米エネルギー省の5億ドル助成に電池リサイクル2社、ブラックマス輸出禁止と同時期
米エネルギー省(DOE)が総額5億ドルの電池製造・リサイクル助成の交付先を公表し、使用済みリチウムイオン電池を扱う企業が複数選ばれた。Princeton NuEnergyに最大5,000万ドル、Nth Cycleに最大1億ドルを充てる。財源は超党派インフラ投資雇用法である。この発表は、米政権によるブラックマス(使用済み電池の粉砕物)の輸出禁止が2026年8月27日に発効するのと同じ時期にあたる。
この記事の要点
- Princeton NuEnergyはジョージア州コマースの閉ループ工場で、電池製造スクラップの正極材からニッケルを回収・再生する
- 同社の1億1,000万ドル規模の工場は、新品材料を使う場合と比べて電池の製造コストを約45%下げられるとしている
- Nth Cycleは使用済みリチウムイオン電池と製造スクラップ由来のブラックマスを年間最大2万4,000トン精製する計画
- ほかにArcanum Ventures、Elevated Materials、Coreshell Technologies、Jervois、Lilac Solutionsが選ばれた
使用済みのリチウムイオン電池は、破砕・選別して「ブラックマス」と呼ばれる粉状の中間物にしたうえで、そこからニッケルやコバルト、リチウムを取り出す。これまで米国にはブラックマスを精製する能力が限られており、多くが海外へ輸出されてきた。
米エネルギー省が公表した交付先には、この工程を国内に置こうとする企業が並ぶ。原資は超党派インフラ投資雇用法にもとづく電池製造・リサイクル助成プログラムで、今回の総額は5億ドルである。
規模の大きい2社の内容は具体的である。Princeton NuEnergyには最大5,000万ドルを充て、ジョージア州コマースに設ける閉ループ型の工場で、電池製造の工程で出るスクラップの正極材からニッケルを回収して再生する。同社によれば、この1億1,000万ドル規模の設備を使うと、新品の材料を用いる場合に比べて電池の製造コストを約45%下げられるという。Nth Cycleには最大1億ドルを充てる。使用済み電池と製造スクラップに由来するブラックマスを年間最大2万4,000トン精製し、高純度の金属と電池グレードの材料をつくる。供給先としてAIデータセンター、系統用蓄電、軍事用途を挙げている。
このほかArcanum Ventures、Elevated Materials、Coreshell Technologies、Jervois、Lilac Solutionsが選ばれた。金額は公表されていない。発表の時期は、米政権によるブラックマスの輸出禁止が2026年8月27日に発効するのと重なる。国外へ出していた中間物を国内で処理する体制へ切り替える動きが、規制と補助の両面から進んでいることになる。
| 主体 | 米エネルギー省(Department of Energy)(行政) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年8月27日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年8月 のアーカイブ |