#食品副産物
8 記事
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廃棄アイスクリームから脂肪を95%回収、遠心分離だけで採算が合う
アイスクリームの工場では、作った量のすべてが製品になるわけではない。品質が基準に届かない分、設備を洗浄するときに流れる分、アレルゲンの混入を防ぐために切り替え時に捨てる分がある。合わせると原料のおよそ5%が廃棄物になる。乳脂肪と糖と乳固形分の塊なので、栄養としては豊富なまま捨てられている。 米ペンシルベニア州立大学農学部の研究グループは、ここから脂肪を取り出す方法を比べた。試したのは酵素で分解する方法(プロテオリシス)と、pHを動かして分離させる方法である。乳製品から脂肪を分けるには、タンパク質が作る乳化の構造を壊す必要があるため、どちらも理屈としては妥当な選択にあたる。 ところが最も効果が高かったのは、何も処理せず遠心分離にかけるだけの対照区だった。脂肪の約95%を回収し、しかも純度は元の廃棄物より上がっていた。手を加えるほうがよいという前提が外れた形になる。 現場にとっては都合がよい結
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搾ったあとのかぼす果皮をビールに、イオンなど5社が大分で商品化
かぼすは果汁を搾って使う。残るのが果皮で、これが副産物になる。柑橘の皮には香りの成分が多く含まれており、かぼす特有の風味も残っている。素材としては悪くないのだが、搾汁の現場で出る量に対して使い道が足りず、すべてを活かすのは難しかった。 イオン、日本航空(JAL)、ハマノ果香園、Beer the First、三菱UFJ銀行の5社は、この果皮を使ったクラフトビール「大分県産かぼすクラフトエール」を2026年10月12日から順次販売する。役割は分かれていて、イオンが全体企画と商品企画・販売、JALが商品企画への協力と大分県の魅力発信、ハマノ果香園が果汁・果皮の提供と原料面の協力、Beer the Firstが商品企画・開発と製造調整、三菱UFJ銀行が全体企画とプロジェクトの推進を担う。 配合は、仕込み量に対して果汁5%、果皮2%。果汁だけでなく果皮を入れることで、皮側に残る香りの成分を拾う構成に
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エアバッグ端材とぶどう搾りかす、アジア大会の公式グッズに3社が採用
製造の現場では、必ず端材が出る。設計どおりの形に断つ以上、外側は残る。素材としての質は製品と変わらないのに、形が定まらないぶん行き先がない。自動車産業が集積する愛知では、この種の端材がまとまった量で発生する。 第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)の公式ライセンスグッズに、これを使った商品が加わった。参加したのは豊田合成、トヨタ紡織、メニコンの3社で、それぞれ自社の事業で出る素材を持ち寄っている。 豊田合成が使うのは自動車用エアバッグの端材である。素材はポリエステルで、エアバッグは瞬間的な展開に耐える必要があるため、生地としては薄くて丈夫という性質を持つ。これをトートバッグ3種とチャーム2種、計5アイテムに仕立てた。エアバッグトートは3,500円でH360×W200×D100mm、チャームは1,000円。エンブレム柄の1種は発売中で、残りは発売時期を調整している。 トヨタ紡織は自
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チョコの外皮カカオハスクの9割を牛舎の敷材へ、横浜市内で循環
カカオ豆は焙煎してから砕く。このときチョコレートの原料になるカカオニブと、外皮であるカカオハスクに分かれる。使うのはニブのほうで、ハスクは残る。量としては無視できないが、食品として売る先があるわけでもなく、行き先の定まらない副産物にあたる。 横浜のクラフトチョコレート専門店VANILLABEANSを運営するチョコレートデザインは、このカカオハスクの約90%を牛舎の敷材として使い始めた。同社で発生するカカオハスクは年間およそ8トンで、うち約7.2トンが対象になる。 運び先は栄牧場である。横浜市内で横濱ビーフを育てている農家で、同じ市内にあるため輸送の距離が短い。副産物は水分や嵩の関係で運搬費が効きやすく、距離の近さがそのまま成立条件になる部類の資源である。 敷材はそこで終わらない。牛糞を含んだ状態になった敷材を堆肥化し、市内の農家へ販売する予定だという。チョコレートの製造で出たものが畜産を経
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モルト粕を魚の飼料にし養殖水でイチゴを育てる、糖度15度でケーキに
ビール醸造で出るモルト粕は、栄養が残っているのに水分が多く傷みやすい。飼料に向けるにしても、そのままでは運搬も保管も難しい。アグリ王と横浜ビールの取り組みは、この粕を乾燥・パウダー化したうえで魚の養殖飼料に用いるところから始まる。 飼料を与える相手は淡水魚のホンモロコである。ここで話は魚で終わらない。魚を飼えば排せつ物が出る。これを微生物が分解して植物の栄養に変え、その水でイチゴを育てる。植物が吸収して浄化した水は再び魚の水槽へ戻る。閉鎖型のアクアポニックスと呼ばれる仕組みで、水を捨てずに循環させながら魚と作物を同時に育てられる。 つまり経路は、ビールの粕から魚の飼料へ、魚の排せつ物から植物の栄養へ、浄化した水が魚へ戻る、という二重の輪になっている。ビール醸造という出発点と、イチゴの収穫という出口が、養殖を挟んでつながる構造である。 段階を追うと、2025年4月に実証実験を開始し、2026
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ビール粕で育てた鶏の卵を限定販売、川崎のブルワリーと養鶏場が連携
ビールは麦芽から糖を取り出して仕込む。糖を出したあとの麦芽の殻が麦芽粕(ビール粕)で、仕込みのたびにまとまった量が出る。タンパク質や食物繊維を含むため飼料としての素性は悪くないが、水分が多く傷みやすい。乾燥させるには燃料費がかかり、小規模なブルワリーほど引き取り手を見つけにくい。 株式会社KEY CORPORATION(神奈川県川崎市中原区)は、この麦芽粕を飼料に使った鶏卵「CRAFT EGG」の限定販売を始めた。同社が運営するカギヤブルワリーのほか、複数のブルワリーから麦芽粕を集めている。カギヤブルワリーは年間およそ100種類のビールを製造しており、それに見合う量の麦芽粕が出る。 飼育を担うのは、川崎市麻生区黒川の黒川たまごである。鶏はケージフリー(平飼い)で育てる。ブルワリーのある中原区と養鶏場のある麻生区はいずれも川崎市内で、市内で完結する距離に収まっている。傷みやすい原料を扱ううえ
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農産副産物を発酵でタンパク質に変えるMOA、380万ドルを調達し増産へ
農産物や食品を加工すれば必ず残りかすが出る。蒸留粕、作物残渣、搾りかす。栄養は残っているのに、種類も成分もばらばらで扱いにくい。微生物に食べさせて有用な素材に変える発想は古くからあるが、原料が変わるたびに適した菌株と条件を探し直さねばならず、そこに時間がかかってきた。 スペインのMOA Foodtechは、この探索を短縮する方法で事業を立てている。同社は「Albatross」と呼ぶAIツールを使い、菌株の開発期間を6か月から2週間未満へ短縮したとしている。原料として扱えるのは蒸留粕や作物残渣など150種類を超える副産物で、これらを炭素源と窒素源に使い、非遺伝子組換えの酵母で発酵させる。 製品は3つある。卵の代替として使える多機能な乳化剤MOA Q5、風味・食感・栄養を補うMOA Yeast、そしてペットフードや動物栄養向けのMOA Yeast FeGである。MOA Yeast FeGはすで
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清酒のろ過に使った活性炭を子牛の飼料へ、白鶴酒造の循環モデルが受賞
清酒は仕込みのあと、色や雑味の成分を取るために活性炭でろ過する工程を通る。使い終わった活性炭は吸着した成分を抱えたまま残り、行き先が限られる。白鶴酒造の推定では、この処理後活性炭は全国で少なくとも年1,000トン発生する。 白鶴酒造(神戸市東灘区)は、これを牛の飼料に転用する取り組み「サケ炭(すみ)」を進めてきた。2022年に飼料としての開発に成功し、現在は子牛に給与している。この資源循環モデルが、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)の第9回SXアワードで財務大臣賞を受賞した。 構造としては、酒蔵から出た副産物が畜産に渡り、そこからさらに農業へ回る形になっている。サケ炭を与えた牛の糞は、一部が堆肥化されたうえで白鶴ファーム(白鶴の農業法人)の酒米圃場に施用される。酒米は再び酒造りの原料になるため、出発点に戻る経路が組まれていることになる。 取り組みは1社では完結していない。兵