サンパウロの下水汚泥を炭にして畑へ、東京海上アセットと日本工営がクレジット化を本格展開
東京海上アセットマネジメントと日本工営が、ブラジル・サンパウロ州で下水汚泥をバイオ炭に変えてカーボンクレジットを生み出す事業を本格的に始めると2026年10月2日に発表した。汚泥は州の下水処理の6〜7割を担うサンパウロ州基礎衛生公社(SABESP)から受け取る。炭化装置で処理したバイオ炭を農地にまくことで、汚泥の処分先を確保しながら炭素を土に固定し、その削減分をクレジットとして売る構成になる。2025年度に小規模の実証を終え、ここから規模を広げる段階に入る。
この記事の要点
- 下水汚泥は処理量に比例して必ず出てくる一方、埋立や焼却の処分先の確保が各国で課題になっている
- 東京海上アセットマネジメントと日本工営は、これを炭化装置でバイオ炭に変えて農地にまく事業をブラジル・サンパウロ州で進める
- 汚泥の供給元はサンパウロ州の下水処理の約60〜70%を担うサンパウロ州基礎衛生公社(SABESP)
- バイオ炭は分解されにくく、土にまくと炭素がそのまま残るため、その削減分をカーボンクレジットとして売れる
- 2025年度に小規模の実証を終えており、今回から本格展開に移る
下水処理場は、水をきれいにするほど汚泥が出る。水に溶けていた有機物を集めて取り出す以上、処理量に比例して残る量も増える。この汚泥をどこへ持っていくかは、下水道が広がる国ほど重い課題になる。
東京海上アセットマネジメント株式会社は2026年10月2日、日本工営株式会社と組んで、ブラジル・サンパウロ州でこの汚泥を扱う「社会課題解決型バイオ炭カーボンクレジット創出プロジェクト」を本格的に始めると発表した。汚泥は炭化装置にかけてバイオ炭、つまり酸素の乏しい状態で焼いて炭素のまま固めたものに変える。それを農地にまく。
この構成が収益につながるのは、バイオ炭が土の中で分解されにくいからである。有機物をそのまま農地に入れれば微生物が分解して再びCO2になるが、炭にしておけば炭素は長く土に残る。大気に戻らなかった分を削減量として算定し、カーボンクレジットとして売る。汚泥の処分先が確保でき、農地には土壌改良材が入り、その上でクレジットの収入が立つという組み立てになる。
汚泥を出すのはサンパウロ州基礎衛生公社(SABESP)で、同州の下水処理のおよそ60〜70%を担う。供給元が一本化されていれば原料の量と性状が読めるため、事業として成立させやすい。両社は2025年度に小規模の実証を終えており、今回からこれを広げる段階に入る。処理する汚泥の量、バイオ炭の生産量、創出するクレジットの規模は今回示されていないため、事業としての大きさはまだ測れない。
| 主体 | 東京海上アセットマネジメント(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | プレスリリース |
| 本サイト掲載日 | 2026年10月2日 |
| 地域 | 日本 |
| 公開日 | 2026年10月 のアーカイブ |