モルト粕を魚の飼料にし養殖水でイチゴを育てる、糖度15度でケーキに
アグリ王と横浜ビールが、ビール製造で出るモルト粕を起点にした資源循環を実現した。モルト粕を乾燥・パウダー化して魚の養殖飼料に用い、淡水魚のホンモロコを育てる。魚の排せつ物を微生物が植物の栄養に分解し、植物が浄化した水が再び水槽に戻る閉鎖型のアクアポニックスでイチゴを栽培する。2025年4月に実証実験を開始し、2026年1月からモルト粕配合飼料での本格養殖に入った。収穫したイチゴは糖度15度で、「ヨコビ苺のチーズケーキ」として2026年7月から横浜ビール直営レストランUMAYAのレギュラーメニューになっている。
この記事の要点
- モルト粕を乾燥・パウダー化し、淡水魚ホンモロコの養殖飼料に用いる
- 魚の排せつ物を微生物が植物の栄養に分解する閉鎖型アクアポニックスでイチゴを育てる
- 2025年4月に実証実験を開始し、2026年1月から本格養殖に入った
- 収穫したイチゴは糖度15度で、品質が安定していると説明している
- 「ヨコビ苺のチーズケーキ」が2026年7月からUMAYAのレギュラーメニューになった
ビール醸造で出るモルト粕は、栄養が残っているのに水分が多く傷みやすい。飼料に向けるにしても、そのままでは運搬も保管も難しい。アグリ王と横浜ビールの取り組みは、この粕を乾燥・パウダー化したうえで魚の養殖飼料に用いるところから始まる。
飼料を与える相手は淡水魚のホンモロコである。ここで話は魚で終わらない。魚を飼えば排せつ物が出る。これを微生物が分解して植物の栄養に変え、その水でイチゴを育てる。植物が吸収して浄化した水は再び魚の水槽へ戻る。閉鎖型のアクアポニックスと呼ばれる仕組みで、水を捨てずに循環させながら魚と作物を同時に育てられる。
つまり経路は、ビールの粕から魚の飼料へ、魚の排せつ物から植物の栄養へ、浄化した水が魚へ戻る、という二重の輪になっている。ビール醸造という出発点と、イチゴの収穫という出口が、養殖を挟んでつながる構造である。
段階を追うと、2025年4月に実証実験を開始し、2026年1月からモルト粕を配合した飼料での本格的な養殖に入った。収穫したイチゴは糖度15度で、アグリ王は品質が安定していると説明している。
出口も用意されている。このイチゴを使った「ヨコビ苺のチーズケーキ」が、2026年7月から横浜ビール直営レストランUMAYAのレギュラーメニューになった。粕を出したブルワリーが、そのまま最終製品を出す店を持っているため、輪が地理的にも閉じている。
一方でリリースには、モルト粕をどれだけ使ったのか、ホンモロコの養殖規模はどの程度か、イチゴの収穫量はいくらかといった数値の記載がない。取り組みの規模を測る材料は現時点では示されていない。
| 主体 | 株式会社アグリ王(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | プレスリリース |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月9日 |
| 地域 | 日本 |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |