刈り捨てられるガマを活性炭に、同志社大が染料を同時吸着する銅担持材を1工程で作製
同志社大学の研究グループが、水辺で刈り取られて捨てられるガマ(bulrush)を原料に、金属銅のナノ粒子を担った活性炭を作る手法を発表した。銅化合物を混ぜて一度焼くだけの単一工程で、バイオマス自身が熱分解時に出すCOと水素がその場で銅を還元する。得られた材料の比表面積は984.5 m²/gで、陽イオン性と陰イオン性の両方の染料を吸着できる。6回の再生を経てもメチレンブルーの除去率は90.6%を保った。推定製造コストは約1,800円/kgとされる。
この記事の要点
- 比表面積984.5 m²/g、細孔容積0.615 cm³/g
- 吸着容量はメチレンブルー62.31 mg/g、メチルオレンジ56.37 mg/g、サンセットイエロー35.76 mg/g
- 6サイクルの再生後の除去率はメチレンブルー90.6%、メチルオレンジ88.0%
- 外部から還元剤を加えず、熱分解で発生するCOとH2で銅を金属状態まで還元する
- 推定製造コストは約1,800円/kg。掲載誌はJournal of Environmental Chemical Engineering
染色や製紙、皮革、食品加工の排水には合成染料が混じる。これを取り除く吸着材として、同志社大学の Asif Ali 氏、松本道明教授、田原義朗教授らが目を付けたのは、水辺で刈り取られたまま使い道のないガマだった。
手法の要点は工程を増やさないことにある。通常、活性炭に金属を担わせようとすると、炭化した後に金属塩を含浸させ、さらに還元剤で金属まで戻す段取りが要る。今回は硝酸銅(II)三水和物と水酸化カリウムをガマに混ぜ、一度に熱分解する。植物由来のバイオマスは熱分解の過程で一酸化炭素と水素を放出するため、これが還元剤として働き、細孔の中で金属銅のナノ粒子がその場で育つ。外から還元剤を持ち込む必要がない。研究グループはこの材料を ZVCu@BAC と呼んでいる。
性能は比表面積984.5 m²/g、細孔容積0.615 cm³/gで、吸着容量はメチレンブルーで62.31 mg/g、メチルオレンジで56.37 mg/g、サンセットイエローで35.76 mg/gだった。陽イオン性のメチレンブルーと陰イオン性のメチルオレンジ・サンセットイエローの双方に効く点が特徴で、静電引力やπ-πスタッキング、水素結合、細孔への充填に加え、金属銅の活性点への配位が寄与していると説明されている。繰り返し使用にも耐え、6回の再生サイクルを経た後の除去率はメチレンブルーで90.6%、メチルオレンジで88.0%を保った。
推定される製造コストは約1,800円/kgとされる。成果は Journal of Environmental Chemical Engineering に掲載された。
| 主体 | 同志社大学(大学・研究機関) |
|---|---|
| 情報の種類 | 研究発表 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月29日 |
| 地域 | 日本 |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |