廃棄物の受け渡しを全件デジタルで記録、英イングランドとウェールズで1.2万事業者に義務化
イングランドとウェールズで、廃棄物の移動を電子的に記録する「Digital Waste Tracking」が2026年10月1日から始まった。まず許可を受けた受け入れ施設1万2,000か所に対し、運搬業者・廃棄物の分類コード・処理の結果を逐次登録することが義務づけられる。2027年春には収集業者にも広がり、対象は10万事業者を超える。規制当局の環境庁(Environment Agency)は、集めた記録のうち「出した」と「受け取った」が食い違う箇所を突き合わせ、不法投棄や偽装の調査の端緒とする。スコットランドと北アイルランドは2027年1月に導入する。
この記事の要点
- 廃棄物の受け渡しは書面での記録が中心で、出した側と受け取った側の照合が難しかった
- イングランドとウェールズで2026年10月1日からデジタル記録が義務化され、まず許可施設1万2,000か所が対象になる
- 登録する内容は運搬業者の情報、廃棄物の分類コード、処理の結果で、新しい「Report Receipt of Waste」から行う
- 環境庁は、収集の記録と受領の記録の食い違いを探し、不法投棄・分類の偽装・無許可業者の調査につなげる
- 2027年春には収集業者にも対象が広がり10万事業者超となり、スコットランドと北アイルランドは2027年1月に導入する
廃棄物が適正に処理されたかどうかは、出した側と受け取った側の記録を突き合わせれば分かる。書面でやりとりしているうちは、その照合に手間がかかり、抜け落ちた分は見つからないまま残る。イングランドとウェールズで2026年10月1日に始まった「Digital Waste Tracking」は、この照合を機械にさせるための制度である。
初めの対象は、許可を受けて廃棄物を受け入れている施設1万2,000か所になる。これらの施設は「Report Receipt of Waste」という新しい窓口から、運んできた業者の情報、廃棄物の分類コード、そして処理の結果を登録することが義務づけられる。従来の記録方法は置き換えられ、やりとりのたびに記録を残す形に変わる。
規制当局である環境庁(Environment Agency)が見るのは、個々の記録そのものより、記録どうしの食い違いである。収集されたと報告された量と、受け取られたと報告された量が合わなければ、その差がどこで消えたかという問いが立つ。不法投棄、分類の偽装、無許可の業者による取り扱いは、いずれもこの差として現れる。英環境相の Angela Eagle 氏は、廃棄物を扱う犯罪者はこれまで制度の隙間を突いてきたが、これからは隠れる場所がなくなると述べている。
対象は段階的に広がる。2027年春には収集業者が加わり、記録を義務づけられる事業者は10万を超える。スコットランドと北アイルランドは2027年1月に導入する予定で、英国全体では2027年のうちに同じ仕組みに揃うことになる。
| 主体 | 環境庁(Environment Agency)(行政) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年10月2日 |
| 地域 | 海外(GB) |
| 公開日 | 2026年10月 のアーカイブ |