近赤外線で見えなかった黒色プラを中赤外線で識別、粗破砕の段階で選別
独Sesotecが、カーボンブラックを含む黒色プラスチックを識別できる選別装置「VARISORT+ CARBON BLACK」を開発した。黒色プラスチックは可視光と近赤外線(NIR)の大半を吸収するため、従来の光学選別では検出が難しかった。新しい装置は中波長赤外線(MWIR)を当てて材料固有のスペクトルを取得し、AIモデルを含むソフトウェアで解析する。PE、PP、ABSを区別できる。粗く破砕したあと、細かく粉砕して粒状にする前の段階に置く。既存のSesotecのプラットフォームに組み込め、実績のあるソフトウェアやアルゴリズム、AIモデルをそのまま使える。現在は実際の顧客の廃棄物を使った試験の段階にある。
この記事の要点
- 黒色プラスチックは可視光と近赤外線の大半を吸収するため、従来の光学選別で検出が難しい
- 中波長赤外線(MWIR)を当てて材料固有のスペクトルを取得し、AIモデルで解析する
- 識別できる樹脂はPE、PP、ABSで、カーボンブラックを含んでいても判別する
- 粗く破砕したあと、細かく粉砕して粒状にする前の段階に置く
- 既存のSesotecプラットフォームに組み込め、ソフトとAIモデルはそのまま使える
プラスチックの光学選別は近赤外線(NIR)を当てて、跳ね返ってくる光のスペクトルから樹脂の種類を読む。この方法には長らく穴があった。黒色のプラスチックが判別できない。着色に使われるカーボンブラックが可視光と近赤外線の大半を吸収してしまうため、機械の目に何も返らない。
黒は家電の筐体、自動車部品、パレットなど工業製品で広く使われる色である。選別できないものは混合の廃プラとして低い用途に回るか、燃やされる。分別の技術が進んでも、この一群だけが取り残されてきた。
独Sesotecが開発した「VARISORT+ CARBON BLACK」は、当てる光の波長を変えることでこの穴を埋めにいく。使うのは中波長赤外線(MWIR)で、近赤外線より波長の長い領域にあたる。カーボンブラックを含む樹脂でも材料固有のスペクトルが得られるため、そこから種類を判定する。解析には同社が蓄積してきたスペクトル解析の知見とAIモデルを使い、PE、PP、ABSを区別する。
工程のどこに置くかも設計されている。粗く破砕したあと、細かく粉砕して粒状にする前の段階である。再生材は粉砕が進むほど混ざったものを分けにくくなるため、比較的大きな破片の段階で種類を揃えておくほうが効く。
導入の負担を抑える構成にもなっている。カメラを使う新しい技術だが、既存のSesotecのプラットフォームに組み込める。実績のあるソフトウェア、アルゴリズム、AIモデルはそのまま使い続けられるという。
現在は実際の顧客の廃棄物を使った試験の段階で、商用の導入には至っていない。処理能力や識別精度の数値も示されていない。同社は、統合が終わり次第、実際の条件下で顧客への展開を進めるとしている。
| 主体 | Sesotec GmbH(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月14日 |
| 地域 | 海外(DE) |
| 公開日 | 2026年8月 のアーカイブ |