北米の使用済み携帯は3〜5割が回収されず、2040年に22億ドル分の鉱物
エレン・マッカーサー財団が、北米の携帯電話の循環経済に関する報告書「Missing Signal」を公表した。最初の使用を終えた携帯のうち30〜50%が確実には回収されていない一方、50〜70%はすでに再利用市場に入っているとする。北米の家庭の引き出しには、使われないまま数億台が眠る。2040年までに米国で20億台、メキシコで4億1,000万台、カナダで1億8,000万台が使用済みになる見込みで、循環経済を機能させれば重要鉱物を22億ドル分回収できるとした。提言は、繰り返し長く使えて後で分離しやすい設計、信頼できる回収経路、国境を越える流通の追跡性、域内の処理能力の拡大、回収材への安定した需要づくりの5つである。
この記事の要点
- 最初の使用を終えた携帯の30〜50%が確実には回収されていない
- 一方で50〜70%はすでに再利用市場に入っており、二次利用自体は成立している
- 2040年までに米国20億台、メキシコ4億1,000万台、カナダ1億8,000万台が使用済みに
- 循環経済が機能すれば2040年までに重要鉱物を22億ドル分回収できるとする
- 提言は設計・回収経路・追跡性・域内処理能力・回収材の需要づくりの5点
携帯電話には、コバルト、リチウム、希土類元素といった重要鉱物が少量ずつ入っている。1台あたりの量はわずかでも、台数が桁違いに多い。北米では2040年までに、米国で20億台、メキシコで4億1,000万台、カナダで1億8,000万台が使用済みになる見込みだという。
エレン・マッカーサー財団が公表した報告書「Missing Signal: Unlocking a Circular Economy for Mobile Phones in North America」は、この流れのどこで価値が失われているかを追った。北米環境協力委員会(CEC)の支援を受けている。
報告書の指摘で目を引くのは、二次利用そのものは機能しているという点である。最初の使用を終えた携帯のうち50〜70%はすでに再利用市場に入っている。中古として次の使い手に渡る経路は、ある程度でき上がっている。
問題はその先だった。30〜50%は確実には回収されない。家庭の引き出しには、使われないまま数億台が眠っているという。二度目の使用までは進むが、三度目、あるいは素材への回収までたどり着かない。報告書の見出しが「二度目の人生は得ている。なぜ三度目はないのか」となっているのは、この構図を指している。
機会の大きさも示された。循環経済が機能すれば、2040年までに重要鉱物を22億ドル分回収できる。新たに採掘する分への依存を減らすことにもつながる。
提言は5点である。繰り返し長く使え、後で分離しやすい設計にすること。信頼できる回収経路を通じて携帯を流通に戻すこと。国境を越える流通と二次利用の追跡性を高めること。域内の処理能力を広げて価値を地域内にとどめること。そして回収材への安定した需要をつくり、投資を支えること。
設計から素材回収までを通して見る構成になっており、リサイクルだけを取り出して論じていない点が、この報告書の立て方の特徴といえる。
| 主体 | エレン・マッカーサー財団(NPO・団体) |
|---|---|
| 情報の種類 | プレスリリース |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月25日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |