えられれば、輸送も貯蔵も扱いやすくなる。 2021年設立のEmvolonは、マサチューセッツ工科大学から生まれた企業である。同社が使うのは改造した自動車用エンジンで、メタン濃度の高いガスをメタノールへ転換する。装置がモジュール式であるため短期間で設置でき、小規模な埋立地でも成立しやすいとしている。原料は埋立地ガスに限らず、メタン発酵設備から出るガスも対象になる。 今回結んだのは、商社のFreepoint Commoditiesとの引取契約である。期間は7年間で、年間最大30万トンの燃料生産を対象とする。Freepointは主たる買い手として物流を引き受け、最低価格を保証する立場に立つ
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市原市がジモティーと組んでリユース拠点を開設、9月11日から門前で運営
粗大ごみとして出される家具や家電には、まだ使えるものが相当量まざる。自治体がこれを資源として扱うには、市民が持ち込める場所と、受け取った品物を次の使い手へ渡す経路の両方が要る。後者を自前で持つ自治体は少なく、外部の事業者と組む形が現実的な解になりやすい。 市原市が選んだ相手は、地域の不用品売買を仲介するサービスを運営するジモティーである。両者は令和7年10月に「リユース活動の促進に向けた連携と協力に関する協定」を結んでおり、今回の拠点開設はその具体化にあたる。 開設するのは「ジモティースポット市原」で、場所は市原市門前2丁目261。開設日は令和8年9月11日である。営業時間は10時から18時までで、定休日は毎月第3水曜日と年末年始とする。受け入れる品目は家電、趣味・スポーツ用品、こども用品、そして3辺の合計が180センチ未満の家具などである。 持ち込まれた品物は、販売に回るものと無償で譲渡
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解体現場の窓ガラスを透明フロートガラスへ戻す、大林組とAGCが81トンで実証
建物を解体すると、大量の窓ガラスが出る。板ガラスは素材としては単純だが、サッシや接着材が付いたまま混合廃棄物として扱われることが多く、透明な板ガラスの原料に戻す経路は整っていなかった。行き先は埋め立てか、型板ガラスや網入りガラスといった品質要求の低い製品への再利用に限られてきた。 大林組とAGCが組んだのは、この行き先を変えるためである。役割は分かれており、大林組が解体工事を請け負って廃棄窓ガラスを供給し、AGCがそれをフロート板ガラスの原料へ再生する。回収から再生原料の供給までを一本につなぐ仕組みづくりもAGCが担う。回収したガラスは中間処理業者がカレットと呼ばれる再生原料に加工したうえで、AGCの鹿島工場へ入る。 対象としたのは三菱UFJ銀行本館の解体工事である。2025年2月に始まった工事から実施し、回収した廃棄窓ガラスは149トンにのぼった。このうち水平リサイクルに回したのは81ト
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タイルカーペットの水平循環が市場の2割に、業界団体の加盟が90社を超える
オフィスや商業施設で使われるタイルカーペットは、一定の周期で張り替えられる消耗品である。面積としてまとまった量が出るうえ、素材の構成が製品ごとに揃っているため、同じ製品へ戻す水平循環との相性は本来よい。ただしそれには、排出する側から回収、再生、製造までが一本の流れとしてつながっている必要がある。 日本リサイクルカーペット協会は、この流れを業界として整えることを目的に設立された団体である。設立は2023年11月1日で、これは「カーペットの日」にあたる。加盟企業数は設立から3年弱で90社を超えた。 協会が示す仕組みは、使用する人、回収する人、再生する人、作る人という4者の協力として整理されている。排出者だけ、あるいは製造者だけでは循環が成立しないという構造を、そのまま役割分担の形にしたものといえる。 実績として示されているのは二つの数字である。ひとつは約20年間の累計で、およそ6,000万平方
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米エネルギー省の5億ドル助成に電池リサイクル2社、ブラックマス輸出禁止と同時期
使用済みのリチウムイオン電池は、破砕・選別して「ブラックマス」と呼ばれる粉状の中間物にしたうえで、そこからニッケルやコバルト、リチウムを取り出す。これまで米国にはブラックマスを精製する能力が限られており、多くが海外へ輸出されてきた。 米エネルギー省が公表した交付先には、この工程を国内に置こうとする企業が並ぶ。原資は超党派インフラ投資雇用法にもとづく電池製造・リサイクル助成プログラムで、今回の総額は5億ドルである。 規模の大きい2社の内容は具体的である。Princeton NuEnergyには最大5,000万ドルを充て、ジョージア州コマースに設ける閉ループ型の工場で、電池製造の工程で出るスクラップの正極材からニッケルを回収して再生する。同社によれば、この1億1,000万ドル規模の設備を使うと、新品の材料を用いる場合に比べて電池の製造コストを約45%下げられるという。Nth Cycleには最大
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発酵工場の排水から窒素を回収、産総研らが溶存酸素を絞る運転条件を見いだす
排水に含まれる窒素は、これまで「取り除くもの」として扱われてきた。活性汚泥を使う一般的な処理では、微生物の働きで窒素化合物を段階的に分解し、最終的に窒素ガスとして大気へ逃がす。この過程には空気を送り込む曝気が欠かせず、処理場の電力消費の大きな部分を占めてきた。 産業技術総合研究所の籾内健吾氏らの研究グループが着目したのは、この分解を途中で止められないかという点である。キリンホールディングス、東京農工大学、京都大学と共同で進めた研究では、活性汚泥を低い溶存酸素と低いpHの条件下に置いた。すると汚泥中の微生物群の構成が変化し、窒素を除去する経路ではなく回収する経路へ傾く。分解はアンモニウムイオンの段階で止まり、窒素ガスまで進まない。 対象としたのは、発酵産業から出る低濃度の窒素化合物を含む排水である。研究グループはこの運転条件を「微好気活性汚泥法」と呼んでいる。曝気を抑えられるぶん処理に要する
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植物廃材のリグニンを穏やかな条件で芳香族化合物へ、単原子触媒の作用点を特定
リグニンは木質や農業残渣に含まれる高分子で、廃棄バイオマスの最大35%を占める。芳香環を骨格に持つため、化学品の原料としては本来価値が高い。ただし構造が複雑で結合が強く、目的の化合物だけを取り出すには厳しい反応条件や大量の触媒が必要になり、その費用が実用化を阻んできた。 マンチェスター大学の研究グループが用いたのは単原子触媒である。窒素をドープした炭素材料の中にルテニウム原子を一つずつ分散させて埋め込む構造で、金属をまとめて使う従来の触媒に比べて必要量が大幅に少なくて済む。反応も比較的穏やかな条件で進み、強い薬品を使わない。 研究の核心は、どの原子配置が反応を担っているかを特定した点にある。ルテニウム原子が4つの窒素原子と結びついた「Ru-N4サイト」が酸素を活性化し、リグニンの炭素-酸素結合と炭素-炭素結合の切断を引き起こす。この対応関係が分かれば、触媒の設計を当てずっぽうではなく狙って
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帝人が自己修復する熱硬化性CFRPを開発、薬液で樹脂を分解して再生も可能に
炭素繊維に熱硬化性樹脂を染み込ませたCFRPは、軽くて強いという性質から航空機や自動車、スポーツ用品に広く使われてきた。ただし熱硬化性の樹脂は一度固まると溶けない。加熱しても流動しないため再成形ができず、使用後の材料は焼却や埋め立てに回る割合が高かった。 帝人が開発した材料は、この前提を変えるものである。所定の温度で短時間加熱すると、損傷した樹脂層が修復される。傷や割れが入った部材をそのまま使い続けられれば、交換の頻度が下がり、廃棄物の発生自体が減ることになる。 使用後の扱いも二通り用意されている。ひとつは再成形で、成形後も所定の温度域では流動性を示すため、圧縮成形などによってもう一度部材にできる。もうひとつは化学的な分離で、特定の薬液に浸すと樹脂を分解できる。従来の熱硬化性CFRPから炭素繊維を取り出すには、400度を超える高温炉で長時間かけて樹脂を燃焼分解する必要があった。薬液による分
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航空機の炭素繊維廃材をエアロゲルに、シンガポール国立大が断熱・吸音材へ転用
炭素繊維とエポキシ樹脂を組み合わせた複合材は、航空機の機体や風力発電のブレード、自動車部品、船舶に使われている。強度と軽さを両立する一方、樹脂が硬化して固まっているため繊維だけを取り出すのが難しく、退役した機体やブレードから出る廃材の処理先が課題として残ってきた。 シンガポール国立大学機械工学科のDuong Hai Minh准教授らの研究グループが取った方法は、繊維を元の形で回収することを目指さない点に特徴がある。廃材を機械的に処理して細かい粉末と短い繊維の断片が混ざった状態にし、カルボキシメチルセルロースを結合剤として加えたうえで凍結乾燥する。こうして多孔質のエアロゲル構造をつくる。 できあがった材料は複数の性質を備える。熱伝導率が低いため軽量構造物の断熱材として使え、吸音性もあることから騒音対策の材料になりうる。さらに疎水処理を施すと油を吸収するようになり、油流出事故の処理や油水分離へ
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入間市が産廃処理業者と包括連携協定、使用済み太陽光パネルの再資源化も対象に
使用済みの太陽光パネルは、2010年代前半に導入が進んだ設備が寿命を迎えるにつれて排出量が増えていく。ガラス、アルミ枠、封止材、セルが積層された構造のため分離が難しく、処理先の確保が課題として残ってきた。入間市には、この分野のプラントが立地している。 石坂産業は市内に使用済み太陽光パネルのリサイクルプラントを設け、2025年6月からリサイクル事業を開始した。今回の包括連携協定は、この立地を前提に市と事業者が組む枠組みにあたる。協定の名称は「連携協定に関する包括連携協定書」で、2026年8月20日に締結された。 連携事項は8項目にわたる。廃棄物の再資源化を通じた資源循環の推進、地域内における資源循環ネットワークの構築と動静脈連携の推進、資源循環および環境分野における新技術の実証・研究開発・社会実装、地域資源を活用した脱炭素社会と循環型社会の形成が並ぶ。対象となる廃棄物にはプラスチック資源や使
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閉山した炭鉱の酸性廃水からレアアース、米ウェストバージニアで年4トンを回収
閉山した炭鉱からは、鉱山を閉じたあとも酸性の坑廃水が出続ける。放置すれば河川を汚すため処理が必要になるが、費用だけがかかる負債として扱われてきた。アパラチア地方にはこうした鉱山が数多く残る。 ウェストバージニア大学のレアアース・イニシアチブが着目したのは、この廃水に重希土類が溶け込んでいる点である。鉱石を掘って砕く工程を経ずに、すでに液体として存在する状態から取り出せる。ウェストバージニア州マウントストームの実証拠点では、まず廃水を貯留池に集め、配管で処理施設へ送る。施設内では3つの槽を順に通し、汚染物質を除去しながらレアアースを濃縮した形で取り出す。処理を終えた水はほぼ青緑色になって放流される。 現在の生産量は年間およそ4トンのレアアース酸化物である。このうち約45%が重希土類にあたる。同大学によれば、規模を広げれば年間300トンの生産が可能で、テルビウムやジスプロシウムといった元素につ
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入間市がリユース事業者と協定、リサイクルプラザ内に再流通拠点を今秋開設へ
自治体の粗大ごみには、壊れているわけではない品物が相当量まざる。引っ越しや買い替えで出た家具や家電がそのまま処分に回れば、使える価値は失われる。受け取って選別し、次の使い手へ渡す経路を誰が持つかが、リユースを制度として成り立たせるうえでの分かれ目になる。 入間市はその機能を外部の事業者と組んで用意する。協定を結んだECOMMITは鹿児島県薩摩川内市に本社を置き、全国7か所の循環センターで不要品の回収から選別、再流通までを担う。回収した品物についてはトレーサビリティのシステムを持ち、リユース率やリサイクル率、CO2の削減量をレポートする体制を備えている。 協定に基づく取り組みは3つで構成する。第一に、入間市リサイクルプラザ内への「リユース施設」の開設である。所在地は入間市新久127-1で、開設は2026年秋を予定する。受け入れるのは家庭から出た不要品のうち、まだ使えるものである。第二にトレー
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EUが新車への再生プラ使用を義務化、2032年15%・2036年25%の規則が発効
自動車に使われるプラスチックは、部材ごとに樹脂の種類が異なり、塗装や金属との接合も多いため、廃車から回収して同じ用途へ戻すのが難しい。再生材の需要が生まれなければ回収の採算も立たず、供給と需要の双方が動かないまま推移してきた。EUの新しい規則は、需要側に義務を課すことでこの膠着を解こうとするものである。 規則の番号は2026/1738で、自動車の設計に関する循環性の要件と、使用済み自動車の管理を一本にまとめている。発効は2026年8月13日。これまでの枠組みだった2000年のELV指令と2005年の3R型式認証指令を置き換える。 中心となるのが再生プラスチックの使用義務である。新車に使うプラスチックのうち、2032年までに15%、2036年までに25%を再生材とすることを求める。鉄とアルミニウムについても、欧州委員会が別途目標を定めたうえで2033年から適用する想定を示している。素材別に段
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英チェシャーの廃棄物発電所が試運転に着手、2029年にCO2回収を併設へ
廃棄物発電は、埋め立てを減らしながら電力を得る手段として欧州で広く導入されてきた。ただし燃やす以上はCO2が出るため、近年は回収設備を併設できるかどうかが施設の評価を分けるようになっている。英イングランド北西部チェシャーで動き出したProtos Energy Recovery Facilityは、その併設を前提に設計された施設である。 事業者はEncyclisで、施設は廃棄物の初点火を終えて試運転の段階に入った。記事が公開された時点で、すでに2,500トンを超える残余廃棄物を処理している。本格的な稼働に入ると、リサイクルに回せない事業系および都市系の廃棄物を年間最大50万トン受け入れ、49.9MWのベースロード電力を供給する構成になる。 CO2の回収設備が動き出すのは2029年の予定である。回収量は年間およそ37万トンを見込み、パイプラインでリバプール湾へ送って地中に永久貯留する。貯留先は
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下水処理の余剰熱でウナギを陸上養殖、浜松のパイロット事業が成功
ウナギの陸上養殖は水温を保つ必要があり、加温にかかる燃料費が採算を左右する。一方、下水処理場では汚泥の処理工程で熱が発生し、その多くは使われないまま捨てられている。浜松市の西遠浄化センターで行われたパイロット事業は、この二つを直接つないだものである。 方式は「温水かけ流し式」と呼ぶ。閉鎖循環式のように水を浄化して回すのではなく、処理場の余剰熱で温めた水を流し続ける。一見すると水を大量に使う構成だが、浜松ウォーターシンフォニーは特許出願中の運転制御技術を導入し、換水率を2,400%から500%へ引き下げた。温水の消費量は従来の5分の1に収まる。 密度と効率の改善はさらに大きい。飼育密度は18%に達し、当初計画の6倍となった。結果として生産効率は当初計画の約30倍になり、種苗を除いたコストは従来のタンク養殖と比べておよそ15〜20%下がる見通しである。処理場の熱を再利用することによるCO2の削
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食品廃棄物のバイオガス発電を手がけた羽村市の事業者が事業停止、破産へ
食品廃棄物のメタン発酵は、廃棄物処理と発電を同時に成り立たせる仕組みとして各地で導入が進んできた。ただし収益の柱は電力の売上だけでなく、排出事業者から受け取る処理料金にもある。原料の確保と処理単価、そして設備の稼働率が噛み合わなければ、事業として回らない。 東京都羽村市の西東京リサイクルセンターは、2015年の設立以来この分野で事業を続けてきた。食品メーカーやスーパーマーケット、飲食店から食品廃棄物を受け入れ、原料としてバイオガス発電に用いる構成である。しかし営業赤字は設立当初から続いており、2025年12月期の決算時点で負債総額は約14億2,400万円に達していた。 同社は2026年8月13日付で事後処理を弁護士に一任した。近く自己破産を申請する見通しとされる。 東京新聞の記事で公開されている範囲では、売上高や債務超過額といった年度別の内訳までは示されていない。発電設備の今後の扱い、受け
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コンビニ店頭の衣料品回収ボックス、3か月で4.5トン 8割が子供服と女性服
家庭で不要になった衣類は、量としては多いのに回収の経路が限られてきた。自治体の拠点回収は開設日が限られ、店舗の回収ボックスは買い物のついでに寄れる場所とは限らない。コンビニエンスストアはその点で条件がそろっており、営業時間と店舗密度の両方を備えている。 ブックオフコーポレーションとファミリーマートは、この立地を回収拠点として使えるかを確かめる実証実験を進めてきた。店内に置く回収ボックスの名称は「R-LOOP」で、対象は衣料品と雑貨である。設置しているのは都内の30店舗で、実証の開始は2026年2月に発表された。 3か月間で集まった量は4.5トンに達した。内訳を見ると約8割が子供服や女性服などの衣類で、回収量が多い店舗では知育玩具や生活雑貨の割合も増える傾向がある。衣類以外の品目にも一定の需要があることを示す結果といえる。 集まった品物は仕分けを経たうえで、マレーシアやカザフスタンにあるブッ
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神戸市の家庭系廃食用油の回収拠点が18か所に、累計7,293リットルをSAFなどへ
家庭から出る使用済みの食用油は、一世帯あたりで見れば年に数リットルにすぎない。凝固剤で固めて可燃ごみに出す処理が一般的で、資源として集める仕組みは長らく整っていなかった。集めるには、住民が持ち込める場所を生活圏の中に確保する必要がある。 神戸市が2024年10月に始めた「こうべ油回収チャレンジ~Kobe FRY to FLY Project~」は、その拠点を市内に置いていく取り組みである。今回、六甲アイランド出張所、北区役所、西区のセリオの3か所に回収ボックスを追加し、拠点は合わせて18か所になった。区役所や出張所といった住民が用事で訪れる施設に置く形をとっている。 集まった油の行き先は、持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼルである。事業には日揮ホールディングス、レボインターナショナル、NPO法人Blue Earth Project、関西エアポート神戸が参加しており、回収から精製、
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米インディアナの埋立地ガスを都市ガス品位へ、Waga Energyが8基目を稼働
埋立地からは、有機物の分解にともなってメタンを含むガスが出続ける。放っておけば温室効果ガスとして大気に出るため、多くの処分場では焼却処理して無害化している。これを燃料として使えれば価値が生まれるが、埋立地ガスは組成が安定せず、通常の精製設備では扱いにくいという壁があった。 Waga Energyが持つWAGABOXは、深冷分離によってこの問題に対処する技術である。ガスの組成が変動しても配管仕様まで精製できるため、事前処理を大がかりに組まなくても済む。同社はこの技術で、インディアナ州グリーンズバーグのDecatur Hills埋立地に設備を導入した。米国では8基目の稼働となる。 能力は、生ガス毎分1,000立方フィートの受け入れに対して年間約60GWh、単位を換えると203,000MMBtuのRNGを生産する規模である。できたガスは3kmの接続管を通じて地域の配給網へ直接注入する。接続管の費
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建設現場の廃プラをAIで分別、6社が大和ハウスの近畿の現場で実証中
建設現場の廃プラスチックは、養生材や包装材、配管材などが混ざり合って出る。素材の種類が判別しにくく汚れも付くため、選別の手間が再資源化の採算を圧迫してきた。今回の実証は、その選別工程に機械の目を入れる試みである。 現場ではAI分別サポートシステムが材質を判定し、作業者の分別を支援する。あわせてAIカメラが分別の状況を可視化し、どこで混入が起きているかを追えるようにする。集めた廃プラは再資源化の工程を経て、建材や建設副資材といった実用材に戻す。再生材を使ったアート作品のような、単価の高い用途も出口の候補に置いている。 6社は役割を分けて参画する。資源循環システムズが全体統括と事業設計、進行管理を担い、大栄環境が再資源化工程の設計と事業性の検討、三重中央開発が回収と再資源化および高付加価値製品の開発、八木熊がコンパウンド技術による材料化を受け持つ。BIPROGYはAI分別支援やデータ可視化、ト
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飯田市が里山資源の商品化に協力隊員を委嘱、秋にクロモジ入りジュース販売へ
里山には、山野草やクロモジのように使い道が定まらないまま残されている植物資源がある。量としては大きくないが、地域の外から見れば固有性のある素材でもある。使い手を地域内に置けるかどうかが、こうした資源が活きるかどうかの分かれ目になる。 飯田市は、その担い手を制度として確保する道を選んだ。地域おこし協力隊のうち、着任者自身が活動内容を提案する「提案型」の枠で、安島裕大さんを8月1日付で採用し、8月10日に委嘱状を交付した。安島さんは埼玉県川越市の出身で、市南部の千代地区を拠点に活動する。 掲げた活動計画は3つの柱からなる。地域資源を活用した商品開発、里山ならではの暮らしの体験と宿泊施設、そして里山的な暮らしのSNSでの発信である。いずれも、里山の自然や風土に根ざした文化と暮らしを次の世代へつなぐことを目的とし、そのために地域と継続的に関わる関係人口を育てるという筋道に沿っている。 1年目は商品
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パナソニック エナジー、社員食堂の廃食用油を国内9拠点で回収しバス燃料へ
事業所の社員食堂から出る使用済みの食用油は、量としては目立たない。一拠点あたりで見れば年に数百リットルの規模で、処理費を払って引き取ってもらえば話は済む。ただし拠点をまとめれば、燃料として意味のある量になる。 パナソニック エナジーは、社員食堂を持つ国内の全9拠点で、この油の回収をそろえて始めた。対象は守口、住之江、和歌山、洲本、徳島、二色の浜の各工場と、貝塚、南淡、東浦の事業所である。各食堂で天ぷら油などの使用済み食用油を集め、京都市に本社を置くレボインターナショナルが回収と精製を担う。 精製された油はバイオディーゼル燃料になり、路線バスや船舶などの燃料として使われる。自社の中で循環させるのではなく、地域の交通や輸送へ流す構成をとっている点が特徴といえる。 同社は、9拠点を合わせた年間の回収量を約7,200リットルと見込む。これによる CO2 排出量の削減効果は年間約19トンと算定してい
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カサブランカの廃棄物発電、Kanadevia Inovaと伊藤忠らが事業権契約に調印
都市ごみを燃やして発電する事業は、廃棄物処理と電力供給の 両方を担うため、自治体との長期契約を前提に組み立てられる。モロッコ最大の都市カサブランカで、その契約が結ばれた。 調印したのは、スイスのKanadevia Inovaを中心とする企業連合である。Kanadevia Inovaが設計、建設、運転を引き受けたうえで出資の一部も担い、モロッコのNarevaが主導的な投資家として加わる。日本からは伊藤忠商事が、英国子会社のI-Environment Investments Ltdを通じて出資する。建設工事はモロッコのSomagecが受け持つ。契約相手はカサブランカ市で、市長のNabila Rmili氏が代表して2026年8月3日に調印した。 発電した電力の販売先も同時に固めている。国営の電力水道公社ONEEと、カサブランカ・セタット地域の配電会社SRM Casablanca-Settatとの
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東ソーが周南の自社事業所に74MWのバイオマス発電所、石炭火力1基を廃止
化学メーカーは製造工程で大量の蒸気と電力を使うため、自社で発電設備を持つ例が多い。その多くは石炭火力で、設備の更新時期が排出量を減らす機会になる。東ソーの南陽事業所で起きたのはその入れ替えである。 新設したバイオマス発電所は出力74MWで、ボイラー1基と蒸気タービンなどからなる。2025年9月に完工し、約半年の調整期間を経て2026年4月に本運転へ入った。これに合わせて、老朽化していた自家用石炭火力発電所1基を廃止している。 燃料の選択肢を広く取った点がこの設備の特徴といえる。輸入木質ペレットのようないわゆるホワイトペレットに加え、建築廃材を砕いた木質チップ、さらに古紙と廃プラスチックを原料とする固形燃料RPFも受け入れられる。燃料市場の価格変動や調達難に対して幅を持たせる構成である。 CO2の削減量として示されている年間約50万トンは、将来バイオマスのみを燃やす専焼運転へ移行した場合の見
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アルミ切粉や廃部品から金属フォームへ、独フラウンホーファーが再生経路を開発
アルミの金属フォームは、内部に多数の気孔を持つ多孔質材料である。軽さの割に剛性が高く、衝撃を吸収する性質があるため、自動車の構造部材や機械の制振部品に使われる。ただし製造には粒径のそろった粉末状の原料が必要で、その原料をどこから得るかがコストを左右してきた。 フラウンホーファー工作機械・成形技術研究所の金属フォームグループは、この原料を新品の粉末ではなく廃材から得る経路を組み立てた。対象は、切削加工で出るアルミ切粉、工程内で生じるスクラップ、そして使用を終えた材料である。使用済み材料には箔やコイル、自動車のホイール材が含まれ、回収したアルミ発泡材そのものも原料に戻せるとしている。 処理は多段の機械工程からなる。切断、破砕、粉砕、ふるい分けを重ねて、発泡に適した粒径に整える。研究グループはこれと並行して、素材をいったん完全に溶かし直すことなく既存の構造を保ったまま再生する固相リサイクルの手法
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米エネルギー省、鉱山廃棄物からの重要鉱物回収に9件・1億6200万ドルを選定
鉱石から金属を取り出したあとに残る尾鉱は、長らく処分の対象だった。しかし含まれる微量の金属の価値が上がれば、廃棄物は資源になる。米エネルギー省が選んだ9件の事業は、まさにこの前提の転換を実証しようとするものである。 対象となる鉱物は、スカンジウム、銅、アンチモン、そして希土類元素である。原料は稼働中の鉱山から出る廃棄物、古い尾鉱の堆積、放棄された銅鉱山、濃度の薄い鉱山廃水、さらにアルミ関連施設から出る副産物まで幅がある。単一の技術ではなく、原料の性状ごとに異なる手法を並行して試す構成といえる。 事業は成熟度によって二つに分かれる。実験室やベンチ規模にとどまる技術を試作機の実証まで進めるものと、すでにパイロット規模で動いている技術を商業化直前の実証へ引き上げるものである。前者にはAnactisis、Still Bright、Nusano、SiTrationが名を連ね、後者にはThompson
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建設現場の防炎シートを同じ製品へ再生、鹿島・竹中・萩原工業が実証開始
建設現場を覆う防炎シートは、消耗品として定期的に交換される。使用後は廃プラスチックとして処理されるが、燃やして熱を回収するサーマルリサイクルに回る割合が高い。同じ製品に戻す水平リサイクルが成立すれば、材料としての価値を保ったまま循環させられる。 これを妨げてきたのが、シートに含まれる防炎剤である。難燃性を持たせるための添加剤が、再生材の品質を確保するうえで障害になっていた。萩原工業は、ブルーシートのリサイクルで蓄積してきた特殊洗浄と再生ペレット化の技術を発展させ、この問題に対応したとしている。 実証は3社の役割を分けて進める。鹿島建設と竹中工務店が自社の建設現場で防炎シートを使用し、使い終えたものを回収する。萩原工業がそれを受け取ってリサイクル処理と再製品化を行い、新たな防炎シートに戻す。できあがった製品を鹿島と竹中工務店が再び購入して現場で使う。使用から再使用までを一巡させて、供給網とし
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電子廃棄物からの金回収、電気で制御する新分子で薬剤使用を最大100分の1に
電子廃棄物や鉱山廃水、工業廃液から有価金属を取り出す工程では、通常、大量の化学薬剤が必要になる。広く使われる溶媒抽出法では、金属を捕まえるための薬剤に加えて酸化還元反応を起こすための薬剤も投入するため、処理後には薬剤由来の廃液が残る。 イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のXiao Su教授らは、この薬剤依存を減らすため、3つの機能を1つに統合した分子を設計した。金属イオンを選択的に結合する部位、永続的な電荷、そして有機相に溶ける性質である。分子自体が電解質として振る舞うため、酸化還元反応を薬剤ではなく電流で直接制御できる。研究グループは、この仕組みによって薬剤の消費量が1桁から2桁下がると説明している。 実証は電子廃棄物の浸出液からの金回収で行われ、成果は学術誌ACS Energy Lettersに掲載された。ただし現時点では実験室での実証にとどまり、工業規模での利用にはスケールアップが
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英ベッドフォード区、週次の生ごみ回収3か月で1418トンをメタン発酵へ
イングランド中部のベッドフォード区は、2026年3月末に各戸を対象とした週次の生ごみ回収を始めた。開始から3か月間で集まった生ごみは1418トンで、区議会はこれを埋め立て処分から転換した量として公表している。6月単月の回収量は516トンだった。 集めた生ごみは、地域のBiogen社が運営するメタン発酵施設に運ばれる。発酵で得たガスから作った電力は英国の送電網に供給され、残る消化液は栄養分を含む肥料として周辺の農場で使われる。区議会は、この処理経路によってCO2換算で86.8トンの排出を削減したと算定している。 回収対象には、家庭での堆肥化に適さない調理済み食品や肉、乳製品が含まれる。住民に対しては、清潔なパンやシリアルの袋か生分解性の内袋を使い、黒いごみ袋は避けるよう求めている。運用面では猛暑の時期に回収の遅れが生じ、作業員が翌営業日に巡回して対応する事態も起きた。区議会のNicola G
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廃棄されるウナギの頭を旨味だれに、浜名湖産の蒲焼ブランドが2か月で2000尾
うなぎの蒲焼をつくる過程では、頭や骨が必ず出る。可食部として扱われないため処分に回ることが多く、量としてはまとまるものの使い道が限られてきた部位である。 うなぎの井口は、この頭を煮出して旨味エキスを取り、蒲焼のたれの原料に組み込んだ。うなぎ由来の成分をたれ側にも重ねることで、焼き上げたときのコクを深める狙いがある。たれには浜松産のハチミツ、地元の蔵元「花の舞」の日本酒、静岡県産の醤油、純度の高い砂糖を合わせている。原料の産地を地域内でそろえた構成といえる。 蒲焼に使ううなぎは浜名湖産で、同社によれば全国の流通量のうち5%程度を占めるにとどまる。この希少性と、廃棄部位を活用したたれを組み合わせた新ブランドとして「井口の誉」を2026年6月1日に発売した。価格は1尾2,600円(税込)で、店頭のほか地方発送と通信販売でも扱う。 発売から2か月間の販売は2,000尾を超えた。同社は、令和5年度の
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インド、繊維廃棄物のリサイクルを促す「Tex-Eco」を連邦予算に計上
インドは世界有数の繊維生産国であり、製造の各工程で出る端材と、消費後に捨てられる衣料品の双方が大量に発生する。こうした繊維廃棄物を製造の川上へ戻す枠組みとして、2026-27年度の連邦予算に盛り込まれたのがTex-Eco Initiativeである。 繊維省が下院で示した説明によると、この施策は繊維廃棄物の管理、リサイクル、付加価値化に関わる技術を支援する。想定される出口は、再生繊維のほか、新素材や持続可能な包装材、廃棄された繊維から作る高付加価値の製品である。実施にあたっては研究機関、繊維研究協会、Centres of Excellence、産業界、スタートアップと連携する形をとる。 前提となる実態把握も進んでいる。繊維省は「Mapping of Textile Waste Value Chain in India」と題した調査を実施し、製造由来の廃棄物と消費後の廃棄物の双方について発生
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製紙の副産物リグニンを農業資材に、中国の研究チームが用途と課題を整理
リグニンは、パルプを製造する際に大量に生じる副産物である。木質から繊維を取り出す工程で分離されるが、用途が限られるため燃焼して熱源にするか、そのまま処分される割合が高い。今回の総説は、この物質を農業の現場で使う研究がどこまで進んだのかを、応用先ごとに整理したものである。 研究グループが着目するのは、リグニンが持つフェノール性と脂肪族の水酸基、芳香族の骨格、そして抗酸化性や紫外線遮蔽、抗菌性といった機能である。分解の速さを設計で調整できる点も、農業資材としては扱いやすい性質にあたる。整理された用途は、養分の流出を抑える徐放性肥料の被膜、保水性や金属の捕捉を担うヒドロゲル状の土壌改良材、農薬を包み込んで条件に応じて放出する仕組み、そして紫外線を遮り土中で分解するマルチフィルムや種子コーティングの4分野である。 一方で、実用化の条件は厳しいと整理されている。リグニンは由来する原料によって組成が大