タングステンの再生能力を2倍に、三菱マテリアルが80億円を投じる
三菱マテリアルグループが、タングステンの再生能力を現在の約2倍にあたる年間2,400トン(WO3換算)へ引き上げる。連結子会社の日本新金属が担い、秋田工場の湿式精錬設備をはじめとする各種設備を増強する。投資額は約80億円で、2029年4月の操業開始を予定する。国内で発生するタングステンスクラップの活用を広げ、年間約1,200トン(WO3換算)の輸入中間原料を国内リサイクル由来の原料に置き換えることを目指す。経済安全保障推進法に基づく重要鉱物の供給確保計画として、経済産業省の認定を受けている。
この記事の要点
- 再生能力を現在の約2倍、年間2,400トン(WO3換算)へ引き上げる
- 連結子会社の日本新金属が担い、秋田工場の湿式精錬設備などを増強する
- 投資額は約80億円で、2029年4月の操業開始を予定する
- 年間約1,200トン(WO3換算)の輸入中間原料を国内リサイクル由来に置き換える
- 経済安全保障推進法に基づく供給確保計画として経産省の認定を受けた
タングステンは融点が金属のなかで最も高く、切削工具や耐熱材料に欠かせない。日本は原料の多くを輸入に頼っており、特定国への依存や輸出管理の強化によって、安定して調達できるかどうかの不確実性が高まっている。国内で使われた分を回収して戻す経路は、供給の安全保障に直結する。
三菱マテリアルグループは、この再生能力を現在の約2倍にあたる年間2,400トン(WO3換算)へ引き上げる。担うのは連結子会社の日本新金属で、秋田工場の湿式精錬設備をはじめとする各種設備を増強する。投資額は約80億円、操業開始は2029年4月を予定する。
目標として示されているのは置き換えの量である。国内で発生するタングステンスクラップの活用を広げ、年間およそ1,200トン(WO3換算)の輸入中間原料を、国内リサイクル由来の原料に切り替えることを目指す。増設分の能力がそのまま輸入の置き換えに向かう計算になる。
制度の後ろ盾もある。この計画は経済安全保障推進法に基づき、重要鉱物の安定供給確保に資する供給確保計画として経済産業省の認定を受けている。同法は半導体や蓄電池、重要鉱物といった分野で、供給途絶のリスクが高い物資について国が計画を認定し支援する枠組みである。資源循環が環境政策の文脈だけでなく、調達リスクの文脈で扱われている例にあたる。
秋田工場が拠点になる点にも背景がある。秋田は非鉄金属の製錬が集積してきた地域で、湿式精錬の設備と技術が蓄積されている。
なお、記事の範囲では使用済み超硬工具などの具体的な回収経路や、認定に伴う補助の有無については示されていない。
| 主体 | 三菱マテリアル株式会社(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月16日 |
| 地域 | 日本 |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |