水を使わず廃プラを建材に、MIT発の企業が1,800kg支える梁を3Dプリント
米マサチューセッツ工科大学(MIT)発の企業Atlasが、水を使わずに使い捨てプラスチックを建材に変える手法を開発した。ペットボトルなどの使い捨てプラスチックを粉砕して溶かし、米国製のガラス繊維と融合させたうえで、大型の3Dプリントシステムに送って部材をつくる。できるのはトラス(梁)、デッキ、基礎のほか、壁・床・屋根の部材や橋の部材である。トラスは4,000ポンド(1,800キログラム)を超える荷重を支え、木材より強いという。生産速度はMITで毎時60〜80ポンド、Atlasの工場では毎時150〜200ポンドに達する。
この記事の要点
- 使い捨てプラスチックを粉砕・溶融し、ガラス繊維と融合させて3Dプリントする
- 水を使わないため、水へのアクセスに関係なくどの国でも導入できるとしている
- トラスは4,000ポンド(1,800キログラム)超の荷重を支え、木材より強い
- つくれるのはトラス、デッキ、基礎、壁・床・屋根の部材、橋の部材
- 生産速度はMITで毎時60〜80ポンド、工場では毎時150〜200ポンドに達する
プラスチックの機械的なリサイクルでは、まず洗う。容器には中身の残りや汚れが付いており、そのまま溶かすと品質が落ちるためである。この洗浄工程は水と、その後の排水処理を必要とする。水が乏しい地域では、この一点がリサイクルを成り立たせない理由になる。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)発の企業Atlasが取った道は、洗浄を前提から外すことだった。使い捨てプラスチックを粉砕して溶かし、米国製のガラス繊維と融合させる。そのうえで大型の3Dプリントシステムに送り、部材として出力する。共同創業者でMITの研究員でもあるA.J.ペレス氏は、水へのアクセスに関係なく、どの国でもプラスチックに手を打てるようになると述べている。
ガラス繊維を混ぜる点が効いている。再生プラスチックは元の樹脂より物性が落ちるが、繊維で補強すれば構造材として使える強度が出る。汚れの混入が多少あっても、繊維が支える設計なら許容できる幅が広がる。洗浄を省くこととセットになった選択にあたる。
つくれるものは幅がある。トラス(梁)、デッキ、基礎に加え、壁・床・屋根の部材、橋の部材が挙げられている。強度についてはトラスが4,000ポンド(1,800キログラム)を超える荷重を支え、木材より強いとされる。
生産の速さも示されている。MITでの試作段階では毎時60〜80ポンド、Atlasの工場では毎時150〜200ポンドに達する。建材は大量に必要になるため、この速度が事業として成り立つかどうかを分ける。
一方で、記事の範囲ではコスト、加工温度、耐久性や屋外での長期挙動に関する数値は示されていない。建材として使う以上、年単位での挙動が問われる部分が残っている。
| 主体 | Atlas(MIT 発のスタートアップ)(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 研究発表 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月15日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |