閉山した炭鉱の酸性廃水からレアアース、米ウェストバージニアで年4トンを回収
米ウェストバージニア大学のレアアース・イニシアチブが、アパラチア地方の閉山した炭鉱から出る酸性坑廃水を処理してレアアースを回収する実証を進めている。ウェストバージニア州マウントストームの実証拠点では、年間およそ4トンのレアアース酸化物を生産しており、そのうち約45%が「重希土類」にあたる。廃水の浄化と有価物の回収を同じ工程で行う構成で、処理を終えた水はほぼ青緑色になって放流される。
この記事の要点
- 規模を広げれば年間300トンの生産が可能で、テルビウムやジスプロシウムなど世界需要の7〜8%に相当するとしている
- 廃水は貯留池に集めたあと処理施設へ送り、3つの槽を通して汚染物質の除去と濃縮を行う
- 重希土類は坑廃水に自然に溶け込んだ状態で存在しており、鉱石の採掘を伴わない
- レアアースの加工についてはREalloysと提携し、国内での分離・精製能力の構築を進める
閉山した炭鉱からは、鉱山を閉じたあとも酸性の坑廃水が出続ける。放置すれば河川を汚すため処理が必要になるが、費用だけがかかる負債として扱われてきた。アパラチア地方にはこうした鉱山が数多く残る。
ウェストバージニア大学のレアアース・イニシアチブが着目したのは、この廃水に重希土類が溶け込んでいる点である。鉱石を掘って砕く工程を経ずに、すでに液体として存在する状態から取り出せる。ウェストバージニア州マウントストームの実証拠点では、まず廃水を貯留池に集め、配管で処理施設へ送る。施設内では3つの槽を順に通し、汚染物質を除去しながらレアアースを濃縮した形で取り出す。処理を終えた水はほぼ青緑色になって放流される。
現在の生産量は年間およそ4トンのレアアース酸化物である。このうち約45%が重希土類にあたる。同大学によれば、規模を広げれば年間300トンの生産が可能で、テルビウムやジスプロシウムといった元素については世界需要の7〜8%に相当する量になるという。
イニシアチブを率いるLance Lin氏らは、レアアースの加工についてREalloysと提携し、米国内での分離・精製の能力を築くことを目指している。ほかの鉱山への展開も検討している段階である。廃水処理という支出を、有価物の回収と組み合わせて成立させられるかが焦点になる。
| 主体 | ウェストバージニア大学(West Virginia University)(大学・研究機関) |
|---|---|
| 情報の種類 | 研究発表 |
| 本サイト掲載日 | 2026年8月25日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年8月 のアーカイブ |