解体コンクリートの再生骨材で坑廃水を中和、石灰石を上回る場面も
米ペンシルベニア州立大学のナサニエル・ワーナー准教授らの研究グループが、解体コンクリートの再生骨材(RCA)を坑廃水の処理に使う試験を行った。坑廃水は、採掘で硫黄を含む岩石が空気と水に触れて硫酸ができ、鉄やアルミニウム、マンガンといった金属を溶かし出したものである。ペンシルベニア州では5,000マイルを超える河川が汚染に直面している。RCAは水のpHを上げて酸性を中和し、溶けた金属の除去を助ける。バッチ試験では酸性度の低減が最も大きく、石灰石を上回る場面もあった。一方で表面に鉄などの鉱物が付着するにつれて効果は落ちていった。
この記事の要点
- 坑廃水は採掘で硫黄を含む岩石が空気と水に触れて生じ、金属を溶かし出す
- ペンシルベニア州では5,000マイルを超える河川が汚染に直面している
- 再生骨材は水のpHを上げて酸性を中和し、溶けた金属の除去を助ける
- バッチ試験では酸性度の低減が最も大きく、石灰石を上回る場面もあった
- 表面に鉄などの鉱物が付着するにつれて効果が落ちる点が課題として残る
閉山した鉱山からは、長く水が出続ける。採掘で硫黄を含む岩石が空気と水に触れると硫酸ができ、それが鉄やアルミニウム、マンガンを溶かし出す。坑廃水と呼ばれるこの水は強い酸性で、流れ込んだ川の生き物を減らす。ペンシルベニア州では5,000マイルを超える河川が汚染に直面している。処理には石灰石を使ってpHを上げる方法が一般的だが、採掘が終わったあとも延々と続くため、費用が積み上がる。
米ペンシルベニア州立大学のナサニエル・ワーナー准教授と、同校出身でジュニアータ大学のアリソン・フェンスケ氏らの研究グループが試したのは、この石灰石を解体コンクリートの再生骨材(RCA)で置き換える案である。コンクリートはセメント由来のアルカリ分を含むため、水に入れればpHを上げる働きをする。
試験の結果、RCAは酸性度の低減が最も大きく、石灰石を上回る場面もあった。RCA自身からも微量の金属が溶け出したが、その量は石灰石と同程度だったという。
構図としては、ひとつの廃棄物でもうひとつの負債を処理する形になる。解体コンクリートは大量に出る一方で用途が限られ、坑廃水は処理費用だけがかかり続ける。両者を当てれば、費用の面でも扱いやすくなる。研究グループは、コンクリート廃材が身近にあって輸送距離が短い地域では費用面で見合うとしている。逆に言えば、この条件が成立しない土地では成り立たない。
課題も出た。使い続けるうちに鉄などの鉱物が表面を覆い、中和の働きが進まなくなる。効果は時間とともに落ちていく。
検証はいずれも実験室でのバッチ試験にとどまる。実際の現場で連続的に水を通した場合の挙動、交換の頻度、全体の費用については、今後の検証が要る。成果は学術誌Mine Water and the Environmentに掲載された。
| 主体 | ペンシルベニア州立大学(大学・研究機関) |
|---|---|
| 情報の種類 | 研究発表 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月18日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |