料金原資で投じた2,080万ドルのうち1件が閉鎖、米ガス会社のRNG事業が抱えた原料リスク
米オレゴン州のガス会社 NW Natural が進めてきた再生可能天然ガス(RNG)事業が行き詰まっている。Tyson Foods の牛肉加工工場2か所でのメタン発酵に計2,080万ドルを投じたが、うちネブラスカ州レキシントンの施設が牛肉業界の変動を理由に閉鎖されることになった。WM と進めていたワシントン州イーストウェナッチーの埋立地ガス事業も前に進んでいない。NW Natural の2025年のRNG比率はガス供給量の3.35%にとどまり、州法 SB 98 が求める2030年15%の水準から離れている。
この記事の要点
- 投資額はレキシントン(ネブラスカ州)に830万ドル、ダコタシティ(同州)に1,250万ドルの計2,080万ドル
- レキシントンの施設は牛肉業界の変動により閉鎖。NW Natural は停止分の費用を料金原資で回収する申請を出した
- WM は NW Natural との協議が進んでいないことを認め、同地では別の埋立地ガス活用を検討するとした
- 2025年のRNG比率は3.35%。SB 98 の目標は2030年15%、2035年20%、2050年30%
- NW Natural は自ら設備に投資する方式から、第三者との引取契約を優先する方針へ転換した
未利用資源からエネルギーを作る事業は、原料が別の産業の副産物である以上、その産業の都合に左右される。米オレゴン州のガス会社 NW Natural の再生可能天然ガス(RNG)事業は、その構造的な弱点が表に出た例である。
同社は Tyson Foods の牛肉加工工場2か所でメタン発酵の設備に投資してきた。ネブラスカ州レキシントンに830万ドル、同州ダコタシティに1,250万ドル、合わせて2,080万ドルである。このうちレキシントンの施設が、牛肉業界の変動を理由に閉鎖されることになった。発酵槽の性能や運転の問題ではなく、原料を出す側の工場が閉じるという事情である。NW Natural は停止した事業にかかった費用について、料金原資での回収を申請している。
もう一方の WM との事業も進んでいない。ワシントン州イーストウェナッチーの埋立地でガスをRNGにする計画について、WM は NW Natural との協議が前に進んでいないことを認め、同じ場所で別の埋立地ガスの活用を検討するとしている。
制度の側から見ると達成状況は厳しい。2025年に同社がRNGで置き換えたのはガス供給量の3.35%で、州法 SB 98 が掲げる2030年に15%、2035年に20%、2050年に30%という水準からは距離がある。SB 98 は2019年に成立し、ガス会社が料金原資をRNG事業に投じることを認めた法律だが、今回の指摘をまとめた Sierra Club と Breach Collective は、この制度が化石ガスの使用を減らす行動をむしろ遅らせたと批判している。NW Natural は報告書の手法に透明性が欠けると反論する一方、自ら設備に投資する方式から第三者との引取契約を優先する方針へ転換したとしている。
| 主体 | NW Natural(企業) |
|---|---|
| 情報の種類 | 報道 |
| 本サイト掲載日 | 2026年9月30日 |
| 地域 | 海外(US) |
| 公開日 | 2026年9月 のアーカイブ |