電子廃棄物からの金回収、電気で制御する新分子で薬剤使用を最大100分の1に
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループが、電子廃棄物から金を回収する際に使う化学薬剤を大幅に削減できる新しい分子を設計した。金属イオンを選択的に捕まえる能力、電荷、有機相への溶解性を1つの分子に持たせることで、従来は薬剤で起こしていた酸化還元反応を電流で直接制御できる。薬剤の消費量は従来法の10分の1から100分の1に減る。現時点では実験室での実証段階で、研究グループは工業規模への拡大を目指している。
- 化学薬剤の消費量を従来法の10分の1〜100分の1に削減し、廃液と使用エネルギーも減らせる
- 金属イオンの選択的捕捉・永続的な電荷・有機相への溶解性の3機能を1つの分子に統合
- 電子廃棄物の浸出液からの金回収で実証。鉱山廃水や産業廃液への適用も視野に入れる
- 成果は学術誌ACS Energy Letters(2026年)に掲載。DOIは10.1021/acsenergylett.6c01434
- 現段階は実験室レベルで、工業規模へのスケールアップが今後の課題となる
電子廃棄物や鉱山廃水、工業廃液から有価金属を取り出す工程では、通常、大量の化学薬剤が必要になる。広く使われる溶媒抽出法では、金属を捕まえるための薬剤に加えて酸化還元反応を起こすための薬剤も投入するため、処理後には薬剤由来の廃液が残る。
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のXiao Su教授らは、この薬剤依存を減らすため、3つの機能を1つに統合した分子を設計した。金属イオンを選択的に結合する部位、永続的な電荷、そして有機相に溶ける性質である。分子自体が電解質として振る舞うため、酸化還元反応を薬剤ではなく電流で直接制御できる。研究グループは、この仕組みによって薬剤の消費量が1桁から2桁下がると説明している。
実証は電子廃棄物の浸出液からの金回収で行われ、成果は学術誌ACS Energy Lettersに掲載された。ただし現時点では実験室での実証にとどまり、工業規模での利用にはスケールアップが必要になる。研究グループは新たな分子設計の探索に加え、計算モデルとAIを使った開発の加速にも取り組むとしている。
出典 Tech Xplore
Built-in charge could replace chemical reagents in gold recovery from electronic waste
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| 主体 | イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(大学・研究機関) |
|---|---|
| 情報の種類 | 研究発表 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年8月 のアーカイブ |