英国、ケミカルリサイクル材の課税算入に認証マスバランスを要件化
英歳入関税庁(HMRC)が、プラスチック包装税におけるケミカルリサイクル材の扱いを定めた。2027年4月1日以降、化学的に再生したプラスチックが再生材含有率30%の基準に算入できるのは、認証を受けたマスバランス方式のサプライチェーンを通した場合に限られる。要件を満たさない材料は、税務上バージン材として扱われる。同税は再生材含有率30%未満の包装部材に1トンあたり228.82ポンドを課している。配分方式としては、燃料に使われた分を除外する帰属方式が認められた。
この記事の要点
- 2027年4月1日以降、認証マスバランスを通したケミカルリサイクル材だけが30%基準に算入できる
- 要件を満たさない材料は税務上バージン材として扱われ、課税対象になる
- プラスチック包装税は再生材30%未満の包装部材に1トンあたり228.82ポンドを課す
- 配分方式は燃料に使われた分を除外する帰属方式(fuel-excluded attribution method)が認められた
- リサイクル業者から包装成形業者まで全事業者に認証が必要で、証明書は6年間保管する
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを分子の段階まで分解してから樹脂に戻す方法である。機械的なリサイクルと違って汚れや混合物に強い一方で、制度上やっかいな性質がある。工程の途中で廃棄物由来の分子と化石由来の分子が混ざってしまい、出てきた樹脂のどこが再生材なのかを物理的に区別できない。
そこで使われるのがマスバランス方式である。投入した廃棄物の量に応じて、生産物の一部を「再生材」として帳簿上割り当てる。ただし割り当ての計算方法によって、同じ工程から名乗れる再生材の量が変わる。制度がどの方法を認めるかが、そのまま事業の採算に効く。
英歳入関税庁(HMRC)は、プラスチック包装税におけるこの扱いを定めた。同税は再生材含有率が30%に満たない包装部材に対し、1トンあたり228.82ポンドを課すものである。2027年4月1日以降、化学的に再生したプラスチックがこの30%基準に算入できるのは、認証を受けたマスバランス方式のサプライチェーンを通した場合に限られる。要件を外れた材料は、税務上バージン材として扱われる。
認められた配分方式は「燃料に使われた分を除外する帰属方式(fuel-excluded attribution method)」である。工程で燃料として消費された分を再生材の割り当てから外す考え方で、英プラスチック連盟(British Plastics Federation)が主張してきた立場に沿う。同連盟はこの点がケミカルリサイクルの事業採算に直接影響すると述べていた。
運用面の要件も細かい。ケミカルリサイクル業者から包装成形業者まで、関わる全事業者が認証を取得し、証明書を6年間保管する必要がある。帳簿は事業所単位で持ち、連続する3か月を1会計期間として管理する。期間内にマイナス残高を出すことは認められず、工程での損失には事業所ごとの換算係数を用いる。
背景には2024年の意見公募がある。回答者はマスバランスの容認が投資を後押しすると見込む一方、規則が厳しすぎれば英国から投資が流出しかねないという指摘も出ていた。
| 主体 | 英歳入関税庁(HM Revenue & Customs)(行政) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月2日 |
| 地域 | 海外(GB) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |